なぜクリエイターはビジネスを知るべきなのか? そろそろ 代表 近藤哲朗(チャーリー)さん
SNSで大反響となり、書籍化もされた「#ビジネスモデル図解シリーズ」を皆さんご存知でしょうか? 俺のフレンチやライザップなど著名な企業からSHOWROOMやecbo cloakなどスタートアップ企業まで、さまざまなビジネスモデルを解剖してわかりやすく図解化しています。その作者である「チャーリー」こと近藤哲朗(こんどうてつろう)さんに今回は取材しました。今後クリエイターの生きる道は、「クリエイティブからソーシャル・ビジネスへ越境していくこと」。そんなメッセージをいただきました。
──まず「ビジネスモデル図解」を始めた理由はなんだったのでしょうか?
「ビジネスモデル図解シリーズ」を始めるきっかけになったのは「Lemonade」というソーシャルインシュランスアプリでした。ビジネスについて学ぼうとさまざまなビジネスモデルを研究している中で、「このビジネス本当によくできているな」と感動してしまって。この感動を誰かに伝えたいけど、うまく言語化できない…。それなら図解にして、利用者・事業・事業者などの関係性を可視化したら伝わるのでは?と思い、始めました。
大学で建築について学んでいたのですが、建築物って図面を書く前に、ダイアグラムというものを記します。ダイアグラムは、さまざまな意図を図やグラフなどで表したもので、これを昔からしていたからこそ、図解というアイデアに行き着きました。だから、もともと使い慣れていた手法だったんです。あと、前職のカヤックで資料を作成する際に、一緒だったメンバーにすごい人がいて。長々とクドイ説明文付きの資料ではなく、図を交えて端的に伝わる資料をつくる同僚がいたんです。それもヒントになりましたね。
──現代人はせっかちになってしまって、ダラダラした長文に耐えられず、パッと見でわかる図解が求められているのかもしれませんね。
それはありますね。あと、これまでのキャリアで図解に関わってきた云々ではなく、そもそも具体的な事象を抽象化するというプロセスがすごい好きなんです。たとえば、100個の事象に対して、実はそれは10グループに分類できて、さらに2つのパターンに分かれるみたいな、構造化していく作業が好きなんです。一見こんがらがっているように見えて、実は整理してみるとこんなにスッキリしている。それが快感になるというか。思い出してみると、幼少期に折り紙が好きだったんですが、その中で一番好きだったのは、「ユニット折り紙」でした(笑)。簡単なパーツ(ユニット)をたくさんつくってつなげて、6面体や24面体、さらには100面体以上にもなるものをつくっていました。あと大学で建築設計するときも、フィボナッチ数列の三角形を用いて建築物の外形の構成もやっていました。完成物をみるとどんなルールでつくられたかわからないカオスなものですが、実は全部1つのルールや方程式でできているといったことに惹かれます。方程式オタク・構造オタクなのかもしれないですね(笑)。 ──「構造オタク」面白いですね(笑)。チャーリーさんの出生ですが、改めて過去から順を追ってお聞きしていきたいです。先述の通り大学では建築を専攻していたのですね?
東京理科大学の建築学科で学んでいました。主な研究内容は街づくりや都市計画で、建物そのものよりも、建築物が人にどのような影響を与えるのかに関心がありました。その話を研究室の教授に相談したら、千葉大の柘植喜治教授を紹介していただきました。また、それと同時期に、渋谷のQFRONTなどを手がけた浜野安宏さんの著書『建築プロデューサー』を読んで大変感銘を受けたんです。建築家だけでなく建築プロデューサーも街づくりに関わることができるんだと。そして、その浜野さんがプロデュースした福岡のキャナル・シティの主任デザイナーが奇しくも柘植先生だったんです。これに運命的なものを感じて、大学院は、千葉大学大学院の都市環境システムコースに進みました。
──そこからカヤックのようなWeb業界に進むのはレアすぎませんか?(笑) 卒業後の就職先の王道は、建築事務所やゼネコンですよね?
