キャッシュレス決済が増えた金額帯は「1,000円超~5,000円以下」がトップ。小額決済で進展

電通で決済領域のマーケティング戦略支援を行う「電通キャッシュレス・プロジェクト」が、「コロナ禍での生活者のキャッシュレス意識に関する調査」を実施した。この調査は、新型コロナウイルス感染症によりライフスタイルが大きく変化するなか、生活者の決済手段がどのように変化し、今後どのような決済手段が主流になっていくのかを明らかにすることを目的に実施したもの。

2020年3月に緊急事態宣言が発令されて以降、「支払いや買い物でキャッシュレス決済の比率が増えた」という生活者は47.7%となった。コロナショック以降、キャッシュレス決済の利用割合は高まっている。

Q.緊急事態宣言が発令された後、あなたのお支払いやお買い物に占めるキャッシュレス決済の比率は増えましたか。(単位:%)

キャッシュレス決済が増えた支払い金額帯について尋ねたところ、「1,000円超~5,000円以下」が48.0%ともっとも多い結果となった。次いで、「500円超~1,000円以下」が41.0%、「300円超~500円以下」が25.8%と、1,000円以下の比較的小額でのキャッシュレス化の進展が伺える。こうした小額決済の伸びは、今後のキャッシュレス促進の追い風になると考えられる。

Q. あなたのキャッシュレス決済が増えているのはどの支払い金額帯でしょうか。あてはまるものを全てお知らせください。(単位:%)

重視点は、「ポイント」「使える場所」に加え、「スピード」や「面倒さの回避」が上位に

キャッシュレス決済が増えた主な理由としては、「ポイント特典」(58.5%)、「使える場所が多い」(45.5%)、「支払いのやりとりが速く済む」(43.3%)、「小銭など現金での支払いに面倒を感じなくて済む」(39.5%)といった回答が上位に。生活者がスピードや小銭などの面倒さの回避でキャッシュレスを活用していることが伺えた。

Q. キャッシュレス決済手段についてあなたが重視することとしてあてはまるものをすべてお知らせください。(単位:%)
 

また、世界的に注目を集めている非接触決済(カード、電子マネー、モバイルなどのタッチ式決済)については、「今後、使う回数が増えると思う」という回答が58.1%を占めた。ソーシャル・ディスタンシング意識の高まりから、生活者のコンタクトレス決済の受容性が増していることが伺えた。

Q.今後、あなたは非接触決済を使う回数が増えると思いますか。 (単位:%)

今後も非接触決済端末の普及とその利用意向の拡大などを背景に、日本のキャッシュレス比率はより増加していくと予測できる。電通キャッシュレス・プロジェクトは、今後も定期的にキャッシュレス意識について、調査分析を実施していくという。

<調査概要>
調査手法:インターネット調査
調査時期:2020年12月24~25日
調査エリア:全国
調査対象:20~69歳男女500名(人口構成に基づきウェイトバック集計を実施)