日本新聞協会は9月7日、第42回新聞広告賞を発表し、大賞には大日本除虫菊の「いま、いいよね。一方通行の新聞広告」に決定した。

大賞受賞作は、個人情報を取得されるといったインターネット広告への不安感を逆手に取り、新聞広告を褒めちぎるコピーを並べることで、主力商品を告知し話題化を図る広告企画を展開した。紙媒体である新聞広告は「一方通行」なものであるとして、個人情報や行動履歴は取得されないから安心と表し、URL「Internet/daisuki」(インターネット大好き)で読者を特設サイトへユーモアたっぷりに誘導した。サイトはネット黎明期を思わせるデザインを用いて統一し、懐かしい壁紙ダウンロードを用意、ソフトウェアの設計図であるソースコードを同社のシンボルマークである「金鳥」として描くなど、SNSでも大きな話題を呼んだ。

その後、新聞社自らが紙面と連動したデジタル施策を紹介する広告を出稿することで、新聞広告は決して「一方通行」ではないことを表し、反論することによりさらに注目を集めた。新聞とデジタルの機能を最大限に活用し、企画ブランディングに成功した広告活動として高く評価されたことが大賞受賞へと繋がった。

同賞は、広告主部門と新聞社企画・マーケティング部門の2部門が対象となり、新聞紙上で優れた広告活動を展開した広告主および新聞社に贈られる。今回は、広告主部門220件、新聞社企画・マーケティング部門61件の計281件の応募があった。広告主を対象として大賞1件、新聞広告賞は5件、優秀賞11件。新聞社・マーケティングを対象として新聞広告賞5件、奨励賞5件が選出された。2部門の各新聞広告賞受賞作品は以下の通り。

新聞広告大賞

「いま、いいよね。一方通行の新聞広告」(大日本除虫菊)

新聞広告賞

<広告主部門 5作品>
・アース製薬史上最狭スキマ広告(アース製薬)
・保存新聞(味の素)
・Uターン促進企画「親のひとことが島根へ帰るきっかけでした」(島根県)
 
・母の日キャンペーン(ユニクロ)
・目の愛護デー「巨大QRコード新聞広告」(ロート製薬)
<新聞社企画・マーケティング部門 5作品>
・風化させてはいけない震災がある【あの日のテレビ欄+47体の身元不明遺体】(岩手日報社広告事業部)
・虐待ゼロへ いのちにハグを。 とちぎ(下野新聞社営業局)
・50000号記念 過去との邂逅×未来への閃光(信濃毎日新聞社広告局)
・脳活新聞(西日本新聞社メディアビジネス局)
・2021平和企画(長崎新聞社メディアビジネス局)