米アドエイジ誌が「Agency A-List 2019」を発表した。Agency A-List 2019は、同誌編集部によって、最も優れたブランドコミュニケーションを行った広告会社や事業会社が選出される。今回、最高賞にあたるエージェンシー・オブ・ザ・イヤーにはWieden & Kennedyが選出された。

同社が2018年に行った注目の案件として、スポーツ関連商品を扱う世界的企業ナイキの30周年記念キャンペーンがある。同キャンペーンでは、人種差別への抗議的行動を取ったことで実質NFL選手引退という状況にあったコリン・キャパニック氏を起用している。これにより、世論を賛否二分に分かち、大きな注目を浴びた。

アドエイジ誌編集部は、論争の的となっている話題の渦中に踏み込んでいくことは、広告会社としても広告主としても危険を伴う動きであったとしている。しかしWieden & Kennedyは、ナイキだけでなく恋愛マッチングアプリ「OKCupid」のキャンペーン広告においても、挑戦的な広告を展開し、賛否を起こしながらもクライアントの売上や利用ユーザーの増加に貢献した。同社は、新鮮で新しい方法で絶えず世界を見つめていくことが必要だと述べている。今回の選出は、常に新しい方法や限界を越えていく方法を考え、そのためにクライアントと同じだけの熱量でテーマに向き合う姿勢が評価された。また、大手ホールディングカンパニーとは異なる独立系クリエイティブエージェンシーという立ち位置で多くのクライアントを獲得し、会社自体の成長も著しいという点も選出理由の一つとなっている。

A-Listにはそのほか9社が選出された。Goodby, Silverstein & PartnersやTBWA、Work & Co.などは、ジェンダー・ミックスを超えたパートナー指名やチーム編成、従業員定着率に直結する社内環境への取り組みや姿勢も一つの評価点となった。選出された企業は以下の通り。

Wieden & Kennedy
Goodby, Silverstein & Partners
Giant Spoon
Edelman
TBWA
Work & Co.
FCB
Anomaly
McCann
360i