──ゆぴ(17)さんは「17歳クリエイター」と名乗っていますが、そもそもこの「17歳」というのは何なんですか…?

これは、「自分が年齢に言い訳するオトナ」にならないように中学生のときに決めた生き方です。

中学生のとき、親の転勤でアメリカに渡米することになったんですけど、うちの母が「あなたはまだ若くて英語が学べるけど、お母さんはもう年寄りだから無理だなぁ」と言っている姿を見て、「私もいつか年齢を言い訳に新しいことにチャレンジしなくなっちゃうんだろうか?」と怖くなったことがきっかけでした。

そこで、「永遠の17歳」に自分を固定してしまえば、年齢に怯えずに過ごせるのでは、と思い、この生き方を選んだんです。「17歳のクリエイター」と「17歳をクリエイトする」という2つの思いがこめられています。

──ゆぴさんのように、「ブロガー」「声優」「ライター」「イラストレーター」「YouTuber」など多彩な肩書を持って、ご活動されている方は多くないと思いますが、そもそもゆぴ(17)さんが目指していたのものはなんだったのでしょうか?

私は中学生の頃からずっと声優を目指していましたでも声優という仕事で食べていくことの難しさを日に日に痛感していって、大学生のときに自分の将来を考えて、声優になることを諦めたんです。

それで、まわりに流されるまま就活をしていたのですが、昔から抱いていた夢だったので、「声優になれないのなら、もうなんでもいいや」と少し自暴自棄になっていて。特に真剣に就活をしたわけでもなく、新卒ではぬいぐるみメーカーに入社して、営業として働いていました
──学生の頃に一度挫折されたんですね。そこからどうやって再起していったのでしょう?
社会人1年目までは、会社で働くことに対してすごく悪く考えていたんです。学生のように自由な時間も減るし、代わり映えもしないような毎日を送っているイメージでした。それに、声優などの夢をかなえた人たちや有名な企業に勤めて生き生きと働いている人たちに劣等感も抱いていました。

でも働いていくにつれて、自分のいまいる場所や社会人も全然悪いものではないということが段々とわかってきたんです。そうして実際に働いていくなかで、モチベーションが上がり、前向きになってきて、「憧れていた夢をかなえられなくても、そこに近づく努力はしていこう」と思い、ぬいぐるみメーカーの営業職から転職をすることに決めました。そこで改めて目指そうと思ったのが、ライター職でした。もともと中学生の頃からずっとブログを書いていて、これを生業にしたいと思ったんです。そう考えている中で出会ったのが、サイバーエージェントでした。

渡米した中学生の頃からずっと「アメーバブログ」でブログを書いていたのですが、アメリカで1人ぼっちだった私に文章を書く楽しさや、ネット上で知らない人と交流する楽しさを教えてくれたのがアメブロだったんですよ。だから、それを運営しているサイバーエージェントにはどこか惹かれるところがありました。

──サイバーエージェントでは新R25の編集部で働いていましたよね。最初から新R25編集部配属だったんですか?
最初は新R25のライターではなく、バナーなどをつくるクリエイティブディレクターとして入社しました。実は、募集時は「営業職」の求人しかなかったし、自分も営業しか経験がなかったので、それでしか採ってもらえないと思い込んでいたんですよ。それでも、「なんとしてもサイバーエージェントに入りたい!」と考えて、営業職の採用試験を受けました。

ですが、そのときの人事担当の方に、営業職よりもクリエイティブ職を志望していることを見透かされて、営業職ではなくクリエイティブディレクターとして入ることができました。

──未経験でもクリエイティブディレクターとして採用されたのですね。かなりレアケースのような気がします。けれども、目標である「ライター職」ではありませんが、どのようにしてライター職に就いたのでしょうか? 
仕事にはできなくても文字は書き続けようと思って、プライベートでブログを新たに始めました。すると、そのブログ経由でいくつかのメディアから、ライターとしてのお仕事の依頼がきたんです。そこでライターの実績をつくれたこともあって、新R25編集部へ内部異動をすることができました。
──職場よりも先に、ブログ経由のライターのお仕事が先だったんですね。
そうなんです。そうして、新R25編集部のライターとして働いているときに、とあるイベントを取材することになって。その模様をイラスト化してSNSで発信したら、それがバズったんです。

