アート集団・チームラボは、現実空間と個人が持つデジタルデバイスが相互に影響を与え合う新しいテクノロジーIR(Interconnected Reality:接続現実)の提供を開始した。
IR(接続現実)とは、チームラボが開発し、一部特許も取得している、従来のAR(拡張現実)とは異なる新しいテクノロジー。ARは、人々がデジタルデバイスのディスプレイを通して見た現実世界のみが変化するが、IRでは人々が肉眼で見ている目の前の現実世界が、デバイスを使った人々の行為によって影響を与え合い、変化し続ける。

IRを用いた作品は、福岡にオープンした新ミュージアム「チームラボフォレスト」に導入。ミュージアム内の「捕まえて集める森」において、IRを用いたアプリ「Catching and Collecting Forest」を使い、作品に参加することができる。
捕まえて集める森
捕まえて集める森
アプリのカメラを通して現実空間の壁に映っている動物を見て、「観察の矢」をスワイプして投げ込むと、カメラで見ている場所へ現実空間で「観察の矢」が飛んでいく。「観察の矢」が動物に命中すると、動物は現実空間の壁から消え、自身のスマートフォンに入っていく。捕らえた動物は、アプリのカメラで見えている壁に投げ込むと、ふたたび現実空間に戻り、歩き始める。
チームラボは、今後の社会においても、個人の持つデジタルデバイスが街などの現実空間と接続し、相互に影響を与え、個人が街に変化を与えていく可能性があると考えているという。