気鋭の漫画家・山科ティナ Webでの発信で「自分の武器を見つけられた」 ハヤカワ五味さん、山科ティナさん
ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。5月2日(土)の放送は、漫画家でイラストレーターの山科ティナさんが登場しました。
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ハヤカワさんの活躍ぶりに「追いつかなきゃ」
現在24歳の山科さんは、今年3月に東京藝術大学を卒業したばかり。16歳のときに「別冊マーガレット」(集英社)で漫画家としてデビューし、大学入学後にWeb漫画やイラストなどを描き始め、TwitterやInstagramで発表した「#アルファベット乳」が大きな話題に。現在は、企業とタイアップした漫画を多数手掛けるほか、女性誌で「ショジョ恋。」を連載するなど幅広く活動しています。同い年の2人の出会いは、高校3年生のときに開催された美術予備校の公開コンクール。互いに名を知る存在だったそうです。山科さんは一浪してしまいましたが、ハヤカワさんはひと足先に多摩美術大学に入学。胸のサイズが小さい人向けのランジェリーブランド「feast(フィースト)」を立ち上げるなど、バリバリと活躍する姿を目にし、「予備校時代は“ライバル”という認識だったけど、浪人して止まっている状態だったので、五味ちゃんのことが眩しく見えて。“追いつかなきゃ”という感じだった」と当時の印象を語ります。
10代のころから漫画を描いていた山科さんは、「“絵で食べていきたい”って思いがずっとあって。RADWIMPSのことがずっと好きで、(漫画で)成功して自分の漫画がメディア化されて主題歌をやってもらうとか、そういう妄想ばかりしていましたね」と笑います。
漫画家を志したきっかけ
山科さんが絵を描くようになったのは、幼少期。当時、親の仕事の影響で、中国で暮らしていたそうで、「『カードキャプターさくら』や『名探偵コナン』とか、日本のアニメがテレビで流れているのを観て。キャラクターがすごく魅力的だったので、アニメを観ながら自分の好きなキャラクターをずっと描いていたのが始まり」と話します。そして、小学4年生のときに日本へ。「アニメの元となっている漫画を手にできるようになって、『花とゆめ』や『りぼん』などの漫画雑誌を買って。そこで、読者の投稿ページを見て、“もしかしたら、自分も描いて投稿してみたら、いつか(漫画家に)なれるんじゃないか”という思いから、漫画家を目指すようになった」と言います。
Webで発信することのメリット
ハヤカワさんがWeb漫画に至った経緯を尋ねると、「新人のころは雑誌でお世話になっていました。受験を挟んで、大学に入ってからは、Webに載せたことで、いろいろな人が見てくれて。いままで、自分のことを少女漫画系と思っていたけど、Web上だと意外と男性の方も好んでくれて、視野が広がって面白いなと思った」と山科さん。代表作の1つ「#アルファベット乳」シリーズは、「Aカップから順に女の子の共感を描いていった。それがバズって(インターネット上で大きく話題になること)、フォロワーが増えて、そこから活動も増していった」と振り返ります。
Zカップまで描いていくなかで、「自分で(こうと)決めつけちゃうのはやめようと思っていたので、ちょっと男子向けだったり、ギャグ寄りに描いてみたり、いまみたいな“恋愛もの”がメインの回があったりするなかで、どの回の反応が一番大きいかとか毎回試したりして」と試行錯誤の連続だったそう。その甲斐あって「そこから逆にもう一度、自分の武器を見つけられた。結局、恋愛ものの反応が一番大きかったから続けているんですけど、(Webは)確認したり、試したりしやすいのかなと思う」と実感を語ります。
今後やってみたいのは「MMV」
「#アルファベット乳」が話題となっていくなか、「気持ち的な部分で言うと、最初は承認欲求のような部分が強かったので、“いいね!”をもらうことに捉われてしまっていた時期もあった」と山科さん。“いいね!”に執着するあまり、「毎回、同じようなものしか描かなくなってしまったり、キツイ言い方をするとクリエイティブ的には死んでいっているんじゃないか、という危機感が出てきたりした」とスランプも経験したそう。しかし、そんな時期を乗り越えてからは「必要以上に“いいね!”の数とか承認欲求だけに捉われ過ぎず、“いかに作品を良くするか”というところに集中できるようになった」とマインドの変化も。
今後やってみたいことについては、「最近、MMVって呼ばれる“漫画ミュージックビデオ”というジャンルが出てきていて。例えば、『ブルーピリオド』という漫画とクリープハイプの曲が組み合わさったMMVがあるんですけど、音楽だけで聴いたときと、漫画だけで読んだときとは違ったストーリー性が組み立てられているようなミュージックビデオになっていて。ほかのカルチャー同士が組み合わさった“エモさ”とかがすごく人気だと思うので、やってみたい」と意欲を見せていました。
次回5月9日(土)の放送も、引き続き山科さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!
<2020年5月8日更新>イラストレポートを掲載しました。
番組概要
番組名:マスメディアン 妄想の泉放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mosonoizumi_TFM