経済産業省と東京証券取引所は3月22日、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」として42社選定した。初選出は、三井化学、DIC、NTTドコモ、ケイアイスター不動産、ベルシステム24ホールディングスの5社。東京急行電鉄は7年連続、カルビー、ブリヂストン、トッパン・フォームズは6年連続で選出された。

なでしこ銘柄は、中長期の企業価値向上を重視する投資家に対して「女性活躍推進」に優れた上場企業を紹介することで、投資を促進する狙いがある。同時に各社の取り組みの加速化も図っている。
レポートによると、近年は海外投資家を中心にESG投資が広まり、企業や機関投資家の意思決定プロセスにおいてESG課題を反映していくことを推奨した国連責任投資原則(PRI)への署名数も年々増加している。

国内でも、2018年のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に続き、2019年には日本銀行が設備・人材投資に積極的に取り組む企業を支援するための指数連動型ETF(上場投資信託)を買い入れる特則の適格指数として、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)を選定。投資判断においても女性の活躍状況が重視されるようになっている。

「なでしこ銘柄」の選定は、全上場企業約3600社から、企業価値向上を実現するためのダイバーシティ経営に必要とされる取り組みとその開示状況について評価される。スクリーニング要件は➀女性活躍推進法を踏まえた行動計画の策定(従業員数300人以下の企業を除く)②厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」に女性管理職比率を開示③女性取締役が1人以上としている。

初選出の三井化学は、事務系一般職の女性を対象に実施した「業務効率化プロジェクト研修」などが評価された。NTTドコモは、管理者一歩手前の「エキスパート職」の女性社員から選抜したキャリア開発研修の実施や、ダイバーシティ推進WGによって男性社員の育児も全社的に応援したことがポイントとなった。

同時に発表された、「なでしこ銘柄」に準ずる「準なでしこ」には、22社が選出された。