宮崎県児湯郡の新富町地域おこし協力隊メンバーは、コロナ禍で売上減少に苦しむ飲食店や生産者を支援するサービスを5月20日よりスタートした。これは、地域おこし協力隊として活動するデザイナーやカメラマンら、クリエイティブ分野のメンバーが実行するもので、第一弾としてコミュニティカフェ「こゆ野菜カフェ」のテイクアウトPRツールを制作した。

今回の飲食店・生産者支援サービスは、新富町地域おこし協力隊で2020年4月24日「こゆデザインスタジオ」を立ち上げた中山雄太氏が中心となってスタート。第一弾のPRツール制作には、同町の協力隊であるブランディングデザイナー・増田悠太朗氏も参加している。
テイクアウト利用者へメニューの詳細を伝える、こゆ野菜カフェの小冊子。
テイクアウト利用者へメニューの詳細を伝える、こゆ野菜カフェの小冊子。
6種類のメニュー紹介に加えて、食材の生産者情報も顔付きで紹介している。
6種類のメニュー紹介に加えて、食材の生産者情報も顔付きで紹介している。
今回の活動の背景には、新富町の主幹産業が農畜産業であるということが大きく影響している。地域おこし協力隊の活動をコーディネートする一般社団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)では、これまで農産品のブランディングや地産地消に向けた取り組みを展開してきた。そのようななか、今回の新型コロナウイルス感染症により、「こゆ野菜カフェ」をはじめとする多くの飲食店がテイクアウト営業を余儀なくされており、食材の取り扱いが減っていることから生産者の売り上げにも影を落としている。そこで、農業にかかわるすべての事業者を支援すべく、今回のサービス開始に至った。

今後は、地元商工会や町役場と連携し、支援の範囲を町内全域に拡大する。テイクアウトメニューに取り組む40店舗以上の町内飲食店情報を掲載するチラシの制作や、地産地消メニューのレシピを紹介するYouTubeチャンネルの開設などを展開する予定だ。