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自身がつくるクイズに込めた深意

伊沢さんによると、クイズのつくり方は大きく分けて2タイプあるそうで、演劇に例えて説明します。1つは「観てすぐに楽しめたり、感動できたりするもの」。これは、いわゆるテレビ向きのクイズだそうで、「作品の側に、“お客さんにどうなってほしい”という思いがストレートにあると思うんです。テレビ番組用に問題をつくるときも思いやりを持って、観ている人、問題を解く人に“どうなってほしいな”というのをストレートに表現するのが、一般的なクイズのつくり方」と言います。

そして、もう一方の公式YouTubeチャンネル「QuizKnock(クイズノック)」やプライベートで友人に出しているクイズは、「1回観ただけでは難解なんだけど、あとでいろいろな人の考察を聞いたり、解説を聞いたりして“なるほどね”と腑に落ちるもの」。

これは、自身の推したいポイントからつくっていくタイプで、「九州で使われている方言で『とぜんね』は、どんな感情を表す言葉でしょう?」という例題をもとに解説していきます。

この問題を聞いただけでは、「九州の人じゃないと方言を知らないし、“なんのこっちゃ”という話で、(問題の)どこが面白いのかもわからない」と伊沢さん。

この問題は、「寂しい」「退屈な」が正解なのですが、「答えを聞いても、まだ面白くないじゃないですか。古典文学の『徒然草(つれづれぐさ)』の“徒然”は、音読みで“とぜん”と読みます。また、古文の授業で習う『徒然なるままに……』の意味は“寂しい”とか“退屈なので”と訳します。そこで初めてつながってくるんですよ。『“徒然”がまだ方言として残っている』という解説を聞いて、初めて面白いと思える」と話します。

それを聞いた瞬間、ハヤカワさんは「めっちゃ面白い! 確かに、(答えの意味が)わかった瞬間に気持ちいい!」と感じ入った様子。

伊沢さんは、「これは、僕のなかでの妄想やエゴの押しつけではあるんですけど、“ここがつながる感覚を楽しんでくれ”みたいな。僕が楽しんだ発見の形をシェアしたい。ただ教えるだけじゃなくて、同じ発見の過程をたどって楽しんでもらいたい、という僕の“妄想”と“エゴ”によって、このようなクイズをつくっています!」と熱く語ります。

クイズ番組は「“対策”が命」

2人には、『賭博黙示録カイジ』などで知られる福本伸行さんの作品が好き、という共通点があります。ハヤカワさんは「私は脱出ゲームもすごく好きで、それはなぜかと考えると、カイジ的な要素があるなと。追い詰められている限界の数十秒のあいだで判断しなきゃいけない、という状況がめちゃくちゃ楽しい」と話します。

一方、中高生時代に福本作品をかなり読み込んでいたという伊沢さんは「どんでん返し、スペクタクルなど、漫画作品としてすごくよくできている。“どうなっていくのだろう”という読者の想像をはるかに超えた展開で、しかも納得させる能力は、福本先生は半端なく強い」と魅力を語ります。

伊沢さんいわく、脱出ゲームは『賭博黙示録カイジ』で言うところの第3章「欲望の沼」編に近いそうで、「カイジって“準備”の漫画だなと思っていて。“この準備って、なにをしているんだろう?”っていうことを、ある種テレビ的に見せておいて、その答え合わせがどんどん行われていくところが、カイジの基本展開だと思う。僕がクイズやテレビ出演に対してやっていることの基本スタンスは、まさに“準備”なんです」と共通点を感じているそう。

その準備について「テレビではよく雑学を振られるので、“今日はこういう話題の展開になりそうだから、この雑学を予習しておこう”とか、自分のなかで手札をいっぱい持っておく。クイズ番組は“対策”が命」と伊沢さん。

「問題傾向とか、この問題はどのタイミングで早押しをすると勝てる、などと考え、それに合わせて知識を入れていくんですけど、対策が実らないことのほうが圧倒的に多い。カイジもその無駄をいとわないですよね。中高生のときに読んで、準備力と、準備したものを平気で捨てられる力。“これぐらい準備をすると、ようやく運がくるんだ”って、僕のなかでのお手本でしたね」と“準備”の大切さを説きます。

「QuizKnock」を“知の飛行場”にしたい!

伊沢さんは、朝の情報番組「グッとラック!」(TBS系)で月曜コメンテーターを担当したり、内閣府の会議に参加したりと活動の幅を広げていくなかで、心持ちに変化があったそうで「僕のスタンスとして、もうちょっと“社会と関わっていく”という気持ちを持たなければ駄目だなと、ここ1年で思うようになった」と言います。

ハヤカワさんが「QuizKnock」のこれからを問うと、「『QuizKnock』を“知の飛行場”にしたい」と伊沢さん。「飛行場ってどこにでも行ける場所であるし、どこかに行きたくなる場所でもある。『QuizKnock』を通じて、なんでも知ることができて、“これってどういうことだろう”“もっと知りたい”って自分で調べたくなる、深掘りをしたくなるようなメディア群を目指して『QuizKnock』を運営していきたい。そうすれば、より自分で考えて、自分で情報を摂取して、自分で判断できるような人たちによる社会ができるんじゃないかと。そのような形で、どんどん社会を“知”でアップデートしていけるのではないかと思っている」と展望を語っていました。

次回7月11日(土)の放送は、10X 代表取締役 CEO矢本真丈さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

※2020年7月13日 イラストレポートと特別メッセージを追加しました。

advanced by massmedian読者へ
伊沢拓司さんから特別メッセージ

妄想したものを取っておく、保存しておくと、数年後に味が出てることもあるので、ぜひ、一回考えたことを大事に取っておいて下さい!

番組概要

番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mosonoizumi_TFM

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【パーソナリティ】
ハヤカワ五味
課題解決型アパレルブランドを運営するウツワ代表取締役。1995年生まれ。大学入学後にランジェリーブランド《feast》、2017年にはワンピースの《ダブルチャカ》を立ち上げ、D2Cで販売する。「ファッションデザイナー」と「事業家」の2つの顔を持つ。
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