全日本広告連盟は、第9回「全広連日本宣伝賞」の受賞者を発表。「松下賞」を井上眞氏(大塚製薬 代表取締役社長)、「正力賞」を増田宗昭氏(カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長兼CEO)、「吉田賞」を藤重貞慶氏(ACジャパン理事長、日本マーケティング協会会長、日本卓球協会会長、ライオン 相談役)、「山名賞」を佐藤雅彦氏(東京藝術大学大学院教授、クリエイティブディレクター)にそれぞれ贈賞することを決定した。

各賞は、5月20日開催の「第69回全日本広告連盟山陰大会」式典内で贈賞を行う。各賞の受賞者と贈賞理由は下記のとおり。

松下賞

井上眞(いのうえ・まこと)氏
大塚製薬 代表取締役社長
大塚製薬 医薬品関連部門の要職を経て、専務取締役 ニュートラシューティカルズ事業担当、取締役副社長を歴任。2020年より現職。

中高生をターゲットにした広告コミュニケーション戦略でポカリスエット、カロリーメイトなどロングセラー商品のリブランドおよび市場拡大を成功させ、2016年、2017年の2年連続で総合広告電通賞、2019年日本マーケティング大賞を受賞。2020年はコロナ禍のなか、高校生たちの自撮り画像で構成したCM「ポカリNEO合唱」が話題となる。同社の卓越したブランドマーケティングを牽引し、広告界の発展に大きく貢献したとして、その功績が評価された。

正力賞

増田宗昭(ますだ・むねあき)氏
カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長兼CEO
TSUTAYAやTカードを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長兼CEO。2011年12月、「プレミアエイジ」と呼ばれる50代以上の大人たちに向けた新しい生活提案の場として、東京・代官山に「代官山 蔦屋書店」をオープン。2013年には、佐賀県武雄市の「武雄市図書館」の運営をスタート、地域活性化にも大きく貢献している。

Tポイント(2003年にサービス開始)を基盤にしたデータベースマーケティングを駆使しつつ、既成の枠を超えた生活提案を組み込んだ「カルチュアインフラ」を創り出す活動は、コンテンツプロデューサーとしての枠にとどまらないほど、大きな功績を残している。

吉田賞

藤重貞慶(ふじしげ・さだよし)氏
ACジャパン 理事長、日本マーケティング協会 会長、
日本卓球協会 会長、ライオン 相談役
ライオン代表取締役社長、代表取締役会長を歴任し、2016年より現職。2016年よりACジャパン理事長、2019年より日本マーケティング協会会長として広告界全体の発展に寄与してきた。

2020年、ACジャパンは新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、臨時キャンペーン「あなたのコロナ対策が、みんなを救う。」を展開し、団体としての存在価値を高める。日本マーケティング協会では、検定や研修、イベントを通して最先端のマーケティング人材の育成、最新のマーケティング手法の普及啓発を積極的に行う。日本卓球協会会長として、「卓球ニッポン」の世界での活躍、および2017年Tリーグ設立に寄与するなど、スポーツ界の活性化にも尽力してきた。

山名賞

佐藤雅彦(さとう・まさひこ)氏
東京藝術大学大学院教授
クリエイティブディレクター
電通在籍時はCMプランナーとして、サントリー「モルツ」、NEC「バザールでござーる」などヒットCMを量産。1999年から2006年まで慶應義塾大学環境情報学部教授を務め、同大学佐藤雅彦研究室の活動として手掛けたNHK教育テレビ「ピタゴラスイッチ」や、「2355/0655」「考えるカラス」の企画・監修に現在も携わる。2006年より東京藝術大学大学院映像研究科教授。

研究室のプロジェクトとして制作する短編映画が、カンヌ国際映画祭より二度にわたって正式招待上映を受けるなど、現在も独自の考え方や方法で分野を超えた活動を続けており、クリエイター・教育者として業界へ多大な功績を残している。