いわゆる「グラフィックレコーディング」と言われるものだったんですけど、自分が描いたイラストにこんなに価値があるとは、まったく思っていませんでした。そうしたら、今度はグラフィックレコーディングの仕事の依頼が次々に来るようになって、今度は「イラストレーター」にもなれたんです。

──ライターもイラストレーターも、SNS発信がきっかけになって、お仕事をいただくようになったのですね。
これって現代ですごく大事なことだと思っていて。要は肩書を決めるのは自分ではなく、他人なんですそのために必要なことは、アウトプットしていくことなんです。どれだけ自分が拙くて、下手で、人前に出せるものではないと思っていても、それを求めている人がいるかもしれない。正直、私は自分の文章もイラストも決してうまいとは思っていません。

でも、クリエイターとそうじゃない人を分かつものって「世の中に出したか出さないか」、それだけなんですよ。

結局良し悪しを評価するのって他人なんです。そして、いまの時代って自己発信の手段も多い。だから仕事とマッチングできる機会も多いんです。

──言うならば、「肩書を増やしていきやすい時代」になっているということなのでしょうか?
そうだと思いますね。だからこそ、私はさまざまな領域に積極的に越境していきたいと思っています。一つの肩書で戦うのではなく、肩書を組み合わせることで独自性を出していくこれに気付いて、いま私は改めて声優になることを目指しています。

声優という肩書一つだけでは難しくても、「声優×ライター」など掛け合わせていけば、実現できる可能性も上がるし、安定もできると思っています。

それに、私の人生での目標はアウトプットすることだけではなく、「17歳として永遠に生きられる世界をつくること」なので、文章やイラスト、声優など、幅広い入り口をつくっておけば、幅広いファンが増えて、作品よりも私自身に共感するようになって、誰も私を否定しなくなるような優しい世界がつくれるなって思って。

かなえたい夢があるのなら、そんな自我の強い、私利私欲にまみれた発信でもいいんじゃないでしょうか(笑)。
──いま声優のお仕事もされていらっしゃるのでしょうか?
声優のレッスンを受けていて、勉強中ではあるのですが、ありがたいことにお仕事もいただけています。最初はクリエイティブディレクターをしていた頃に、海外のゲームの吹き替えなどのボランティアで参加していたことがあって。でもこの経験も“声優の実績”としては成り立つなと思って、声優の肩書を掲げてみたら、今度は報酬が支払われる正式な仕事として、オファーをいただいたんです。

──言ってみるもんですね……。
言ったもん勝ちですよね(笑)。これもあって、アウトプットしていくことの重要性に気が付きました。たとえ嘘やハッタリでも、アウトプットしていくことで、状況は進展し、変わっていくんです。

──嘘やハッタリでも良いんですか?
もちろん完全に嘘やハッタリではいけませんが、さきほどのグラレコのように自信がなくても評価されることもあります。それに自分を追い込むことにもなりますから、火事場の馬鹿力のように、自分でも気付かなかった潜在能力が発揮されることもある。私はこれを繰り返すことでさまざまな仕事をいただけるようになりました。

それに、advanced by massmedianの過去の記事では、数多くの著名な方々が取り上げられていますよね? そんな著名な方々に並んで、取材を受けさせていただけている状況までたどり着けるんです(笑)。

だから、クリエイターになるための一つの手段として、ハッタリも十分に使える選択肢になるということは、メッセージとして伝えたいですね。
──嘘を真実に変えるためには、自分も本気にならなくてはならないですからね。
ましてやそれが自分の憧れていた仕事あれば、モチベーションも上がるじゃないですか。そうやって自分のやりたいことをやれる人が増えてくれると嬉しいですね。

私自身も、声優を目指していますが、声優業界では20歳でデビューしないと遅いと言われているんです。確かに若い人の方が有利であることはその通りだと思いますが、でもそれ以外の人も“無理”ではないと思っています。

いまって、平均寿命も80歳を超えていて、40歳でようやく折り返しだと考えたら、30代ですらまだまだ若い。遅くないんです。やりたいことがあるのならば考えるよりも行動を起こして挑戦するべきだと思います。ここで私が述べていることを実証していくためにも、私自身がこの生き方を体現していきたいと思います。

何歳だって夢は叶えられるんだ、ということを人生をかけて証明します!

──諦めた夢へリベンジするべく現在進行系で挑戦中というわけですね。これからのご活躍も応援しています!
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