「食べチョク」代表・秋元里奈がDeNAで培った「コトに向かう」イズム。起業後に見えた、その先の世界とは ハヤカワ五味さん、秋元里奈さん
ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。4月11日(土)の放送は、前回に引き続き、ビビッドガーデン代表取締役社長の秋元里奈さんが登場しました。
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オフィスはキッチンのある一軒家!?
“ITの力を使って農業に貢献すること”をモットーに、全国の農家から直接食材を取り寄せることができるオンライン直売所「食べチョク」のサービスなどを運営している秋元さんは、取引のある生産者のもとに「月に1回は必ず行くようにしている」と言います。さらに、秋元さんや生産者サポート担当のスタッフ以外にも、「電話でやり取りするスタッフも“直接会って話したい”という気持ちになってくれる子が多くて、『行きたい人~?』って言うと、『私も会いたい!』って答えてくれて。『じゃあ、みんなで行こう』みたいな感じになりますね」と笑顔で語ります。
現在、オフィスはキッチンのある一軒家だそうで「農家から食材を定期的に取り寄せていて、毎日みんなでランチをつくっています。新しく出品してくださった農家から取り寄せて、“こういう感じで梱包しているんだ”とかを見ながら、実際に食べてみて、自分たちのなかでも新しい商品に対しての理解を深めている」と説明。
こうした取り組みをするのは、「農業を支える会社になりたい」という思いが根底にあるから。「うちの会社に入ってきてくれる人たちって、もちろん農業に興味のある人もいますけど、それ以外にも“食”など、もっと広い視野で興味を持っているメンバーも多いんです。業務で農家と直接関わりがないと“農業”というキーワードがどんどん下にいってしまう」と秋元さん。多くのスタッフが農家とのつながりを感じられるようにと、社内ランチを取り入れているそうです。
DeNAで培った「なんとかなる精神」
秋元さんは、新卒でDeNA(ディー・エヌ・エー)に入社。「当時、在籍していたころの風土としては“死ぬ気でやればなんとかなる”というのが身につく感じだった。仕事は基本、成功確率50%くらいのやったことがないことをどんどん振られるので、未知の領域に対しての恐怖心がなくなった」と話します。そんなDeNAでの経験がなかったら「起業は選択肢になかったと思う」と秋元さん。「“知らない”とか“できないかも”と思うことも、“やったらなんとかなる”という成功体験があったので、起業という選択肢がパッとでてきたときも“なんとかなりそう”って。得体の知れない自信があって踏み出しやすかった」とDeNAでの3年半を振り返ります。
また、DeNA創業者・南場智子さんの「人ではなくコトに向かえ」との教えについて触れ、「新卒でまったくわからなくても、ちゃんと『わからない』と言う。“この場は、発言しないほうがいいかな”という忖度をするな。経験豊富な上司から『こうしたほうがいい』と言われても、自分が違うと思ったら嚙みついていくべき。誰に言われたかではなく、“なにを言われたか”を見極めて、言われたコトに対して“それは本当なのか”を、とにかく考え続けろ、と新卒のころからずっと言われてきた。いまでも、その教えが染みついている。経営者になってさらにその深さを思い知った」と語ります。
起業して「コトに向かう」イズムに変化
DeNAでの3年半は、南場さんの教えを胸に「正しいか正しくないか、“コト”だけを考えて思ったことを言っていれば良かった。でも(自分が)社長になってみて全然変わったんです」と秋元さん。「“コトに向かう”ことができる人が全員ではないので、みんな“社長が言ったから……”となってしまうんです。私からすると、社長が言ったからとか関係なく“違うと思うなら言ってよ”って思うんですけど、それって無理だよねと最近気づいて(笑)」と実感を語ります。
これまで部下を持ったことがなく、起業していきなり代表という立場になったことで、“コトに向かう”イズムにも変化が。秋元さんは、「事業を前に進めるコトに向かうためには、必ずしも思ったことを言う必要はないなって。私が先に意見を言ってしまうと、みんなに“社長はこうらしい”という前提が入ってしまうので、みんながコトに向かいづらくなる。みんながコトに向かうためには、私がまず“なにも言わないこと”が、一番いいんだなって」と自身の気づきを打ち明けます。
ビビッドガーデンを起業後も「DeNAの人たちにお世話になってばかり。それぞれ別の道に進んでいるけど、つながっている」と笑顔を見せる秋元さん。そんな人との縁やつながりは、学生時代にやっていたカフェのアルバイトでも。
「常連の方とたまたま街中で会って。『いま、なにやっているの?』って立ち話をしていて、『農業の……』って話したら、『知り合いに、すごくいい農家がいるから!』って、業界ですごく有名な農家の方に引き合わせてくれたんです。それが会社を立ち上げて数カ月のときで……本当になにがつながるかわからない」と話していました。
次回4月18日(土)の放送は、UUUM代表取締役社長CEO 鎌田和樹さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!
<2020年4月20日更新>イラストレポートを掲載しました。
advanced by massmedian読者へ
秋山里奈さんから特別メッセージ
私は"農業"の世界に大きな妄想を抱いて起業しました。3年が経った今もその妄想は膨らむばかりです。「そんなことできない」と今でも多くの人に否定されますが、妄想している人にしかつくれない世界があると信じています。常にまだない世界を妄想し、ワクワクして仕事に向き合ってほしいです。
番組概要
番組名:マスメディアン 妄想の泉放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mosonoizumi_TFM