大学院の同期は大体、建設や都市設計に関わる会社に就職しましたね。なぜWebの世界に興味を持ったかというと、大学院の研究室で、産学連携で都市計画のプランを練るプロジェクトがありました。そこで考えたのが「iCity」。アップル社が都市計画を立てたらどうなっていくのかを研究したんです。、iPhoneからスタートし、どんどんプロダクトが大きくなると「iHouse」となり、最終的には「iCity」となり、街に情報技術が組み込まれていくだろうと考えました。このときITについて詳しく勉強したんです。
──そこでWeb・ITに興味を持ったんですね。
そうですね。もともとアルバイト先の建築事務所で正社員になると考えていたので、ろくに就職活動もしていませんでした。ちょうどそんなときにTwitterで、「自己PRも志望理由もいらない、卒業制作のみであなたを評価します」というカヤックの卒制採用という採用キャンペーンを見かけました。半信半疑でしたが、それに興味本位で応募してみたんです。そしたらそこで内定を貰って、それが卒業間際の3月30日。明後日には入社式だからと言われて(笑)。最初は遊びで受けてみたのですが、トントン拍子で話が進んだので、自分に合っているのかもしれないなと思い、結局入社しました。
──大学院進学も就職も、運命的なものを大事にしているんですね。
すごく直感で動くタイプで、これは運命かもしれないと思いがちなんです(笑)。起業のときも同じで、起業するぞ!といった感じではなく、共同創業者が4人集まって、自然の流れに身を任せていたらこうなった感じです。
これだけ激しい変化が起きる時代で、先に何が起こるかわからない中で、あらゆることを想定しても不測の事態は起きます。だから先行きを見通しても無駄なんです。マイルストーンを置かなければ不安になってしまうのは、自分の直感を信じきれていない裏返しです。自分の直感力を信じていれば無計画でもなんとかなる。だから僕は自分の直感が冴えなくなる、直感が鈍るのが一番怖いんです。 ──直感力を研ぎ澄ませるにはどうしたらいいのでしょうか?
鈍る原因は自分に嘘をつくから。本当はこうやるべきと思っているのにやらないとか、誰かに言われて仕方なしにやるとか、自分の意に反して自分の心に嘘をつくことを繰り返すと、直感が正しいのかどうかもわからなくなってくる。だから、自分をピュアに、クリーンに保てるかが重要です。
──ではカヤックから独立して起業したのも、そういった面があるのでしょうか?
カヤックはクリエイティブの特性が強い会社だったので、クリエイティブを強みにするということは考えていました。ただ、そんなクリエイティブの力をどこに活かすべきか?と考えたときに、深刻になりやすい社会課題やソーシャルな領域こそクリエイティブで解決していくことが必要だと思い、株式会社そろそろを立ち上げました。実際に2014年以降、社会課題に向き合うNPOや企業のCSR部門のお手伝いをしていったのですが、活動する中で、ビジネスも大事だと気付いたんです。経済的合理性が成り立っていないと、どれだけ良いことをしていたとしても続けられない。それが2017年のことで、そこからソーシャル(S)とビジネス(B)とクリエイティブ(C)の掛け合わせを目指すようになりました。企業が、社会性、経済合理性、創造性の3つが成り立っている状態がもっとも企業価値を持続的に向上できる、という考え方です。3つの頭文字をとって、「SBCの三方良し」を会社のミッションとして掲げています。ただ、ビジネスについてはもともと専門性がうすかったため、勉強がてらビジネスモデルを図解してみようと思い立ったんです。 ──ここで「ビジネスモデル図解」に行き着くんですね。失礼ながら、チャーリーさんのセルフブランディングのためだと思っていました。
会社の課題ありきだったんです。だから実は、役員会で決裁を取っているんです。出版の話も、会社として意義あることだよねと承認を受けて進めています。
やっぱり、世の中に情報があふれかえっている中で、わかりやすい図解はとても重要なコンテンツであると思います。そして、図に落とし込んでいく作業は、情報を圧縮して、人に届けやすくするスキルとして、今後より求められていくと予想しています。一次情報ももちろん大事ですが、伝わりやすく加工した二次情報ももっと必要になっていくと思います。
──その中で、図解するためにはどんな力が必要なのでしょうか?
僕がよく言うのは、「抽象化する能力」です。抽象的に物事を捉える能力、言い換えると「構造化できる能力」です。図解に必要な行程は、情報の圧縮、つまりは引き算なんです。たとえば、情報が横一列に100個並んでいても重要度や優先度は伝わらない。その100個を10パターンに分けたり、10パターンのうち2パターンが重要みたいな整理をすると、判断がつきやすい。僕の考える図解の理想は「シンプルに伝えたいことを伝えるツール」なんです。
──取捨選択をして、物事をシンプルにしていく能力が今後クリエイターに求められるのですね。
その引き算の感覚は、すでにクリエイターは分かっていると思います。それよりも伝えたいのは、クリエイターがビジネスサイドまで考えを及ばせられるかです。クリエイティブとビジネスが共通言語を持って話すことができるか。その面で「ビジネスモデル図解」は両方の架け橋になれるポテンシャルがあると思っています。クリエイター側がビジネスに興味がなくて勉強するのもつらいけど、ビジネスって面白いかもと好奇心が湧くきっかけになりえると思っています。また逆もしかりで、ビジネス側の人にとっても遊びと見切られないギリギリの範囲を攻めているつもりです。このように両者の共通言語になり得るツールを開発していきたいですし、皆さんにも意識してほしいです。
──なるほど、昨今重要視されている「デザイン経営」にも通ずるお話ですね。クリエイティブとビジネスの垣根を超えていく。とても勉強になりました。ちなみに、書籍『ビジネスモデル2.0図鑑』は全文公開されているので、こちらも要チェックですね。本日はありがとうございました!
