入社式は、青春の葬式なんかじゃない。会社に除菌されずに生きるには GO プランナー 飯塚政博さん
PR/広告を軸に、事業開発やスタートアップ支援など数々のプロジェクトを手がけ、世間から注目を集めるGO。同社が2018年に手がけた、東京メトロ国会議事堂駅・霞ヶ関駅をジャックしたケンドリック・ラマーの来日キャンペーン広告は大きな話題となりました。この事例を手がけたのは、同社に2018年春に入社したばかりだった新入社員の飯塚政博さんです。広告プランナーだけでなくプライベートではラッパーとしても活動している飯塚さんに、この1年を振り返っていただきながら、若手クリエイターを代表して、新社会人へエールを送っていただきました。
──以前、飯塚さんの上司でもある三浦さんに若手クリエイターへのアドバイスをいただきました。飯塚さん自身は、同世代についてどうお考えですか?
いろいろなフェーズを飛び越えて若いうちからバイネームで活躍しちゃっている経営者とか超優秀なクリエイターには劣等感も嫉妬も覚えるし、ものすごく刺激を受けます。しかし一方で、「言いたいことあるなら、もっと中指鍛えたら?」と感じる人も中にはいます。世代で区切る問題でもないとは思いますが。
──さすがラッパーもやられていらっしゃるだけあって、いきなり攻撃力高い一言ですね。どうしてそのように思うのでしょうか?
1を知っただけで、10を理解したつもりになってる人が多いと感じるからでしょうか。そういった人がSNSで、アテンションを取るためだけに強い口調で発信しているのを見ると、どうしても違和感を覚えます。
──三浦さんが話していた、「高さ・広さ・深さというクリエイターの3つの能力」に通ずるところがありますね。
社内でもよくその話をしていますし、僕もそのとおりだと思っています。“深さ”がまったくないまま、“広さ”のみを武器にしようとするのはキツイなと。特に一つの肩書や職種にとらわれない、“パラレルワーカー”や“スラッシャー”と呼ばれる若い人たちの中で、“働き方のユニークさ”という面以上のバリューを発揮できているのは、ごく稀だろうと感じています。もちろん自分もまだまだで、深さで戦えていませんが……。 ──では若い人たちはスラッシャーとしてではなく、まずは一つの道を極めるべきということですね。
一つの領域で、プロフェッショナルとしての軸を持つことは圧倒的に有利だと思います。ただ、そのために、なにかを諦めて一つに絞っていく必要はないです。本気でやりたいことが複数あるのなら、一つの道だけ選んで、選ばなかった残りの自分を殺すなんて死んでもありえない。「なにかを選択すること≠なにかを捨てること」だと、知っていてほしいです。僕はラッパーもやっているので、同世代からよく相談が来るんです。「就職するから、音楽辞めないといけないですよね?」とか。でも、その度に「は? 意味わかんない。もっとやり方考えなよ」って回答しています(笑)。
──スラッシャーとしての生き方もあると。
正解不正解という話ではなく、スラッシャーという生き方自体は本来自然な生き方だと思います。やりたいことなんて無限にあるはずだし。だからこそスラッシャーであることで特定のポジションを取れたと勘違いしてしまうのは、だいぶまずいなと。そうなってはいけないと、自戒の意味も込めて、常に心に留めています。
プランナーとして印象的だったのは、やはり「ケンドリック・ラマ―」の来日プロモーションを手がけさせていただいた経験です。GOの正社員になって3カ月経ったぐらいで、この案件を担当しました。手前味噌ながら、世の中から大きな反響をいただき、プランナーとしての経験値を上げられました。あとは、同世代の会社所属のクリエイターと比べて圧倒的に多くの打席に立たせてもらえたことも、有意義な経験でした。昨年1年間で携わった案件を昨年末に数えてみたのですが、58件ありました。その中で自分の企画がなんらかの形でプレゼン段階まで進んだのが20件。打率も精度も低いですが、これだけ圧倒的な定量的チャンスを与えてもらっているのは、本当に恵まれているなと。 ──ケンドリック・ラマーのプロモーションは話題になっていましたね。入社してすぐに手がけた案件が注目を浴びるというのは、忘れられない体験になりますね。そもそも飯塚さんはどのようにしてGOへ入られたのでしょうか?
