SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」は、around20と定義する20歳前後の女性を対象に、昨年に引き続き「ヲタ活」に関する意識調査を実施した。

「ヲタ」比率は7割強。ヲタ活費用は年間15万円以上

調査の結果、自分のことを「ヲタ」と自覚しているaround20は、72.6%という結果となった。ヲタ活の対象としては、「日本の男性アイドル・有名人(38.3%)」「海外の男性のアイドル・有名人(12.6%)」「日本のバンド・アーティスト(11.4%)」の順となり、男性アイドルが人気であることがわかった。
ヲタ活に年間どのくらいのお金をかけているのかを聞いたところ、「150,000円以上」が15.6%と最も多い結果となった。アイドルやアーティストへのヲタ活では、地方や海外公演へ参加する、いわゆる「遠征」をするヲタも多く、交通費や宿泊費を含めると多くの費用がかかっている。

また、遠征やグッズの購入だけでなく、「推し(=応援の対象)の誕生日を祝う会」をカラオケボックスなどで開催したり、「グッズを全種類コンプリートして部屋に祭壇をつくる(飾る)」など、多様な楽しみ方があるようだ。

ヲタ活の中心はSNS。ハッシュタグでヲタ友とつながり、“推しの尊さ”を画像で共有

調査によると、around20女子は、「ヲタ活専用アカウント」をつくり、画像の投稿やヲタ友との交流を図るなど、SNSを中心としたヲタ活をしている。SNSを活用する目的の一つは「ヲタ友を作ること」で、ハッシュタグをつけて投稿したり検索したりすることで、同じ志向を持つヲタとつながり、コミュニケーションをとっている。
知り合った友達との交流経験について深堀してみると、最も多い行動は「SNS上で情報交換をした(62.9%)」。次いで「コンサート会場で会った(59.9%)」「ヲタ活以外でも仲良しの友達としてお出かけ(44.9%)」と、リアルの場所での交流がランクインしている。SNS上でしかコミュニケーションをとったことがないヲタ友と、リアルな場で交流することに抵抗感が低いという特徴が見て取れる。
また、ヲタ友とつながるきっかけとして、ハッシュタグ以外に「画像」も多く使われている。アンケート結果によると、ヲタ活中の写真の撮り方にはいくつかパターンがあり、「顔をうちわで隠す(36.5%)」「手と推しを一緒に写す(36.5%)」など、基本的には自分の顔を隠して撮影している。この背景には、SNS上での「不特定多数の人からの身バレ防止」に加えて、「自分を映したいのではなく、“推しの尊さ”を前面に出したい」ということが一番の理由となっているようだ。これは、ヲタ友とつながる際にも、投稿された写真のテイストから「自分と趣味が合いそうか」を検討するための重要な要素となっている。
今回の調査を通して、「ヲタ=少数派、暗い」というイメージはもはや古く、多くのaround20が「●●ヲタ」と自称し、ヲタ活を楽しんでいる実態が明らかになった。

なお、この調査は、SHIBUYA109渋谷館内のアンケートおよび、グループインタビューによって実施されたもの。