朝日酒造(新潟県長岡市)は4月18日、YouTube Live上で蔵開きイベント「オンライン蔵フェス2020 in朝日山」を開催した。同日に開催予定だったリアルイベントが新型コロナウイルスの影響により中止となったため急きょオンラインに切り替えた。トークライブやバーチャル酒蔵見学、酒造り唄ライブなどが60分にわたって行われ、国内外から550人が参加した。
オンライン配信当日の様子
オンライン配信当日の様子
「蔵フェス」は、地域内外の人に酒造を開放する「蔵開き」に合わせたイベントで、2018年にスタート。オンライン開催となった今回は時間を短縮して開催した。

まず、松籟(しょうらい)蔵の杜氏・大橋良策氏と朝日蔵醸造1課 課長の渡辺将勝氏がトークライブを実施。愛用の酒器やおつまみの紹介から始まり、4月1日にリニューアルした「久保田 萬寿」と「久保田 千寿」の魅力なども語った。リアルタイムで質問に回答する時間も設け、ファンとの交流も深めた。

その後、渡辺氏の案内で朝日蔵の酒造見学も配信。蒸米機で米を蒸す作業や麹造りの様子などを公開し、視聴者からは「落ち着いたら実際に見学したい」などといったコメントが寄せられたという。イベントの締めくくりは恒例の「酒造り唄」の披露。仕込み時に加える米の量を数えたり、もろみの発酵具合を決めたりするための歌で、古くから効率よく酒造りを行うために歌われてきたものだ。

同社の広報担当は、当日の反響について「バーチャル酒蔵見学が非常に好評でした。社員でもあまり見ることのできない作業なので、社内からの反響も大きかったです」と話す。さらに「チャットで質問を受け付ける方法は、お客さまからも“距離感が近くて親近感が湧いた”という声をいただいたので、今後も新たなオンラインでの取り組みを検討していきたい」と展望を述べた。