ACC(All Japan Confederation of Creativity)は、「2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の各部門の「総務大臣賞/ACCグランプリ」ほか各賞を発表した。
応募総数2456本の中から、すでに発表となっていたマーケティング・エフェクティブネス部門、クリエイティブイノベーション部門を含め、総務大臣賞/ACCグランプリを受賞したのは下記の10作品。

フィルム部門Aカテゴリー(テレビCM)は、ブックオフコーポレーションとアンファーがグランプリに選ばれた。本年度、同部門審査委員長を務めた多田琢氏は「Aカテゴリーのグランプリ審査は紛糾した。長時間議論した上でも票は真っ2つに割れた。『ACCのグランプリは数が増えて、どれが一番なのかよくわからない』と言っていた自分が、グランプリを2つ出すことに後悔がないかと言われれば嘘になる。

しかし、テクノロジーが進化し、新しいフォーマットが増え、データ分析が当たり前となり、刺激的なことに不寛容な世の中でCMをヒットさせるという難しいミッションを解決するには、アイディアこそ最良の方法であるということを示すためにも、2本をグランプリとすることに決めた」と講評を述べている。

Bカテゴリー(オンラインCM)グランプリに選ばれたのは、TCC賞、また先日のスパクスアジアのフィルム・フィルムクラフト部門でグランプリを受賞したタクティー/jms/連続10秒ドラマ「愛の停止線」だ。Bカテゴリーは、圧倒的な差で本作品が選出されたという。

ラジオ&オーディオ部門は本年度、声コンテンツによる企業コミュニケーションを評価するBカテゴリーを開設。シルバーで2作品が選出されている。

「店内放送・機内音楽・遊園地の環境音から全く新しい聴力試験まで音の持つ可能性を感じる作品群と巡り会う事ができた」と、同部門審査委員長の嶋浩一郎氏。その中でグランプリに選ばれたのは、大日本除虫菊/ゴキブリがうごかなくなるスプレー、ゴキブリがいなくなるスプレー、コンバットの「G作家の小部屋」シリーズだ。「今年のグランプリ。数々の名作シリーズを生み出してきた大日本除虫菊が新たな進化をとげている。ゼロスクラッチでCMの新しい文脈を作り続ける姿勢には審査委員一同驚いた」(嶋氏)。

2年目を迎えたブランデッド・コミュニケーション部門。Bカテゴリー(プロモーション/アクティベーション)では、テレビ朝日・東宝・プレミアムスポンサー各社による『君の名は。』地上波放送が、Cカテゴリー(PR)では、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン PANTENEの「#この髪どうしてダメですか」が、Dカテゴリー(デザイン)では、日清食品ホールディングスの「NISSIN KANSAI FACTORY」が選出された。

「今年応募されたプロジェクトもレベルが高く、昨年の審査結果を受けてかより精度が高くなった印象」と、同部門審査委員長 菅野薫氏。審査の過程については「この部門が目指しているのは、ブランドに貢献する全てのアイディアを評価対象とすること。カテゴリーの定義におさまらないアイディアも、審査委員が評価すべきと判断すればなんとか褒める方法がないか議論する、必要があればカテゴリーを移設してでもより高い評価を残せるようにする。

また昨年、審査会で意見を交換するとかなり評価が上下するということがわかりました。そのため今年は、事前のオンライン審査での評価の数字と混濁をしないようにブロンズ以上の評価のプロジェクトは、審査会において全て議論する対象とし、その議論を踏まえて、審査委員全員で再度投票しなおすというシステムを採用しました」と述べている。

メディアクリエイティブ部門グランプリを受賞したのは、中国放送/RCCテレビ60年特別企画リリーフドラマ『恋より好きじゃ、ダメですか?』。本年度メディアクリエイティブ部門の審査委員長を務めた箭内道彦氏は、「グランプリのRCCテレビ『リリドラ』には、ネットだけではないリアルが「動く」愛とカタルシスがあった。最後まで競り合った『君の名は。』。表裏を透かす新聞広告、提供クレジットでの企業ロゴスワップ、名作映画を改めて現在形にした」と講評を述べている。

なお、総務大臣賞/ACCグランプリをはじめとする入賞作品の贈賞式・記念パーティは、11月1日に東京・溜池のANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催される。

2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 総務大臣賞/ACCグランプリ
■フィルム部門:Aカテゴリー(テレビCM)


ブックオフコーポレーション/企業/フィクションは本だけに店員篇/冗談よしてや店員篇(15秒)
(ティー・ワイ・オー+ティー・ワイ・オー 第二プロデュース本部)
アンファー/スカルプD/メディカルミノキ5/出会い篇・なかよし篇・嬉しかったこと篇・初詣篇(30・30・15・15秒)
(ワトソン・クリック+ギークピクチュアズ)

■フィルム部門:Bカテゴリー(Online Film)

タクティー/jms/連続10秒ドラマ「愛の停止線」(153秒)
(博報堂ケトル+博報堂+東北新社)

■ラジオ&オーディオ広告部門

大日本除虫菊/ゴキブリがうごかなくなるスプレー、ゴキブリがいなくなるスプレー、コンバット/G作家の小部屋 独創性について・G作家の小部屋 ライフスタイルについて・G作家の小部屋 サービス精神について・G作家の小部屋 コミュニケーションについて・G作家の小部屋 名前について・G作家の小部屋 死について(全て60秒)
(電通 関西支社+ヒッツコーポレーション)

■ブランデッド・コミュニケーション部門

Aカテゴリー(デジタル・エクスペリエンス)
グランプリ選出なし

Bカテゴリー(プロモーション/アクティベーション)
テレビ朝日・東宝・プレミアムスポンサー各社/『君の名は。』地上波放送/『君の名は。』地上波放送プロジェクト
(電通+コミックス・ウェーブ・フィルム+テレビ朝日映像+ゼニス+ティー・ワイ・オー 第二プロデュース本部+たき工房)

Cカテゴリー(PR)
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン/PANTENE/#この髪どうしてダメですか
(PARTY+電通+マテリアル+TBWA\HAKUHODO+ギークピクチュアズ+J.C.SPARK+S2 Factory+電通クリエーティブフォース)
Dカテゴリー(デザイン)
日清食品ホールディングス/NISSIN KANSAI FACTORY/NISSIN KANSAI FACTORY
(SAMURAI+東北新社)

■メディアクリエイティブ部門

中国放送/RCCテレビ60年特別企画リリーフドラマ『恋より好きじゃ、ダメですか?』
(博報堂DYメディアパートナーズ)

■マーケティング・エフェクティブネス部門

大起エンゼルヘルプ/注文をまちがえる料理店/注文をまちがえる料理店
(TBWA\HAKUHODO)

■クリエイティブイノベーション部門

応募団体:やさいバス/博報堂/スタンダード
やさいバス
(カテゴリー:プロダクト&サービス)