AIとIoTを活用してあらゆる空き情報を配信するスタートアップ企業・バカンと三重県四日市市は2月15日、災害発生時における避難所の混雑情報配信に関する協定を締結した。現在対象となる市内の避難所は計118カ所で、配信はバカンが提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN」を通じて行われ、インターネット上で確認が可能となっている。
VACANには、マップ上で近くの施設等の空き・混雑状況を一覧できる「VACAN Maps」という機能があり、PCやスマートフォンなどでアクセスして、各避難所の位置や混雑度を確認することができる。混雑度の情報は、各避難所職員がWeb上の管理画面から更新できる。VACANの混雑可視化システムは、すでに全国で50を超える自治体に導入されており、三重県では今回が初の導入となる。
今回の導入では、今後の災害への備えとして、混雑状況を簡単にスマホなどから確認できるようにし、分散避難を考慮して行動できる環境づくりを図ることを想定している。コロナ禍においては、災害時に開設される避難所でもソーシャルディスタンスが求められ、距離の確保や体調不良者のゾーニングなどが重要となる。一方で、そうした状況下では各避難所の収容可能人数が従来と比べ少なくなる可能性があり、一部の避難所に人が集中することを避け、分散して避難をすることが必要だ。また近年、巨大化する台風などによる災害のリスクが国内で高まっており、四日市市でも2020年の台風10号の際に、住宅への浸水被害や停電などが起こった背景を踏まえている。