社会課題の解決と持続的な経営の両立を目指す「ゼブラ企業」の増加と成長支援を実行するZebras&Company(以下、Z&C)は約1億円の資金調達を完了し、6月21日より本格的に営業を開始した。
「ゼブラ企業」とは、「ユニコーン企業」への株主至上主義などから来る行き過ぎた期待や、短期的な急成長が可能なIT産業などへの過剰な資源の偏りへのリアクションとして2016年に米国西海岸で生まれた概念。この概念を推進するZebras Uniteは、「ユニコーン企業」と「ゼブラ企業」の違いを下記のように整理している。
Z&C創業者の3名は、Zebras Uniteの東京チャプターとしてTokyo Zebras Uniteという団体を2019年より運営し、「ゼブラ企業」という考え方の啓蒙、浸透を行ってきた。今回の新会社設立により、啓蒙だけではなく実事業としてゼブラ企業への投資・経営支援や行政・金融機関との連携の実行とともに、そこから得た知見の体系化と浸透を行うことで、社会課題解決と持続的な経営を両立する「ゼブラ経営」の社会実装を目指している。そこで、同社ではさらに概念を整理し、ゼブラ的経営者や企業の特徴として次の4点にまとめた。

・事業成長を通じてより良い社会をつくることを目的としている
売上・利益の最大化自体が目的ではなく、社会課題の解決を事業の目的にしている。

・時間、クリエイティブ、コミュニティなど、多様な力を組み合わせる必要がある
資金があれば、1社で、短期間で成功できるという短絡的な事業ではなく、一定の期間をかけてPDCAを回し、クリエイティブやコミュニティなどの力を借りて事業を進めていくことが必要である。

・長期的でインクルーシブな経営姿勢である
短期的に株主価値を最大化させるのではなく、長期的にステークホルダー全員を幸せにするべく経営がなされている。

・ビジョンが共有され、行動と一貫している
多様な要素間の二律背反(トレードオフ)を踏まえつつ、具体的なあるべき姿を描き、日々行動している。


同社は、従来の日本的経営が持つ「三方よし」や「年輪経営」といった思想のような長所も踏まえつつ、インパクト評価・マネジメントやブランディング・クリエイティブの活用など最新の経営・コミュニケーション手法も取り込みながら、「ゼブラ企業」的経営を体系化して日本から世界に提案していく。個々のゼブラ企業の成長と繁栄、社会課題の見える化・解決、ゼブラ企業・サポーターの増加、ゼブラ企業を支援する資金の増加を起こしていきたいとのことだ。また、長期的な視野としては、ゼブラ経営が社会に普及していくことで、社会課題解決の加速、長期的かつインクルーシブな経営の普及、挑戦機会の拡大を促し、優しく健やかで楽しい社会づくりを目指す。
Z&Cが目指す社会的インパクト
Z&Cが目指す社会的インパクト