「ビジネスモデル図解シリーズ」を始めるきっかけになったのは「Lemonade」というソーシャルインシュランスアプリでした。ビジネスについて学ぼうとさまざまなビジネスモデルを研究している中で、「このビジネス本当によくできているな」と感動してしまって。この感動を誰かに伝えたいけど、うまく言語化できない…。それなら図解にして、利用者・事業・事業者などの関係性を可視化したら伝わるのでは?と思い、始めました。
複雑な事象を構造化することが快感に
──ちなみになぜ図解だったのでしょうか?大学で建築について学んでいたのですが、建築物って図面を書く前に、ダイアグラムというものを記します。ダイアグラムは、さまざまな意図を図やグラフなどで表したもので、これを昔からしていたからこそ、図解というアイデアに行き着きました。だから、もともと使い慣れていた手法だったんです。あと、前職のカヤックで資料を作成する際に、一緒だったメンバーにすごい人がいて。長々とクドイ説明文付きの資料ではなく、図を交えて端的に伝わる資料をつくる同僚がいたんです。それもヒントになりましたね。
──現代人はせっかちになってしまって、ダラダラした長文に耐えられず、パッと見でわかる図解が求められているのかもしれませんね。
それはありますね。あと、これまでのキャリアで図解に関わってきた云々ではなく、そもそも具体的な事象を抽象化するというプロセスがすごい好きなんです。たとえば、100個の事象に対して、実はそれは10グループに分類できて、さらに2つのパターンに分かれるみたいな、構造化していく作業が好きなんです。一見こんがらがっているように見えて、実は整理してみるとこんなにスッキリしている。それが快感になるというか。思い出してみると、幼少期に折り紙が好きだったんですが、その中で一番好きだったのは、「ユニット折り紙」でした(笑)。簡単なパーツ(ユニット)をたくさんつくってつなげて、6面体や24面体、さらには100面体以上にもなるものをつくっていました。あと大学で建築設計するときも、フィボナッチ数列の三角形を用いて建築物の外形の構成もやっていました。完成物をみるとどんなルールでつくられたかわからないカオスなものですが、実は全部1つのルールや方程式でできているといったことに惹かれます。方程式オタク・構造オタクなのかもしれないですね(笑)。 ──「構造オタク」面白いですね(笑)。チャーリーさんの出生ですが、改めて過去から順を追ってお聞きしていきたいです。先述の通り大学では建築を専攻していたのですね?
東京理科大学の建築学科で学んでいました。主な研究内容は街づくりや都市計画で、建物そのものよりも、建築物が人にどのような影響を与えるのかに関心がありました。その話を研究室の教授に相談したら、千葉大の柘植喜治教授を紹介していただきました。また、それと同時期に、渋谷のQFRONTなどを手がけた浜野安宏さんの著書『建築プロデューサー』を読んで大変感銘を受けたんです。建築家だけでなく建築プロデューサーも街づくりに関わることができるんだと。そして、その浜野さんがプロデュースした福岡のキャナル・シティの主任デザイナーが奇しくも柘植先生だったんです。これに運命的なものを感じて、大学院は、千葉大学大学院の都市環境システムコースに進みました。
──そこからカヤックのようなWeb業界に進むのはレアすぎませんか?(笑) 卒業後の就職先の王道は、建築事務所やゼネコンですよね?
大学院の同期は大体、建設や都市設計に関わる会社に就職しましたね。なぜWebの世界に興味を持ったかというと、大学院の研究室で、産学連携で都市計画のプランを練るプロジェクトがありました。そこで考えたのが「iCity」。アップル社が都市計画を立てたらどうなっていくのかを研究したんです。、iPhoneからスタートし、どんどんプロダクトが大きくなると「iHouse」となり、最終的には「iCity」となり、街に情報技術が組み込まれていくだろうと考えました。このときITについて詳しく勉強したんです。
──そこでWeb・ITに興味を持ったんですね。
そうですね。もともとアルバイト先の建築事務所で正社員になると考えていたので、ろくに就職活動もしていませんでした。ちょうどそんなときにTwitterで、「自己PRも志望理由もいらない、卒業制作のみであなたを評価します」というカヤックの卒制採用という採用キャンペーンを見かけました。半信半疑でしたが、それに興味本位で応募してみたんです。そしたらそこで内定を貰って、それが卒業間際の3月30日。明後日には入社式だからと言われて(笑)。最初は遊びで受けてみたのですが、トントン拍子で話が進んだので、自分に合っているのかもしれないなと思い、結局入社しました。
──大学院進学も就職も、運命的なものを大事にしているんですね。
すごく直感で動くタイプで、これは運命かもしれないと思いがちなんです(笑)。起業のときも同じで、起業するぞ!といった感じではなく、共同創業者が4人集まって、自然の流れに身を任せていたらこうなった感じです。
自分の直感力を信じる
──先行きを見通して動かないと不安になってしまいそうですが。これだけ激しい変化が起きる時代で、先に何が起こるかわからない中で、あらゆることを想定しても不測の事態は起きます。だから先行きを見通しても無駄なんです。マイルストーンを置かなければ不安になってしまうのは、自分の直感を信じきれていない裏返しです。自分の直感力を信じていれば無計画でもなんとかなる。だから僕は自分の直感が冴えなくなる、直感が鈍るのが一番怖いんです。 ──直感力を研ぎ澄ませるにはどうしたらいいのでしょうか?