GOが創業して早々に、「勉強させてください」とメールを送ったことがきっかけです。もともと博報堂ケトルでインターンをしていて、ケトルのような格好いい職人たちが働く環境に憧れていました。そんな思いを持ちながら、就職活動をしていたのですが、どこからも内定がでなくて。そんなときに、代表の三浦がGOを起業したというニュースを見かけました。「起業直後のスタートアップなら人手が足りていないのでは?」と直感がはたらき、ダメ元でメールを送ってみました。新卒採用はしていなかったので、まずはインターンとして2017年4月に入りました。そこから1年間学ばせてもらって、2018年4月に正社員として採用してもらい、いまに至ります。
──正規ルートではなく、イレギュラーですね。
就活戦線に立ってセオリー通りにうまく攻略することができなかったので、完全に負け惜しみですが(笑)。よくわからない道をイレギュラーに進む方が燃えるタイプなのかもしれません。
僕の最上段の欲望であり、人生の目指すべき北極星は、「マイメンと調子良く生きていくこと」。ただそれだけです。ごめんなさい、薄っぺらで(笑)。
──いやいや、そんなことないです。すごくヒップホップっぽいですね。
トライブに憧れるというか。とにかくイケてるマイメンたちとカッケーことをしながら生きるのが夢です。だから、GO代表の三浦が仲間たちと会社を立ち上げて調子良く生きているのは羨ましく思ってます。自分が何かをやりたい! と思ったときにマイメンを巻き込んで、それを達成するのが理想ですが、そのレベルに到達するにはまだまだですね。ただ、GOはそこに最短距離でたどり着くために必要な環境が揃っていると感じています。 ──飯塚さんの理想とするトライブでは、どのような仲間と一緒に行動をともにしていきたいですか?
「考えることを諦めず、強い意志を持って世の中のクソな部分に中指を立て続けられるヤツ」ですね。僕には夢があって、日本の満員電車を“負の世界遺産”に登録したいんです。満員電車って、当たり前の風景すぎて、みんなクソだと思っているのに、誰もがその改善を集団催眠にかかったかのごとく諦めていますよね。でも、どこかに解決の糸口があると思っていて。それを見つけるために考え続けていきたいです。そして、そういう仲間が増えてくれたら嬉しいです。
──だからこその「もっと中指を鍛えろ!」ってことなのですね。
はい。そうやって考え続けていれば、“世間の当たり前”に違和感を持つし、課題や解決策に気付くことができる。こういった思考のクオリティーが高い人から成るトライブなら、社会に振動を与えて、「固定概念という化石」をぶっ壊すことができるんじゃないかなと思うんです。これからの時代を前に進められるのは、これからを生きていく僕たちにしかできないですから。そうやって、世の中をより良く変えていく気概のある仲間たちと、この先出会っていきたいですね。
──変化と挑戦でBreakthroughするGOのミッションと共鳴しているのですね。これからを生きる人たちが、これからの未来をつくっていく、まさしく、そのとおりだと思います。本日はありがとうございました!
いろいろなフェーズを飛び越えて若いうちからバイネームで活躍しちゃっている経営者とか超優秀なクリエイターには劣等感も嫉妬も覚えるし、ものすごく刺激を受けます。しかし一方で、「言いたいことあるなら、もっと中指鍛えたら?」と感じる人も中にはいます。世代で区切る問題でもないとは思いますが。
──さすがラッパーもやられていらっしゃるだけあって、いきなり攻撃力高い一言ですね。どうしてそのように思うのでしょうか?
1を知っただけで、10を理解したつもりになってる人が多いと感じるからでしょうか。そういった人がSNSで、アテンションを取るためだけに強い口調で発信しているのを見ると、どうしても違和感を覚えます。
──三浦さんが話していた、「高さ・広さ・深さというクリエイターの3つの能力」に通ずるところがありますね。
社内でもよくその話をしていますし、僕もそのとおりだと思っています。“深さ”がまったくないまま、“広さ”のみを武器にしようとするのはキツイなと。特に一つの肩書や職種にとらわれない、“パラレルワーカー”や“スラッシャー”と呼ばれる若い人たちの中で、“働き方のユニークさ”という面以上のバリューを発揮できているのは、ごく稀だろうと感じています。もちろん自分もまだまだで、深さで戦えていませんが……。 ──では若い人たちはスラッシャーとしてではなく、まずは一つの道を極めるべきということですね。
一つの領域で、プロフェッショナルとしての軸を持つことは圧倒的に有利だと思います。ただ、そのために、なにかを諦めて一つに絞っていく必要はないです。本気でやりたいことが複数あるのなら、一つの道だけ選んで、選ばなかった残りの自分を殺すなんて死んでもありえない。「なにかを選択すること≠なにかを捨てること」だと、知っていてほしいです。僕はラッパーもやっているので、同世代からよく相談が来るんです。「就職するから、音楽辞めないといけないですよね?」とか。でも、その度に「は? 意味わかんない。もっとやり方考えなよ」って回答しています(笑)。
