6月18日、カンヌライオンズ2日目は、エンターテインメントライオンズ、エンターテインメントライオンズ・フォー・ミュージック、エンターテインメントライオンズ・フォー・スポーツ、デジタルクラフト、インダストリークラフト、フィルムクラフトの受賞作品が発表となった。
エンターテインメントライオンズ・フォー・ミュージックでは、世界的に話題になったヒロ・ムライ監督の「THIS IS AMERICA」のミュージックビデオとブラジルのラッパー BACO EXU DO BLUESの「BLUESMAN」のショートフィルムがダブルグランプリに。どちらも多様性、人種偏見、銃がモチーフになっている。

日本もゴールドは逃したものの、各部門でシルバーとブロンズを受賞した。エンターテインメントライオンズ・フォー・ミュージックでは、日本フィルハーモニー交響楽団/耳で聴かない音楽会がブロンズを受賞。

インダストリークラフトでは、東日本旅客鉄道「行くぜ、東北。」のポスターシリーズがシルバーを、北國新聞社「第102回高等学校相撲金沢大会」の72枚のポスター、日本マクドナルド「THE VERY HAPPY MEAL FONT」と日本パラ卓球協会「パラ卓球台」がブロンズを受賞した。

また、フィルムクラフトでは、ヘカテ「WHAT HAPPENED? 」と日清食品チキンラーメン「悪魔のキムラー」がブロンズに入賞した。


■Entertainment Lions
グランプリ
JOHNSON & JOHNSON/ JOHNSON & JOHNSON/ 5B
(UM STUDIOS, New York/ HWY 61 FILMS+SAVILLE, Los Angeles)

エイズが世界に認知され衝撃が走った際、その偏見や非難に立ち向かい、患者への献身を尽くしたサンフランシスコ総合病院の医師、看護婦たちを追った50分のドキュメンタリー。J&Jのブランドスローガンである、“Care”と“Touch”をその姿を追うことで問いかけたもの。全米14の映画館での上映を始め、カンヌ、サンフランシスコなどの映画祭にも出品、ネットでも配信された。

グランプリ
CHILDISH GAMBINO/ MUSICE VIDEO/ THIS IS AMERICA
(DOOMSDAY ENTERTAINMENT, Los Angeles)

俳優Donald Glover扮するアーティスト、Childish Gambinoのミュージックビデオ“This is America”。アメリカで実際に起きた銃乱射事件や黒人への暴行事件を彷彿とさせるシーンが多数盛り込まれており、多くの憶測を呼び、物議を醸して世界的に話題となった。

グランプリ
BACO EXU DO BLUES/ ALBUM/ BLUESMAN
(STINK FILMS + SATELITE AUDIO +COALA FESTIVAL, São Paulo)

ブラジルのラッパー、Baco Exo do Bluesのアルバムのためのショートフィルム。これまで支配されたり、虐げられるなどして、その場所にいたくない(逃げたい)人のために音楽を作り、不平等や抑圧、人種の問題を探っているとされる。

※日本の入賞作品
ブロンズ
日本フィルハーモニー交響楽団/耳で聴かない音楽会
(博報堂 + TBWA\HAKUHODO)

■Entertainment Lions for Sport
グランプリ
NIKE/NIKE/ NIKE DREAM CRAZY
(WIEDEN+KENNEDY, Portland/ PARK PICTURES, Santa Monica/)

NikeのJust Do It誕生30周年のキャンペーンとして行われた“Dream Crazy”。夢を叶えるために困難に立ち向かう人々を鼓舞する内容。

キャンペーンに起用されたのは、元NFLのスター選手であったコリン・キャパニック。キャパニックは、2016年のプレシーズンマッチの試合前、有色人種に対する差別や暴力に抗議するために試合前の国歌斉唱中に起立することを拒否した。その行動が賛否を呼び、シーズン終了後にはチームとの契約を終了、この2年間はNFLでプレーしていない。

彼の生き様に重なるタグライン “Believe in something, even if it means sacrificing everything.(信じろ、たとえすべてを失うとしても)”が強烈なメッセージを放つ。公開直後は、キャパニックを起用したことに失望した人々が自分のNikeを燃やすなど反発も多かったものの徐々に擁護者が現れ好転、一時下がった株価も最終的には上昇に転じた。

■Digital Craft Lions
グランプリ
CARLINGS/ THE DIGITAL COLLECTION / ADDRESS THE FUTURE
(VIRTUE, Copenhagen)

大量の廃棄と環境汚染を引き起こしている今の時代、実際の服を購入せずに、そのファッションを着ている写真をSNSに投稿できる技術を北欧ファッションブランドCarlingsが開発し、新作コレクションとして発表したもの。

■Industry Craft Lions
グランプリ
NIKE/NIKE/ JUST DO IT HQ AT THE CHURCH
(MOMENTUM WORLDWIDE, New York+MOMENTUM CANADA, Toronto/ VICTORY CREATIVE GROUP , Toronto + CHICAGO SCENIC STUDIOS + ABSOLUTE PRODUCTION SERVICES, Chicago + CREATIVE SPORTS CONCEPTS, New York + STOREY STUDIO, London + FLOWERS, Chicago)

銃を使った事件が後を絶たないシカゴでは、その恐怖から外でバスケットボールをするのをやめてしまっていた。そこで、使用されていなかったエピファニー教会を、シカゴの若者が夢を追いかけるのを助けるためのバスケットボール、インスピレーション、そしてサマートレーニングプログラムのための文化の中心地に変え、若者の救済の場所としてよみがえらせた。ロゴを全面に打ち出さない、教会の景観をうまく残したデザインも高く評価された。

※日本の入賞作品
シルバー
東日本旅客鉄道/東北新幹線「行くぜ、東北」1, 3, 4, 5
(電通+一倉広告制作所/クリエイティブパワーユニット+コトリ社+片村文人写真事務所+横浜スーパーファクトリー+電通オンデマンドグラフィック)

ブロンズ
日本マクドナルド/ハッピーミール/ THE VERY HAPPY MEAL FONT.
(ビーコンコミュニケーションズ+レオ・バーネット+オニオン)

ブロンズ
日本パラ卓球協会
パラ卓球協会/パラ卓球/パラ卓球台(TBWA\HAKUHODO+NOMAD TOKYO,LLC/AMANA+三英+/QUANTUM)

ブロンズ
北國新聞社/第102回高等学校相撲金沢大会/大会出場校全72校オリジナルの相撲部応援ポスター -1, 2, 3
(電通+J.C. SPARK+アマナ)

■Film Craft Lions
グランプリ
THE NEW YORK TIMES/JOURNALISM/RESOLVE (MYANMAR)
(FINAL CUT+DROGA5, New York/FURLINED, Santa Monica + SIGNIFICANT OTHERS, New York)

ニューヨークタイムズ紙のシリーズ “The Truth Is Worth It”。記者のタイピングをイメージさせるスーパーによって、真実を真摯に地道に追いかける報道姿勢をアピールしながら、ロヒンギャ難民に対するミャンマー政府の対応を追う。

※日本の入賞作品
ブロンズ
ヘカテ/WHAT HAPPENED?
(CHERRY+ソーダコミュニケーションズ)
ブロンズ
日清食品/チキンラーメン/悪魔のキムラー
(電通+ギークピクチュアズ+デジタルガーデン+サイエンスSARU+CLIVER+ J.C.SPARK)