イラストレポートで放送内容をチェック!

浅生鴨のインプットソース

話題は、コロナ禍でのインプットの仕方について。「これまで、雑談がインプットの糧だった」というハヤカワさんは、現在の状況下にインプットする難しさを感じている様子。

一方、浅生さんは「もともと、僕は引きこもりがちな暮らしをしていて。あまり人とも会わないし、ずっと仕事場でモノを書いていることが多かったので、生活自体、たいして変わっていない」と言います。外出自粛期間中で「本を読む量は随分と増えた。あと、海外ドラママニアなので、作品を観る本数も増えているかな」と実感を語ります。

浅生さんの思う海外ドラマの魅力は、「芝居が上手いことと、美術にしても撮影にしても明らかにお金がかかっていること。モノのクオリティって、ある程度お金に比例する部分があるじゃないですか。そこに、ちゃんとお金をかけられているのは、観ていて気持ちがいいんですよね」と話します。

そして、もう1つのインプットである読書は、“ジャンルを問わず”読んでいるそうで、「書評家や書店が薦めている本はひと通り読みますし、あとはジャケ(表紙)買い。中身(内容)をまったく知らずに買うことも随分多い」と浅生さん。

ハヤカワさんは、本を1冊読む時間を“無駄にしたくない”という思いから「“絶対に失敗しない本”を選びたい、という気持ちが強かった」と言います。しかし、“おうち時間”が増えたいま、気軽に本を読めるようになったようで「そこのハードルが下がったからこそ、“たまたまの出会い”とかも意外と必要だったり、大切な出会いだったりするので、けっこう重要視するようになった」と変化があったそう。

まずは自分の頭で考えること

浅生さんは、読書や海外ドラマ鑑賞からのインプット以外に、「ネットにあまり近づかないようにしている。ネットの情報を遮断して、インプットの量を減らそうということをやっている」と言います。理由は、「自分で考えたいから」。

ネット上に溢れているたくさんの人の意見が目に触れることで、「それが、自分で考えたことなのか、人が考えたことなのか、わからなくなってしまう。“自分でちゃんと考えている”って意識するためにも、(ネットで)あまり情報を入れないように心がけている」と話します。

今年1月に、著書『面白い! を生み出す妄想術 だから僕は、ググらない。』(大和出版)を発刊している浅生さんは、「まずは、自分の頭で考える。そこから、すべてを始めたい」と声を大にします。「気をつけないと、誰かが言っていることが物事を確信する理由になってしまう。それが一番嫌。自分の腹のなかでちゃんと煮詰めたい。それには、やっぱり本を読むことはすごく大事」とも。

本からのインプットについて、「直接、感情に入ってこないというか、1回、何か別のフィルターを通ってから、体に入ってくる感じがする」。対してスマホは「益々パーソナルなので、感情にダイレクトに飛び込んでくるような感じがある」と実感を口にします。

ネットやSNSからさまざまな情報を得ている人もいる昨今、浅生さんは客観的な自分を保つための“心持ち”として、「(SNSは)言葉のやり取りをしているよりも、“感情のやり取り”をしているような感じがする。だから、そこにはあまり近づきたくないな、と最近は思っている」と語ります。

偶然の場をどう設計できるか

新刊『雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ』を、6月5日(金)に自主出版する予定の浅生さん。本書は、さまざまな分野で活動する“書き手”が、同じテーマでそれぞれの作品を執筆したアンソロジー集。ちなみに書き手のなかには、同人イベントでたまたま隣のブースにいた人も参加しているそう。

ハヤカワさんは、「ネットで情報を得られるようになると、自分にパーソナライズされた情報ばかりになってきてしまう。浅生さんのやられているアンソロジーの形だと“不意打ちの出会い”があって、それがすごく貴重な気がしている」と話します。

そんな声を受け、浅生さんからは「いまは、人がたくさん集まるイベントが減っていますけど、たくさんの人が、同人誌をつくって、それをどこか一堂に集めて、ガチャのように配布するのはどうか。物々交換じゃないですけど、あるところに同人誌を送ると、誰だか知らない同人誌が送り返されてくるような(笑)。なにが届くかわからないくらいのイベントがあってもいいのかなと思う」と妄想が飛び出します。

そして、「自分に最適化されていないところから、変化球が飛んでくるという状態は、(自分が)意識してつくらないと、そういう偶然(の出会い)が生まれにくくなっている。偶然の場をどう設計できるか」と、あらためて強調します。

浅生さんのインプット術に、ハヤカワさんは「(得る情報が)自分のわかりきったモノだけになっていくと刺激がない。わからない、知らないといった“突然の出会い”がないと、妄想がはかどりづらいのかなと思う。突然の出会いを、あえて(自分から)つくっていくことが“妄想の泉”になってくるのかなと感じました」と感想を口にしていました。

次回5月30日(土)の放送は、マイクロソフトのAI「りんな」ちゃんと、マイクロソフトディベロップメントで自称りんなの保護者の坪井一菜さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

※2020年5月29日にイラストレポートを掲載しました。
※2020年6月2日に浅生鴨さんからのコメントを掲載しました。

advanced by massmedian読者へ
浅生鴨さんから特別メッセージ

妄想は、これまでの世の中で誰かが作ってきたルールから自分を自由に解き放つための面白くて良い道具だと思うので、自分が妄想することによって新しいルールを自分で作っていくんだっていう、そんな風に考えていくと、面白く生きていけるんじゃないかなと思います。

番組概要

番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mosonoizumi_TFM

PODCASTPODCAST

写真
【パーソナリティ】
ハヤカワ五味
課題解決型アパレルブランドを運営するウツワ代表取締役。1995年生まれ。大学入学後にランジェリーブランド《feast》、2017年にはワンピースの《ダブルチャカ》を立ち上げ、D2Cで販売する。「ファッションデザイナー」と「事業家」の2つの顔を持つ。
SHARE!
  • facebookfacebook
  • twittertwitter
  • lineline