カンヌライオンズ2019の最終日は、フィルム、チタニウム、グラス、サスティナブル・ディベロップメント・ゴール、グランプリ・フォー・グッドの入賞作品が発表となった。

フィルム部門グランプリは、フィルムクラフト部門グランプリに続き、ニューヨークタイムズ紙の「The Truth Is Worth It」シリーズが受賞した。制作は、ドロガ5。

日本は、NHK/Eテレ「バビブベボディ」がブロンズに入賞した。チタニウムは、モバイル、ダイレクトに続いて、バーガーキング三冠に。GlassLionsは、ポーランドのニュースサイト「Gazeta.pl」、マスターカード、BNPパリバがジェンダーの問題に取り組んだ「The Last Ever Issue」が受賞。

サステイナブル・デベロップメント・ゴール部門のグランプリは、動物の画像を広告で使用した企業にはメディア費の0.5%を保護基金として寄付してもらうという、オーストラリアの動物保護基金プログラム「The Lion’s Share」。非営利団体のアイデアに贈られるグランプリ・フォー・グッドは、アメリカの銃規制を推進する団体、March for Our Lives「Generation Lockdown」が選ばれた。

■FILM
Grand Prix
THE NEW YORK TIMES/The Truth Is Worth It/「RIGOR」「PERSEVERANCE」「RESOLVE」「COURAGE」「FEARLESSNESS」
(DROGA5, New York、FURLINED, Santa Monicam、FINAL CUT, New York、SIGNIFICANT OTHERS, New York、COMPANY 3, New York、 WAVE STUDIOS, New York、ADOBE, New York)

フィルム部門グランプリは、フィルムクラフト部門グランプリに続き、ニューヨークタイムズ紙の「The Truth Is Worth It」シリーズが受賞。「RIGOR」「PERSEVERANCE」「RESOLVE」「COURAGE」「FEARLESSNESS」の5つのムービーがあり、ロヒンギャに対するミャンマー政府の対応やイラクでのISの支配等、刻々と変わっていく情勢を地道に追いかける記者たちの姿勢を追っている。それぞれが、真実を追求することの重要性を伝えながら、記者たちの身が常に危険にさらされていることにも触れている。

The Truth Is Worth It: Rigor
The Truth Is Worth It: Perseverance
The Truth Is Worth It: Resolve
The Truth Is Worth It: Fearlessness
The Truth Is Worth It: Courage

※日本の入賞作品
Bronze Lion Campaign
NHK/Eテレ「バビブベボディ」(PARTY+電通+ギークピクチュアズ+WINK2+V-OUT)/「肺」「脂肪」

■TITUNIUM
Grand Prix
BURGER KING/THE WHOPPER DETOUR(FCB NEW YORK+POSITIVE, New York +MACKCUT, New York +HUMAN, New York +CHEMISTRY CREATIVE, New York+ ZOMBIE STUDIO, São Paulo+HORIZON MEDIA, New York+ALISON BROD MARKETING + COMMUNICATIONS, New York+HONEYMIX, New York)

アメリカのバーガーキングの”The Whopper Detour”が受賞し、ダイレクト部門、モバイル部門に続き、3冠となった。全米で14000店舗あるマクドナルドの半径600フィート(約180メートル)内に入ると、人気商品のワッパーを1セントで購入できるクーポンを出すアプリを開発。クーポンを入手すると、そのまま最寄りのバーガーキングへ誘導される。この寄り道企画がウケて話題となり、アプリのダウンロード数は150万を超え、アプリ上での売り上げもキャンペーン開始時より2倍に伸びた。

■Glass – The Lion For Change
Grand Prix
GAZETA.PL+MASTERCARD+BNP PARIBAS /GAZETA.PL (A NEWS PORTAL)/THE LAST EVER ISSUE(VMLY&R POLAND, Warsaw+PAPAYA FILMS, Warsaw)

ジェンダーの不平等や偏見を変えることを目的としたアイデアのグランプリとして、ポーランドのニュースサイトGazeta.pl、マスターカード、BNPパリバの協同による「The Last Ever Issue」が受賞。ジェンダー平等ランキングで世界低位のポーランドが長年発行してきた有名なポルノ雑誌「Twoj Weekend」は正式な性教育を受けない男性が女性を性的な対象としてしか見ない性差別文化を生んできた。その媒体を買い取り、レイアウトはそのままに、女性活動家を表紙に、男女平等を考える記事を掲載した号にし、国際女性デーに発行したことで話題となった。

■Sustainable Development Goal
Grand Prix
MARS AUSTRALIA/THE LION’S SHARE(CLEMENGER BBDO MELBOURNE / FINCH, Melbourne+CLEMENGER BBDO MELBOURNE+FINCH, Melbourne)

オーストラリアの動物保護基金プログラムの「The Lion’s Share」が受賞。総広告の約20%に使用されているとされる動物だが、動物はその恩恵を得ていない。そこで、国連と設立メンバーのMARSが中心となり、動物の画像を広告で使用した企業にはメディア費の0.5%を保護基金として寄付してもらうというプログラムをつくった。既に約12億円もの寄付が集まり、乱獲からの保護や絶滅危惧種や野生動物生息地の保全などの活動に使用されることになっており、持続可能なプログラムとして評価を得た。

■GRAND PRIX FOR GOOD
March for Our Lives「Generation Lockdown」(McCann New York.)
非営利団体のアイデアに贈られるグランプリ・フォー・グッドは、アメリカの銃規制を推進する団体、March for Our Livesの「Generation Lockdown」が受賞。ある企業の万一の銃襲撃に備えた避難訓練に、小学生の女の子が話しにやってくる。アメリカの小学校では盛んに行われている訓練であり、幼い女の子でも、豊富な知識を持ち、冷静にその対処法を語ることができることに、銃暴力が深刻な社会問題になっていることが表れている。1週間で2200万ビューを記録した。