ドワンゴ夏野剛“妄想”からつくり出す“理想の社会”とは…!? 夏野剛さん、ハヤカワ五味さん
ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。7月6日(土)の放送は、株式会社ドワンゴ代表取締役社長の夏野剛さんが登場しました。
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小学生のころの“妄想”がきっかけで…
夏野さんとはこの日が初対面のハヤカワさん。中高生時代から、同社が提供する動画サービス「niconico(ニコニコ)」のヘビーユーザーだという彼女は「(お会いできて)すごくうれしい」と感激しきり。夏野さんはNTTドコモ在籍時、「iモード」をはじめ、「iアプリ」「デコメ」「キッズケータイ」「おサイフケータイ」など、数多のサービスを立ち上げたことでも知られています。
子どものころから“テクノロジーオタク”だったと話す夏野さん。お金やカードなどを携帯電話1つにまとめて持ち歩くことができる「おサイフケータイ」開発のきっかけの1つに、小学生のころに妄想していた“小銭のない世界があったらいいのに……”という思いがあったとか。
この話にハヤカワさんも、「自分が想像していたものを形にしてビジネスに落とし込むことって、けっこうあると思う」と同意すると、夏野さんは「好きな分野のことを妄想する。だから(アイデアが)自然に湧き出てくるもの。テクノロジーで不便なことが全部解決されている社会をいつも妄想している」と語ります。
現在、夏野さんは、テクノロジーを駆使して新しいモノやコトを開発するつくり手側にまわっているとか。「テクノロジーに関する仕事を、キャリアとしてずっとできていることがよかった」と振り返りつつ、「自分の成長段階に応じて新しいテクノロジーが使えるようになったら楽しいよね。人間の知恵は、テクノロジーで結集されている」と話します。
子どもたちが自信を持って生きていくために
夏野さんは、会社経営以外にもさまざまな分野で活躍。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会にも参与しています。大会マスコット選考する際、“全国の小学生による投票にしよう”と提案したのも夏野さん。「どういう決め方にすれば、誰も文句を言わないかを考えた。デザインに優劣はないので、子どもに選んでもらう決め方でうまくいってよかった」と語ります。そして、“N高”ことN高等学校(インターネットと通信制高校の制度を活用した、単位制・通信制課程の高等学校)を2016年に設立した理由を、「ニコニコ動画の世界観を教育に当てはめたら、もっとたくさんの子どもたちが自信を持って生きていけるんじゃないかという妄想から生まれた」と明かします。
N高には現在、フィギュアスケート選手の紀平梨花さんやトラックメイカーのSASUKEさんらも在籍しています。約3000人の卒業生を輩出し、在籍生徒数は1万人を突破(2019年4月時点)しました。
ハヤカワさんは「大学卒業後は“一点突破型”。何か強みがある人が評価されやすいけど、日本の中学・高校では全教科で平均点を取ることが求められる」と言い、学生時代は社会科が苦手で、学校に“いづらさ”を感じたこともあったそうです。
今の教育制度について、夏野さんは「平均的なことを求めるがために、秀でた才能を抑えてでも、苦手な科目にも時間を使いなさいということになるのが問題」と指摘します。
夏野さんの“理想の社会”は!?
ハヤカワさんからの「夏野さんにとって“妄想の力”とは?」との問いに、「テクノロジーが発展すると“人間の役割って何?”と言われることもありますが、AIやテクノロジーで解決できないことがある。それは、“今、存在しないことを実現する力”。その源は“妄想”なんです」と夏野さん。続けて「クリエイティビティを働かせるには、好きな領域にもっと時間を割くこと。どんどん想像力を掻き立てて妄想して、自分が実現したいと思うことをいろいろと試行錯誤する。それを実現していけるように人間はもっと注力していくべきで、雑多なことは全部機械にやってもらう。これが、僕が理想とする社会」と力強く語りました。
次回7月13日(土)の放送も、引き続き夏野さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!
番組概要
番組名:マスメディアン 妄想の泉放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mosonoizumi_TFM