日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会は 、第7回Webグランプリにおいて、「企業グランプリ部門」に続き、「Web人部門」の各賞受賞者を決定した。「Web人大賞」には、クラシコムの青木耕平氏が選ばれた。
「Web人部門」は、優れたWebサイト、Webプロモーションにとどまらず、広くデジタルマーケティングの原動力となり、Web社会の発展に貢献してきた「人」に授与される。前身となる「Webクリエーション・アウォード」から数えて今年で第17回目をむかえる。

有識者で構成されるWeb人賞選考委員会による審査会、およびWeb広告研究会幹事会での審議の結果、「Web人大賞」をはじめ、各賞の受賞者が決定した。

第7回Webグランプリ「Web人部門」受賞者一覧

■Web人大賞

青木耕平(あおきこうへい)氏/クラシコム
青木氏は、クラシコムの代表取締役として「北欧、暮らしの道具店」を開設。2011年頃から「買い物に来る人」ではなく、「まだ買い物をする気がない人」にサイトに来てもらう方針に転換した。オウンドメディアブームの遙か前に、ネットショップとメディアが両立する現在のスタイルを確立。

さらにはInstagramやLINE@、YouTubeなどのソーシャルメディアも積極的に活用し、直近ではWebで展開するオリジナルドラマにも挑戦、長編映画化も決定するなど、オウンドメディアの可能性を拡張している。「ありがとう」と言われる広告コミュニケーションをキーワードに、新しいWebタイアップ施策等にも積極的に挑戦している点が高く評価され、今回の受賞となった。

■Web人 of the year
蔵重龍(くらしげりゅう)氏/日本放送協会
蔵重氏は、「ネット広告の闇」として、海賊版サイトなどでのアドフラウドやフェイク広告、やらせレビュー、ソーシャルメディアにおけるインフルエンサーの水増しなど、広告業界にとどまらず、一般の人々にも影響を与えるさまざまな不正について、クローズアップ現代+などの取材を通して、問題点やその実態を明らかにした。また、複雑な不正の仕組みを番組やWebサイトでわかりやすく啓発したことで、ネットの健全化に寄与したことが高く評価された。

■Web人賞 
緒方恵(おがたけい)氏/中川政七商店
中川政七商店の取締役として、同社の「日本の工芸を元気にする」というビジョンのもと、自社サイトやメディアサイト「さんち」などを通じ、日本の工芸と産地の魅力を伝え、日本のものづくりの価値を社会に再認識させることに貢献。

音部大輔(おとべ だいすけ)氏/クー・マーケティング・カンパニー
外資系から日系まで有数の企業でブランドマネジメント、マーケティングに従事。国内では数少ない「CMO」としてマーケティング業界に多大な影響を与えている。自身の経験に基づいて考案した「パーセプションフローモデル」はBtoCのみならず、BtoB企業でも実践。

坂井康文(さかいやすふみ)氏/サントリーマーケティング&コマース
Webの黎明期からサントリーの企業サイトの運営に携わり、月間ユニークユーザー数百万人という類稀な巨大Webサイトを作り上げた。企業のオウンドメディアマーケティングとブランドづくりを強力に推進したパイオニアの1人。

西口一希(にしぐちかずき)氏/Strategy Partners
顧客起点マーケティングを実践し、マーケターとしての経験、および経営者としての視点をもとに、数々のマーケティング活動を成功に導く。その実績をもとに得た知見を、書籍などを通じ広く業界に発信し、多くのマーケターの教育に貢献。

庭山一郎(にわやまいちろう)氏/シンフォニーマーケティング
インターネット黎明期よりBtoBにフォーカスしたマーケティング活動を行い、近年のマーケティングオートメーション推進の先駆者的役割を果たしてきた。「ABM:Account Based Marketing」の実践を通じ、BtoB企業のマーケティング活動推進に大いに貢献。

廣澤祐(ひろさわゆう)氏/花王
若手世代がマーケティングやビジネスに関してフラットに議論する場である「マーケティング夜話」をはじめ、その他イベントの運営、また、その成果を積極的にアウトプットするなど、未来の業界のためになる活動を精力的に行う。

村岡慎太郎(むらおかしんたろう)氏/ネスレ日本
アドベリフィケーションに対して、自社で取り組むだけではなく、その取り組みを推進することの重要性を多くのセミナーや勉強会で発信。まさにアドベリフィケーションのエヴァンジェリストとも言える活動が高く評価された。