2023年(2023年1月~2023年12月)の優れたマーケティング活動を表彰する「第16回日本マーケティング大賞」が発表された。

第16回目となる今回は、社会問題解決やSDGs(持続可能な開発目標)にマーケティングの役割が拡大している中で、市場へのインパクト、独自性、ブランド定着性など、目覚ましい成果を上げたことがグランプリの選考基準となった。

推薦プロジェクト総数110件の中からグランプリに選出されたのは、ファイターズ スポーツ&エンターテイメントによる「北海道ボールパークFビレッジプロジェクト」。このプロジェクトでは、「世界に誇れるスポーツを起点とした新しい街づくり」をパーパスに策定し、構想発表時にはVision Movieや新聞広告を通じて「これは単なる球場づくりではなく、新しい街づくりを世界に先駆けて挑戦するプロジェクトである」と宣言し、目指すゴールを明確にして推進してきた。加えて、どのような球場をつくっていくのか、どのような街づくりを考えているのか、その「未来設計図」を生活者視点で策定。その内容をFuture Vision Book にまとめ、パートナーをはじめとするステークホルダーへ共有することで、「共同創造空間」への参画を促した。

こうした活動を通じて150社以上のパートナーがプロジェクトに参画することとなり、2023年3月の開業後に年間来場者数は約340万人を記録(北海道外から約30%を動員)。開業後10年間の経済効果は8400億円と試算され、大きな経済的な成果を得ることに成功した。日本国内では、今後100件以上のスタジアム・アリーナ構想が動き出す予定であり、同プロジェクトは、それらを成功に導く上での先駆的マーケティングモデルとなったとして高く評価された。
そのほか、奨励賞5件、地域賞3件が選出された。受賞作品の詳細は以下の通り。

日本マーケティング大賞 奨励賞

企業名・団体名:甲子化学工業、猿払村、TBWA HAKUHODO
プロジェクト名:守るのは、頭と地球。 HOTAMET

企業名・団体名:味の素冷凍食品、本田事務所
プロジェクト名:冷凍餃子フライパンチャレンジ

企業名・団体名:RIZAP
プロジェクト名:コンビニジム「chocoZAP」

企業名・団体名:イーデザイン損害保険
プロジェクト名:共創する自動車保険「&e(アンディー)」

企業名・団体名:生活協同組合コープさっぽろ
プロジェクト名:子育て応援プロジェクト

日本マーケティング大賞 地域賞

<関西地区>
企業名・団体名:海遊館
プロジェクト名:閉鎖水槽を“ショーウィンドウ”としてメディアに「サンゴショーウィンドウ」

<九州地区>
企業名・団体名:LINEヤフーコミュニケーションズ、九州博報堂
プロジェクト名:福岡市屋台基本条例制定10周年&長浜屋台街復活!プロモーション

<北海道地区>
企業名・団体名:北海道コンフェクトグループ
プロジェクト名:北海道発、おいしいお菓子づくりと環境再生型農業で北海道の未来を創造