鈍る原因は自分に嘘をつくから。本当はこうやるべきと思っているのにやらないとか、誰かに言われて仕方なしにやるとか、自分の意に反して自分の心に嘘をつくことを繰り返すと、直感が正しいのかどうかもわからなくなってくる。だから、自分をピュアに、クリーンに保てるかが重要です。
──ではカヤックから独立して起業したのも、そういった面があるのでしょうか?
カヤックはクリエイティブの特性が強い会社だったので、クリエイティブを強みにするということは考えていました。ただ、そんなクリエイティブの力をどこに活かすべきか?と考えたときに、深刻になりやすい社会課題やソーシャルな領域こそクリエイティブで解決していくことが必要だと思い、株式会社そろそろを立ち上げました。実際に2014年以降、社会課題に向き合うNPOや企業のCSR部門のお手伝いをしていったのですが、活動する中で、ビジネスも大事だと気付いたんです。経済的合理性が成り立っていないと、どれだけ良いことをしていたとしても続けられない。それが2017年のことで、そこからソーシャル(S)とビジネス(B)とクリエイティブ(C)の掛け合わせを目指すようになりました。企業が、社会性、経済合理性、創造性の3つが成り立っている状態がもっとも企業価値を持続的に向上できる、という考え方です。3つの頭文字をとって、「SBCの三方良し」を会社のミッションとして掲げています。ただ、ビジネスについてはもともと専門性がうすかったため、勉強がてらビジネスモデルを図解してみようと思い立ったんです。 ──ここで「ビジネスモデル図解」に行き着くんですね。失礼ながら、チャーリーさんのセルフブランディングのためだと思っていました。
会社の課題ありきだったんです。だから実は、役員会で決裁を取っているんです。出版の話も、会社として意義あることだよねと承認を受けて進めています。
図解はクリエイティブとビジネスの架け橋になる
──そんな裏側が!(笑) ちなみにいろいろと出版の話が来ているとのことで世の中から大きな期待があるように伺えますが、改めて図解の意義などを教えてください。やっぱり、世の中に情報があふれかえっている中で、わかりやすい図解はとても重要なコンテンツであると思います。そして、図に落とし込んでいく作業は、情報を圧縮して、人に届けやすくするスキルとして、今後より求められていくと予想しています。一次情報ももちろん大事ですが、伝わりやすく加工した二次情報ももっと必要になっていくと思います。
──その中で、図解するためにはどんな力が必要なのでしょうか?
僕がよく言うのは、「抽象化する能力」です。抽象的に物事を捉える能力、言い換えると「構造化できる能力」です。図解に必要な行程は、情報の圧縮、つまりは引き算なんです。たとえば、情報が横一列に100個並んでいても重要度や優先度は伝わらない。その100個を10パターンに分けたり、10パターンのうち2パターンが重要みたいな整理をすると、判断がつきやすい。僕の考える図解の理想は「シンプルに伝えたいことを伝えるツール」なんです。
──取捨選択をして、物事をシンプルにしていく能力が今後クリエイターに求められるのですね。
その引き算の感覚は、すでにクリエイターは分かっていると思います。それよりも伝えたいのは、クリエイターがビジネスサイドまで考えを及ばせられるかです。クリエイティブとビジネスが共通言語を持って話すことができるか。その面で「ビジネスモデル図解」は両方の架け橋になれるポテンシャルがあると思っています。クリエイター側がビジネスに興味がなくて勉強するのもつらいけど、ビジネスって面白いかもと好奇心が湧くきっかけになりえると思っています。また逆もしかりで、ビジネス側の人にとっても遊びと見切られないギリギリの範囲を攻めているつもりです。このように両者の共通言語になり得るツールを開発していきたいですし、皆さんにも意識してほしいです。
──なるほど、昨今重要視されている「デザイン経営」にも通ずるお話ですね。クリエイティブとビジネスの垣根を超えていく。とても勉強になりました。ちなみに、書籍『ビジネスモデル2.0図鑑』は全文公開されているので、こちらも要チェックですね。本日はありがとうございました!