テレビCMの戦略立案、コンサルティングを行うテムズが運営する「ぐろ~かるCM研究所」が、マーケティング戦略において優れたローカルCM・地方PR動画を表彰する「ぐろ~かるCM大賞2022」を発表した。

今年で8回目を迎えた「ぐろ~かるCM大賞」は、秀逸なローカルCM・地方PR動画を網羅的に取り扱うWebサイト「ぐろ~かるCM研究所」が主催。同研究所の専門家による審査のもと、2021年12月から2022年11月の期間に同サイトへノミネートされたCMおよびPR動画107素材のなかから、各賞が決定した。

なお、例年は大賞のほか複数の特別賞を発表していたが、新型コロナウイルスの影響により候補となるCM・PR動画が減少したことにより、今年は大賞1素材、特別賞1素材の選出となった。

ぐろ~かるCM大賞2022

■両備グループ バスユニット(岡山県)/「プロジェクト進行中!」篇
この企画は、同社が2022年現在をバス事業存続の正念場と捉え、バスに乗りたくなる仕掛けを企画して公共交通の再起を目指す「宇宙一面白い公共交通を目指すプロジェクト」のキャンペーンCM。舞台はバス車内に設置された奇妙な研究所。研究に勤しむ博士のもとへ、助手のロボット力士が駆け込み、「博士、大変です。社長から公共交通を救えとの指令が出ました!」と訴える。この超重要課題に対して博士が「宇宙一面白い公共交通」の開発を命じるというストーリーとなっている。

<授賞理由>
公共交通の危機的状況をユーモラスに伝達するとともに、ユニークで新規性の高いプロジェクトをインパクトをもって訴求したとして、アナログ感のあるクリエイティブと自虐を交えた言葉遊びは、視聴者の興味を喚起するうえで非常に効果的だと評価された。また、そのほかプロジェクトの企画として、運行中のバス車内でのプラネタリウムやアート作品販売、SNSを活用した乗客参加型企画など、ほかに類を見ないアイデアの具現化により、大きな話題性を獲得した点も高い評価を得た。

ぐろ~かるCM・地域マーケティング賞

■八十二銀行(長野県)/「勇者たちと王家の秘宝」シリーズ
全4篇からなるCMシリーズで、遺言・遺産整理・財産管理など、八十二銀行のサービスをゲームの世界観のなかでわかりやすく伝えている。第一章「勇者たち遺言信託」篇では、王様が突然、「勇者よ! 実はワシがお前の父じゃ」と勇者一行に衝撃の真実を告げるシーンからスタート。「遺産をすべて勇者に授ける」と言いだしたが、「お妃様やお姫様にも相続しなくてはならないのでは」「書き残しておく必要があるのでは」と、遺言書の必要性をコミカルに伝える内容となっている。

<授賞理由>
ゲームの世界観をモチーフにしたことで、ローカルCMらしい「ゆるさ」とコミカルな展開によって、銀行に対する親近感を醸成していると評価。また、1素材1メッセージに絞ることで、訴求内容をわかりすく伝達している点も秀逸だとしている。