3月10日、都内で第59回「宣伝会議賞」の贈賞式が開催され、グランプリをはじめとする各賞の受賞作品が発表された。
合計64万8138点の応募作品(コピー・CM)のなかから最高賞のグランプリに選ばれたのは、オトバンクの課題「オーディオブックで『聴く読書』を日本に広げるアイデア」に対して応募された「それではお聴きください。川端康成で伊豆の踊り子。」という宮崎響さんのキャッチフレーズ。

最終審査員を務めた谷山雅計氏はグランプリ選出の理由について、「何度も投票を重ねて、議論するなかで決まったコピーです。審査員の一倉さん(一倉宏氏)や児島さん(児島令子氏)から出たのは、『シンプルで分かりやすいのは当然ですが、軽さがあって良い』という意見。『伊豆の踊子』という名作を重々しく言うのではなく、MCやDJのように“軽(かろ)み”をもって伝わってきて、現代的に機能するコピーである。”夏目漱石で『坊ちゃん』”でも、”太宰治で『人間失格』”でもない、”川端康成で『伊豆の踊子』”というチョイスに、素晴らしいコピーのセンスを感じました」とコメントした。

一般部門各賞の受賞作品(協賛企業名/課題/受賞者名)

グランプリ

「それではお聴きください。川端康成で伊豆の踊り子。」
オトバンク/オーディオブックで「聴く読書」を日本に広げるアイデア/宮崎響さん

コピーゴールド

「『ご利用ありがとうございます』利用されたのは、私だった。」
日本情報経済社会推進協会/「プライバシーマークの魅力」を伝えるためのアイデア/丸山優河さん

CMゴールド

「脱・再配達」篇
女A:最近仕事が忙しいんだよね。
女B:大変だね。

女A:毎日帰りが遅いから、宅配便とか全部、再配達になるんだよね。
女B:させてる。
女A:え?
女B:再配達をさせてる、んでしょ。
NA:再配達させない日本を。ユニソンの宅配ボックス ヴィコ DB。

ユニソン/「ユニソンの宅配ボックス ヴィコ DBが欲しい」を増やすアイデア/水野綾子さん

眞木準賞

該当なし

シルバー

「ハマリ役にはハメた誰かがいる。」
イー・スピリット/キャスティングを頼むのであれば“イー・スピリット”と思ってもらえるアイデア/宝来麻矢さん

「ホラー小説は、電気を消して読みたい。」
オトバンク/オーディオブックで「聴く読書」を日本に広げるアイデア/阿良聖路さん

「焚火を見ながら、小さな音で本を聴いている。」
オトバンク/オーディオブックで「聴く読書」を日本に広げるアイデア/木村輝之さん

「オンラインでは、いつも一番前の席に座っている。」
公文教育研究会/「オンライン&教室学習」の魅力を伝えるアイデア/山本築さん

「知らない過去は新しい。」
フジテレビジョン/FODの魅力が伝わるキャッチフレーズ/向井正俊さん

「会議を終わらせるのは、いいアイデアだ。」
マスメディアン/「アイデアを生み出す人の大切さ」が伝わるコピー/上條直子さん

「この重い物を何度も持って来させるのは、何ハラですか?」
ユニソン/「ユニソンの宅配ボックス ヴィコ DBが欲しい」を増やすアイデア/柳田峻さん