──スラッシャーとしての生き方もあると。
正解不正解という話ではなく、スラッシャーという生き方自体は本来自然な生き方だと思います。やりたいことなんて無限にあるはずだし。だからこそスラッシャーであることで特定のポジションを取れたと勘違いしてしまうのは、だいぶまずいなと。そうなってはいけないと、自戒の意味も込めて、常に心に留めています。
圧倒的な打席数で経験値を高める
──飯塚さん自身も、「プランナー/ラッパー」というスラッシャーとして生活していますが、 この1年間を振り返っていかがでしょう?プランナーとして印象的だったのは、やはり「ケンドリック・ラマ―」の来日プロモーションを手がけさせていただいた経験です。GOの正社員になって3カ月経ったぐらいで、この案件を担当しました。手前味噌ながら、世の中から大きな反響をいただき、プランナーとしての経験値を上げられました。あとは、同世代の会社所属のクリエイターと比べて圧倒的に多くの打席に立たせてもらえたことも、有意義な経験でした。昨年1年間で携わった案件を昨年末に数えてみたのですが、58件ありました。その中で自分の企画がなんらかの形でプレゼン段階まで進んだのが20件。打率も精度も低いですが、これだけ圧倒的な定量的チャンスを与えてもらっているのは、本当に恵まれているなと。 ──ケンドリック・ラマーのプロモーションは話題になっていましたね。入社してすぐに手がけた案件が注目を浴びるというのは、忘れられない体験になりますね。そもそも飯塚さんはどのようにしてGOへ入られたのでしょうか?
GOが創業して早々に、「勉強させてください」とメールを送ったことがきっかけです。もともと博報堂ケトルでインターンをしていて、ケトルのような格好いい職人たちが働く環境に憧れていました。そんな思いを持ちながら、就職活動をしていたのですが、どこからも内定がでなくて。そんなときに、代表の三浦がGOを起業したというニュースを見かけました。「起業直後のスタートアップなら人手が足りていないのでは?」と直感がはたらき、ダメ元でメールを送ってみました。新卒採用はしていなかったので、まずはインターンとして2017年4月に入りました。そこから1年間学ばせてもらって、2018年4月に正社員として採用してもらい、いまに至ります。
──正規ルートではなく、イレギュラーですね。
就活戦線に立ってセオリー通りにうまく攻略することができなかったので、完全に負け惜しみですが(笑)。よくわからない道をイレギュラーに進む方が燃えるタイプなのかもしれません。
理想の生き方
──今後について、飯塚さんはどのような生き方をしていきたいと考えていますか?僕の最上段の欲望であり、人生の目指すべき北極星は、「マイメンと調子良く生きていくこと」。ただそれだけです。ごめんなさい、薄っぺらで(笑)。
──いやいや、そんなことないです。すごくヒップホップっぽいですね。
トライブに憧れるというか。とにかくイケてるマイメンたちとカッケーことをしながら生きるのが夢です。だから、GO代表の三浦が仲間たちと会社を立ち上げて調子良く生きているのは羨ましく思ってます。自分が何かをやりたい! と思ったときにマイメンを巻き込んで、それを達成するのが理想ですが、そのレベルに到達するにはまだまだですね。ただ、GOはそこに最短距離でたどり着くために必要な環境が揃っていると感じています。 ──飯塚さんの理想とするトライブでは、どのような仲間と一緒に行動をともにしていきたいですか?
「考えることを諦めず、強い意志を持って世の中のクソな部分に中指を立て続けられるヤツ」ですね。僕には夢があって、日本の満員電車を“負の世界遺産”に登録したいんです。満員電車って、当たり前の風景すぎて、みんなクソだと思っているのに、誰もがその改善を集団催眠にかかったかのごとく諦めていますよね。でも、どこかに解決の糸口があると思っていて。それを見つけるために考え続けていきたいです。そして、そういう仲間が増えてくれたら嬉しいです。
──だからこその「もっと中指を鍛えろ!」ってことなのですね。
はい。そうやって考え続けていれば、“世間の当たり前”に違和感を持つし、課題や解決策に気付くことができる。こういった思考のクオリティーが高い人から成るトライブなら、社会に振動を与えて、「固定概念という化石」をぶっ壊すことができるんじゃないかなと思うんです。これからの時代を前に進められるのは、これからを生きていく僕たちにしかできないですから。そうやって、世の中をより良く変えていく気概のある仲間たちと、この先出会っていきたいですね。
──変化と挑戦でBreakthroughするGOのミッションと共鳴しているのですね。これからを生きる人たちが、これからの未来をつくっていく、まさしく、そのとおりだと思います。本日はありがとうございました!