ヘルスケアコミュニケーションの活性化を推進するNPO法人「日本HIS研究センター」は10月19日、医療・福祉施設の優れた広報事例などを称える「BHI(Best Healthcare Information)賞」の結果を発表した。最優秀賞には、社会医療法人杏嶺会一宮西病院(愛知・一宮)による乳がん検診を促す啓発イベントなどの取り組みが選ばれた。同日、茨城県古河市内で開かれた第23回全国病院広報研究大会で発表された。
医療・福祉施設の優れた広報事例を表彰する「BHI賞」の受賞者たち。
医療・福祉施設の優れた広報事例を表彰する「BHI賞」の受賞者たち。
一宮西病院では市民団体とともに、2016年からオリジナルの啓発イベント「ピンクリボン愛フェス」に取り組んでいる。これによりがん検診の受診者数増加に寄与した。今年7月には来場者数が1100人に達し、病院の認知度向上に一役買っている。イベント開始前の2015年と比べると、2018年の乳がん検診者数は153%、乳腺外科の外来患者は345%に増加するなど、乳がんへの理解、増患につながった。

BHI賞(Best Healthcare Information)は1995年に設けられた、医療・福祉施設が行う広い意味での情報公開や、文化・環境づくりにおいて革新的な取り組みや優秀な事例を表彰する賞。全国の優れた事例を紹介することで、病院広報担当者のモチベーション向上にも寄与している。

優秀賞以下は次の通り。

優秀賞

一般財団法人芙蓉協会聖隷沼津病院(静岡県沼津市)
適者生存時代の病院広報 ~院内連携を高める統合的マーケティング広報の実践~

敢闘賞(企画賞)

社会医療法人恵仁会くろさわ病院(長野県佐久市)
地元商店街と健康づくり&まちづくり 空き店舗を活用した地域コミュニティ作り

アイデア賞(企画賞)

医療法人徳洲会庄内余目病院(山形県庄内町)
足を救い命を守る、広報活動13年間の取組み ~院内から地域へ広げる協働・連携の輪~

協働・連携賞(特別賞)

(公財)大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(岡山県倉敷市)
小児がん診療体制の広報活動の効果 ~地域の子どもを地域で診守る~

メディア賞(特別賞)

医療法人社団清永会矢吹病院(山形市)
矢吹チャンネルが生み出す広報の可能性