米アドエイジ誌、「2018 Marketer A-List」を発表

米アドエイジ誌は2018年12月3日に、「2018 Marketer A-List」を発表した。最高賞であるマーケター・オブ・ザ・イヤーには、”Just do it”30周年記念広告キャンペーンでアメフト選手のコリン・キャパニック氏を起用したNIKEが選出された。

同誌は今回の発表にあたって、マーケティングにおける成功とは、これまでにないリスクを選択することであると述べている。リスクを背負いながらも成功を収めた企業たちが2018 Marketer A-Listに選出された。

選出された企業は以下の通り。

■2018 Marketer A-List
NIKE
COCA-COLA 
CRAZY RICH ASIANS
FENTY 
FORTNITE
MEDMEN 
NBA 
SALESFORCE
VOLVO
WALMART

最高賞を獲得したNIKEは、30周年記年キャンペーンにおけるキャパニック氏の起用によりアメリカを二分する賛否両論を巻き起こしている。同氏は人種差別に抗議するため、国歌斉唱中の起立を拒否したことをきっかけに2016年以降は事実上のリーグ追放という状態にあり、アメリカ世論が賛否二分となっている最中だった。複数名起用するうちの一人とはいえ、NIKEがキャパニック氏を選出したことは、企業としての立ち位置の表明であり、一石を投じる姿勢を見せたと言える。また、若い世代や新世代のアスリート達へ”Just do it”というブランドスローガンを強く伝えるものとなった。その結果、同キャンペーン発表3日後のオンライン販売セールスは31％増加し、株価は同社史上最高値を更新した。

そのほか、あらゆる人種の肌の色に合わせた商品展開を行ったFANTY、カナダでのマリファナ合法化に伴い、これまでのイリーガルなイメージからの刷新に寄与したMEDMENなども選出した。いずれも賛否二分の中で、自社の姿勢を確立しながら展開した企業であると言える。