国際オートアフターマーケットEXPO(以下、IAAE)実行委員会が主催する『MaaS & Innovative Business Model Award(以下、MaaSアワード)』は、『MaaSアワード2020』の受賞プロジェクトを発表した。
『MaaSアワード2020』は、5G時代の到来も含め、注⽬を集めるMaaS(Mobility as a Service)をはじめとするモビリティテック市場において⽣活を⼀変させる新たな挑戦などを対象に評価、選出を行うもの。⽇本独⾃の発達を遂げるMaaSを広義に捉えた視点で審査し、「大賞」「サステナビリティ・地域貢献部門」「アプリ部門」「ビジネスモデル部門」「次世代モビリティ部門」の5部⾨から選出している。

今回は、ダイハツ⼯業が取り組んだ「通所介護事業施設向け送迎⽀援システム『らくぴた送迎』」と「福祉介護領域における共同送迎の実現に向けた取り組み」の2つのプロジェクトが、あわせて大賞を受賞。日本ならではのMaaSビジネスに取り組む姿勢が高く評価され、今後の自治体への普及が期待されている。

●大賞
ダイハツ工業株式会社/通所介護事業施設向け送迎支援システム「らくぴた送迎」および福祉介護領域における共同送迎の実現に向けた取り組み

経営者・職員・利用者三方それぞれに課題を抱えていた通所介護事業での送迎において、ICT管理とリアルタイムの情報共有をシステム化。三方に利便性・快適性をもたらす高効率な送迎を実現している。
●サステナビリティ・地域貢献部門
伊那モバイルクリニック事務局/医療マース

⻑野県伊那市が、MONET Technologies、フィリップス・ジャパンらとの協業でテスト運⾏を実施した、遠隔診療の専⽤⾞両「ヘルスケアモビリティ」で看護師が患者宅を訪問し、医師がオンラインで診療するシステム。⾞両には診察から、その後の患者情報の管理まで可能な機能を搭載しており、医療従事者、患者ともに円滑な診察が可能となっている。
●アプリ部門
トヨタ自動車株式会社、トヨタファイナンシャルサービス株式会社/マルチモーダルモビリティサービス「my route」

さまざまな移動手段を組み合わせて移動ルートを検索し、予約・決済まで可能なスマートフォン用サービス。交通系事業者のほか、携帯通信や店舗、イベント情報など幅広い事業者が参画しており、2020年1月には福岡市、北九州市に続いて順次全国への拡大を公表している。
●ビジネスモデル部門
大日本印刷株式会社/東南アジアにおけるB2B物流マッチングサービス構築

大日本印刷(DNP)とGlobal Mobility Service(GMS)が協同で手掛ける、物流課題や所得格差を抱える東南アジアでの新たなモビリティサービス。DNPの高効率な物流管理システムと、GMSの車両ローンの仕組みを掛け合わせた配送業務マッチングによって、貧困層の所得向上や損失が大きい物流の改善に取り組んでいる。
●次世代モビリティ部門
小田急電鉄株式会社/江の島プロジェクト2019

江ノ島電鉄やSBドライブ、神奈川県と連携し、2019年夏に自動運転バスの実証実験を実施。これは前年度から継続した取り組みで、新たに車両が信号情報を取得して走行するほか、交差点に設置したセンサーによって対向車の有無を確認して右折するなど、一層高度な技術検証が行われた。