電通の社内横断組織であるデジタル・クリエーティブ・センターと、電通クリエーティブXは、世界から多くの企業やクリエイター、起業家、投資家が参加する世界最大級の祭典「SXSW2019(サウス・バイ・サウスウェスト2019)」のトレードショーに参加している。米国テキサス州オースティン市で3月10日~13日の期間で開催されており、両社は世界に向けた展示とプレゼンテーションを行う。
今回の出展コンセプトは、「Pointless Brings Progress.(価値が定かでないモノが、未来を連れてくる)」。メインビジュアルは異なる2つの形が掛け合わされた、見たことのない不思議な物体となっている。これらは、同社グループと食やバイオなど異なる2つの専門性を、クリエイティビティを持って掛け合わせることで誕生するサービスやプロダクト。現代の価値観ではPointless(無意味なモノ)と評されてしまうようなアイデアこそが将来のイノベーションを起こすという考えのもと、恐れることなくさまざまな新領域に挑戦していこうという思いを表現している。

今回の出展作品

■作品1 「SUSHI SINGULARITY」
2020年開店を目指している “超未来体験型レストラン”のデモンストレーション
OPEN MEALS(オープンミールズ)は、「食」をデータ化し、食に革命を起こすことを目指している。現在、超未来データ食レストラン「SUSHI SINGULARITY TOKYO(寿司シンギュラリティ東京)」をオープンするプロジェクトを進行中で、今回はその構想のデモを行う。会場展示では、3Dプリンターを中心とするフード製造マシンのプロトタイプと、テクノロジーによって可能になる寿司のコンセプトデザインを世界初公開。将来的にはあらゆる食をデータ化・蓄積し、世界中の誰もが食をシェアできるデジタルプラットフォームを構築しようとしている。昨年の「SUSHI TELEPORTATION」(スシテレポーテーション)に続く、OPEN MEALSの最新プロジェクトとなる。


■作品2 「RETHINKING TOBACCO」
地球の食糧危機を救う?タバコで異科間の接ぎ木を実現するプロジェクト
別の植物同士をつなぎ合わせることで、美味しさ・耐性などを向上させる伝統的な手法である“接ぎ木”。新たにタバコを媒介させることで、これまで不可能とされていた“異科間の接ぎ木”が実現した。また、あらゆる品種に対してゲノム編集などのバイオテクノロジーを応用することで、植物の病害への抵抗性、不毛な土壌への耐性などの向上を加速することができる。「RETHINKING TOBACCO」は、食の未来を示すプロジェクトで、東京大学産学協創推進本部が主催する「Todai To Texas(TTT)」とコラボレーションしている。


■作品3 「FATHER’S NURSING ASSISTANT」
テクノロジーで育児を進化させる! 父親向けの乳児への授乳・寝かしつけデバイス
日本の赤ちゃんの睡眠時間は世界的に見ても短いと言われている。育児におけるストレス・悩みの多くは寝かしつけと食事に関することであるが、一般的に父親の参加率はまだまだ低い状況にある。そこで、父親も授乳できるようになることで、母親の授乳以外の時間と赤ちゃんの睡眠時間を増やすことを目指して開発されたのが、ウェアラブルデバイス「FATHER’S NURSING ASSISTANT」。小児科医やベビーシッターからのアドバイスを参考に、母親が授乳する状態に近いデザインとなっており、アプリとの連携で、赤ちゃんの授乳や入眠のタイミングなどをセンシングし、より視覚的に赤ちゃんの状態を捉えることも可能にしている。


■作品4 「HANKOHAN」
日本伝統のHANKO 文化がテクノロジーと融合し、新しいコミュニケーションの形に
HANKO(ハンコ)は日本では公的な文書に使用され、個人の証明として古くから重用されている伝統的な情報ツール。このHANKOにARマーカーを掛け合わせることで、個人氏名の証明だけでなく、顔や自己紹介メッセージなどのパーソナル情報も再現できるようにしたのが「HANKOHAN」である。印面のデザインは、顔の形、眉毛の形、目の角度、鼻の形などを独自のアルゴリズムでデータ化して生成されており、押されたHANKOをAR空間上で見ると、顔が飛び出して見える。名刺にHANKOHANを捺印すれば、ビジネスツールとしての拡張も期待できる。


■その他の作品(他のブースでの展示)
「Pointless Brings Progress.」とは別に、マインドフルネスのソリューションとして注目されている坐禅(ゼンライフ)をサポートするIoTクッション「the whu」(ザ・フー)の展示も行う。「the whu」は、センサーが搭載されたIoTクッションと、世界的に著名な坐禅の指導者である藤田一照氏の監修による質の高いコーチングプログラムにより、坐禅のスタートと日常化をサポートする。今回の展示期間に合わせて、米国で「the whu」のクラウドファンディングも行う予定だ。