アイデアが降りてきてほしい人必見 #サウナでわたしも閃いた サウナ大使/マンガ家 タナカカツキさん
最近、にわかにサウナが注目を集めているのをご存知でしょうか。サウナー(サウナ愛好家)のバイブルといっても過言ではない『サ道』(パルコ)が2011年に発刊され、サウナの作法が広く知れ渡る起爆剤になりました。この作法とはサウナと水風呂と外気浴を繰り返すことを差し、この工程により血流が身体中を駆け巡り、脳に大量の酸素が送り込まれ、脳内ホルモンであるβ-エンドルフィン(不安を軽減させる)やオキシトシン(ストレスを緩和し幸せな気分をもたらす)、神経伝達物質のセロトニン(精神を安定させる)が分泌され、多幸感や恍惚感が湧いてくると言われています。この状態をサウナーは「ととのう」と表しますが、ディープリラックスからのサウナトランスは多くの人を虜にしています。
これまで数多のサウナ記事で、サウナの身体的な効能については語られてきましたが、「advanced by massmedian」では新たなサウナの魅力について探っていきます。題して、「#サウナでわたしも閃いた」。「サウナはクリエイティブな発想を生み出す装置」という仮説に基づいて、さまざまなサウナ好きのクリエイターにインタビューしていく連載をスタートします。サウナーでない人でも、シャワーを浴びているときに突然アイデアが閃いた!なんて経験をお持ちではないでしょうか? この「サウナと閃き」の関係性について探っていきたいと思います。第1回連載は、先述のマンガ『サ道』の著者であり、日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使も務めるタナカカツキさんに、サウナで閃いたエピソードを伺ってきました。
これまで数多のサウナ記事で、サウナの身体的な効能については語られてきましたが、「advanced by massmedian」では新たなサウナの魅力について探っていきます。題して、「#サウナでわたしも閃いた」。「サウナはクリエイティブな発想を生み出す装置」という仮説に基づいて、さまざまなサウナ好きのクリエイターにインタビューしていく連載をスタートします。サウナーでない人でも、シャワーを浴びているときに突然アイデアが閃いた!なんて経験をお持ちではないでしょうか? この「サウナと閃き」の関係性について探っていきたいと思います。第1回連載は、先述のマンガ『サ道』の著者であり、日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使も務めるタナカカツキさんに、サウナで閃いたエピソードを伺ってきました。
──今回、連載の題字デザインやインタビューのご協力ありがとうございました。タナカさんがサウナにハマるようになったエピソードなどについては、さまざまな記事で語られていますので割愛しまして、さっそく本題に移りたいと思います。ずばり、タナカさんはサウナで企画を練られているのでしょうか?
今はそうですね。ただ、ここについてお話しするには私のこれまでのアイデア出しの遷移についてお話しする必要があります。私はマンガ家なので、マンガのストーリーをつくるためにタネとなるアイデアが求められます。これがないと描き出せないので、アイデアが出る最適な環境を常に探し求めてきました。どうしたらアイデアが出るのか、アイデアの出やすい環境、安定的に量産できる環境はどういうものか、といったことを日々考えてきたんです。マンガ家の諸先輩方に聞くと、散歩をしながらアイデア出しをする人がとても多かったので、私も実践していたんです。もう随分昔の話ですが、散歩しながらアイデアが浮かんだらノートにメモをするということをしていました。たしかにアイデアは出やすく、効果は実感していました。
──確かに、ウォーキングはアイデア出しに効果的って聞きますね。なぜなんでしょう?
