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広がる“オタク”の細分化

アニメやアイドルが大好きでオタクを公言している吉田さん。ひと昔前は“オタク”という単語で一括りにされていたそうですが、「ここ10年くらいの間、アニメやアイドルのなかでも細分化が進んでいる」と言います。

例えば、新世代アイドルプロジェクト「ラブライブ!」シリーズ好きの人と、アイドルプロデュースゲーム「アイドルマスター」シリーズ好きの人とでは、自身が好きな作品しか知らず、ほかの作品の知識がない人が多いとか。アイドルでは、AKB48グループとハロプロ(ハロー!プロジェクト)ファンに違いがあるなど、細分化されていると言います。

2005年結成のAKB48は、間もなく15周年を迎えようとしていますが、吉田さんは「そんな(息の長い)アイドルはない。今までは5年もすれば飽きられて、ブームが終わっていた。自分の好きなものをずっと追いかけ続けられるようになったことで、ブームは終わらなくなり、物事が世界に広がらなくなった」と実感を語ります。ミュージシャンの世界でも同様の現象が起きているそうで、「世間的にそれほど大ヒット曲がないけど、日本武道館公演のチケットが一瞬で売り切れるアーティストがいっぱいいる」と言います。

一方、クリエイターと読者をつなぐサービス「note(ノート)」にハマっているハヤカワさんは、「これまでニッチなコンテンツを描いていたようなクリエイターのことを直接推せるようになった。オタクにやさしい世界が広がっている気がする」と実感を口にしました。

“傷つきたくない文化圏”とは?

続けて、情報にもこのような側面があると言い、「Twitterだと、フォローした人が取り次いできた情報が集まってくるけど、それが社会的に一般かというと必ずしもそうではない」とハヤカワさんは語ります。自分がほしくない情報をリツイートしたり、つぶやいたりしている人を、ついアンフォローしてしまうそうです。

これに対し吉田さんは、「僕はアンフォローする人のことがよくわからない。(自分にとって)必要のない情報が流れてきて“なにがいけないんだろう”と思うけど、世間的にはスタンダードではないらしいね」と意見します。

これにハヤカワさんは、“傷つきたくない文化圏”があると提言。「今までは、環境面や仕事など、自分が傷つきたくないがために我慢しなければならない側面があった。でも今は、インターネットで“傷つかなくてもいい”選択肢が取れるようになり、ある意味、自分が傷つくことを避ける人が増えているように思う」と解説します。

吉田さんは「でも、嫌な気分になることから避けていると、嫌な気分になる確率が上がってしまうのでは?」と指摘すると、ハヤカワさんは「自分の苦手な情報をミュートしていると、(次第に)アンフォローする範囲が広がって、さらに(入ってくる)情報が狭くなってくるという、コミュニティの独特な形成の仕方があるように思う」と答えます。

続けて吉田さんが、最近“心に刺さったアイドルグループ名”として「ヤなことそっとミュート」を挙げます。「素晴らしいフレーズだし、いろいろな意味で人に刺さる。“ヤなことそっとミュート”という言葉)は、みんなそういう気持ちになっている、一番重要な主張なのかもしれない」と話しました。

次回8月3日(土)の放送は、FABRIC TOKYO 代表取締役の森雄一郎さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに! 

〈追記:2019年8月2日〉イラストレポートを追加しました

advanced by massmedian読者へ
吉田尚記さんから特別メッセージ

上の人の言うことを聞かなくてもいいです。
その人たちの時代にうまくいったことと、今うまくいくことはまるで関係ないんで。
言いたいだけってことが多いので、なるほど!っていう顔だけうまくなるのがオススメ!

番組概要

番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mosonoizumi_TFM

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【パーソナリティ】
ハヤカワ五味
課題解決型アパレルブランドを運営するウツワ代表取締役。1995年生まれ。大学入学後にランジェリーブランド《feast》、2017年にはワンピースの《ダブルチャカ》を立ち上げ、D2Cで販売する。「ファッションデザイナー」と「事業家」の2つの顔を持つ。
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