ガートナージャパンは、「日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル:2019年」を発表した。

本レポートでは、2019年現在の日本のIT市場においてITリーダーがデジタルビジネスを推進するにあたり重要な役割を担う、代表的な40のキーワードを取り上げている。

日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル:2019年
出典:ガートナー (2019年10月)
出典:ガートナー (2019年10月)
ガートナーのハイプ・サイクルは、テクノロジーやサービス、関連する方法論、プラクティス、コンセプトなどの認知度、成熟度や採用状況、および各キーワードが実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓にどの程度関連する可能性があるかを視覚的に示したもの。

キーワードが市場に登場した直後、期待が急上昇する「黎明期」、期待に見合う成果を伴わないまま過熱気味にもてはやされる 「『過度な期待』のピーク期」、熱狂が一気に冷める「幻滅期」、それを乗り越えて改めて市場への浸透が進む「啓蒙活動期」、成熟したテクノロジーとして市場に認知される「生産性の安定期」、ハイプ・サイクルは、これら5つの段階を通して市場の成熟化の過程を示しており、各キーワードはそれぞれの成熟度に従ってハイプ・サイクル上に位置付けられている。

ガートナーのマネージングバイスプレジデントの長嶋裕里香氏は、「2019年現在、例えば『モノのインターネット』『人工知能』『ブロックチェーン』は、幻滅期に位置付けられている。一方、『5G』に対する期待が「過度な期待」のピーク期に入ったとガートナーは評価した。これには、新たなテクノロジーの活用とその普及がもたらし得るさらなる破壊に対する期待が影響している」と述べている。

日本では、「デジタル」や「デジタル・トランスフォーメーション」という名のもと、何らかの活動を進める企業が増えている。一方で、「デジタル」への取り組みを始めたがうまくいかない、「デジタル」をどこから始めるべきかわからないという声も一定数存在している。その要因として、新たなテクノロジーやサービスの変化のスピードが速いことに加え、それらが組み合わされることで複雑性が増し、テクノロジーを使いこなす難易度が高くなっている状況がある。その結果、ITリーダーは、より高度な理解やスキルを求められるようになっている。

今後、「デジタル」に関わる活動を推進するうえでは、それぞれのテクノロジーやサービスの特徴、現状、今後の方向性などを理解し見極めることが不可避となる。ハイプ・サイクルは、各キーワードが時間の経過と共に今後たどる道筋を時間軸で予測しており、企業がビジネス目標に沿って特定のテクノロジーなどの採用を判断するうえで必要になる最適な知見を提供する。