有酸素運動により、血が巡って脳に酸素が供給され活性化することは研究で証明されているみたいです。また反復する動作は、リラックス効果があるとも言われています。このため散歩は、心が静まりながら、脳が活性化している状態なため閃きやすいのだと思います。
ただ困ったことに、閃いた瞬間にそのアイデアに集中して、注意散漫になってしまうんです。これだといつか事故を起こしてしまうな、と身の危険を感じていて、なにか別の良い方法はないかを探っていたんです。あと散歩って、暑かったり、寒かったり、雨が降ったりで天候に左右されてしまうので、ルーティンにできないという問題もあり、ジムに行ってみたんです。そこでランニングマシンを低速に設定して、歩いてみると、これがめちゃくちゃ効果的だったんです。道路に面したランニングマシンで、人ごみを眺めながらぼーっと歩くとアイデアが湧いてくる、湧いてくる。これは良いなと思い、ジムに通うことにしたんです。 ──確かに事故の危険性もないし、天候に左右されないので、アイデア出しに最適な場所ですよね。
そうなんです。しばらくこの方法を試していたんですが、もっと素晴らしい方法を見つけてしまったんです。それがサウナでした。ちょうど利用していたジムはオープンしたてで会員も少なく、平日の真昼間に通っていたので、誰もサウナ室にいなかったんです。それまでサウナに対する良いイメージがなく敬遠していたのですが、新築で清潔感もあり、また木の香りに惹かれて、試しに入ってみたところ、見事にハマりました(笑)。
──おお!『サ道』の1話で触れていたエピソードに続くわけですね。そして、ここからサウナ道がスタートしたわけですね。
サウナで閃いたのが、コップのフチ子。そう、サウナ室のひな壇の縁を眺めていたら、座っているOLの姿が思い浮かんだんです。
もともとカプセル玩具の企画を考えていて、ガチャガチャを回して、何が出てきたら面白いんやろうと、サウナ室で空想していたんです。それで、フチ子を思いついたんです。で、すぐに脱衣所に行って、ラフ案をメモったんです。もちろん手が濡れていたので、メモ帳はふやけてしまって(笑)。それを急いでスキャンして、玩具メーカーに見てもらったんですよ。 ──サウナ中に思いついたアイデアをどう記録するかは、大きな問題ですよね。タナカさんはすぐに脱衣所に走ってメモ書きしたんですね。
あの当時は、サウナに入るだけでアイデアが降ってきたんですが、今は珍しいですね。サウナ室でというより、サウナ・水風呂・外気浴の3セットをすべて終わった後に思い浮かぶことのほうが多いです。サウナ後の休憩に閃くので、今はスマホでメモしています。もちろん、サウナ室や水風呂でも考え続けているのですが、だんだん暑くなってきて、考えられなくなるので、頭の片隅に1ピースぐらい残しておくイメージです。水風呂も同じような感覚ですね。それで外気浴時や休憩時にピースとピースが組み合わさって、閃くわけです。最近は、この瞬間に賭けています。だから、アイデア出しのためにサウナを使っているようなもので、サウナにはアイデアが眠っていると思っています。
──「サウナにはアイデアが眠っている」、名言いただきました。最後に、スペシャルな告知がタナカカツキさんからあります!
実は、5月16日発売号の雑誌『モーニング』で、マンガ『サ道』の続編をスタートさせます。週間連載しますので、ぜひ、毎週読んでみてください。また、テレビ東京の金曜深夜枠で、ドラマ版『サ道』が放映されます。出演者は、日頃からサウナに足繁く通っている原田泰造さんや三宅弘城さん、磯村勇斗さん。さらにプロデューサーや脚本家も信頼の置けるサウナーです。オールキャスト&スタッフがガチサウナーなので、とんでもないことになってるはずです(笑)こちらは7月スタートですので、併せてお楽しみください。
<撮影>池ノ谷侑花(ゆかい)
<取材協力>スカイスパYOKOHAMA「コワーキングサウナ・KOOWORK(クーワーク)」
今はそうですね。ただ、ここについてお話しするには私のこれまでのアイデア出しの遷移についてお話しする必要があります。私はマンガ家なので、マンガのストーリーをつくるためにタネとなるアイデアが求められます。これがないと描き出せないので、アイデアが出る最適な環境を常に探し求めてきました。どうしたらアイデアが出るのか、アイデアの出やすい環境、安定的に量産できる環境はどういうものか、といったことを日々考えてきたんです。マンガ家の諸先輩方に聞くと、散歩をしながらアイデア出しをする人がとても多かったので、私も実践していたんです。もう随分昔の話ですが、散歩しながらアイデアが浮かんだらノートにメモをするということをしていました。たしかにアイデアは出やすく、効果は実感していました。
──確かに、ウォーキングはアイデア出しに効果的って聞きますね。なぜなんでしょう?
有酸素運動により、血が巡って脳に酸素が供給され活性化することは研究で証明されているみたいです。また反復する動作は、リラックス効果があるとも言われています。このため散歩は、心が静まりながら、脳が活性化している状態なため閃きやすいのだと思います。
ただ困ったことに、閃いた瞬間にそのアイデアに集中して、注意散漫になってしまうんです。これだといつか事故を起こしてしまうな、と身の危険を感じていて、なにか別の良い方法はないかを探っていたんです。あと散歩って、暑かったり、寒かったり、雨が降ったりで天候に左右されてしまうので、ルーティンにできないという問題もあり、ジムに行ってみたんです。そこでランニングマシンを低速に設定して、歩いてみると、これがめちゃくちゃ効果的だったんです。道路に面したランニングマシンで、人ごみを眺めながらぼーっと歩くとアイデアが湧いてくる、湧いてくる。これは良いなと思い、ジムに通うことにしたんです。 ──確かに事故の危険性もないし、天候に左右されないので、アイデア出しに最適な場所ですよね。
そうなんです。しばらくこの方法を試していたんですが、もっと素晴らしい方法を見つけてしまったんです。それがサウナでした。ちょうど利用していたジムはオープンしたてで会員も少なく、平日の真昼間に通っていたので、誰もサウナ室にいなかったんです。それまでサウナに対する良いイメージがなく敬遠していたのですが、新築で清潔感もあり、また木の香りに惹かれて、試しに入ってみたところ、見事にハマりました(笑)。
──おお!『サ道』の1話で触れていたエピソードに続くわけですね。そして、ここからサウナ道がスタートしたわけですね。
──それで、実際にサウナでアイデアは生み出されたのでしょうか?
サウナで閃いたのが、コップのフチ子。そう、サウナ室のひな壇の縁を眺めていたら、座っているOLの姿が思い浮かんだんです。
──あの「コップのフチ子」ですか! 言われてみれば、段々部分に腰掛けているところから連想されますね(笑)。
もともとカプセル玩具の企画を考えていて、ガチャガチャを回して、何が出てきたら面白いんやろうと、サウナ室で空想していたんです。それで、フチ子を思いついたんです。で、すぐに脱衣所に行って、ラフ案をメモったんです。もちろん手が濡れていたので、メモ帳はふやけてしまって(笑)。それを急いでスキャンして、玩具メーカーに見てもらったんですよ。 ──サウナ中に思いついたアイデアをどう記録するかは、大きな問題ですよね。タナカさんはすぐに脱衣所に走ってメモ書きしたんですね。
あの当時は、サウナに入るだけでアイデアが降ってきたんですが、今は珍しいですね。サウナ室でというより、サウナ・水風呂・外気浴の3セットをすべて終わった後に思い浮かぶことのほうが多いです。サウナ後の休憩に閃くので、今はスマホでメモしています。もちろん、サウナ室や水風呂でも考え続けているのですが、だんだん暑くなってきて、考えられなくなるので、頭の片隅に1ピースぐらい残しておくイメージです。水風呂も同じような感覚ですね。それで外気浴時や休憩時にピースとピースが組み合わさって、閃くわけです。最近は、この瞬間に賭けています。だから、アイデア出しのためにサウナを使っているようなもので、サウナにはアイデアが眠っていると思っています。
──「サウナにはアイデアが眠っている」、名言いただきました。最後に、スペシャルな告知がタナカカツキさんからあります!
実は、5月16日発売号の雑誌『モーニング』で、マンガ『サ道』の続編をスタートさせます。週間連載しますので、ぜひ、毎週読んでみてください。また、テレビ東京の金曜深夜枠で、ドラマ版『サ道』が放映されます。出演者は、日頃からサウナに足繁く通っている原田泰造さんや三宅弘城さん、磯村勇斗さん。さらにプロデューサーや脚本家も信頼の置けるサウナーです。オールキャスト&スタッフがガチサウナーなので、とんでもないことになってるはずです(笑)こちらは7月スタートですので、併せてお楽しみください。
──目白押しですね! サウナの魅力がさらに世の中に広まるチャンスですね。今回はマンガ執筆やドラマ監修でお忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。
<撮影>池ノ谷侑花(ゆかい)
<取材協力>スカイスパYOKOHAMA「コワーキングサウナ・KOOWORK(クーワーク)」