デザイナーから経営層へ。キャリアの不透明性がチャレンジになった フラクタ 執行役員 兼 One by One局 共同局長 狩野雄さん
ブランディングエージェンシー・フラクタで執行役員 兼 One by One局 共同局長を務める狩野雄(かりのたけし)さんは、デザインプロダクションでデザイナーとしてキャリアをスタートし、ディレクター、プランナーへとキャリアチェンジを重ねたご経歴の持ち主です。
現在、執行役員である狩野さんは「これまでの経験がすべて活きている」と話します。狩野さんにキャリアチェンジの極意を伺いました。
現在、執行役員である狩野さんは「これまでの経験がすべて活きている」と話します。狩野さんにキャリアチェンジの極意を伺いました。
──狩野さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
専門学校でデザインを学び、新卒で入社したのはブランディングに強いクリエイティブブティックで、そこで3年ほどデザイナーとして経験を積みました。その後、学生時代から憧れていたマス広告の仕事をしたいと思い、広告会社とのつながりが強いデザインプロダクションに転職しました。入社時はグラフィックデザイナーとして、セールスプロモーションツールや広告のデザインを担当。4年ほど勤める間にチームリーダーとなり、ディレクションも手がけました。また、親会社と一緒に取り組んでいた新規事業にデザイン担当として参加したこともあります。
──2015年にフラクタへ転職されていますが、理由はなんだったのでしょうか?
このとき、転職を考えた理由は2つありました。1つは、チームリーダーとして売り上げを管理する立場になり、オフライン広告の制作で利益率をさらに上げるのは難しいと感じたこと。これは業界や経済の潮流によるもので、会社として改善に取り組んではいたものの、なかなか成果が出づらい状況でした。
もう1つは、自分のキャリアステップの見通しが立ってしまったこと。この会社での主要な仕事はひと通り経験できたと感じていて、環境を変えて自分のイノベーションをしなければ、と思ったのです。言ってしまえば、飽き性なんですよね。 ──なぜフラクタを選んだのですか?
それも2つ理由があって、1つは企業から直接依頼がある案件が多い会社で働きたかったから。もう1つは、先が見えない面白さを感じたからです。
私が入社したときのフラクタはEC支援がメインの会社でした。私は海外ECサイトで買い物をするのが好きだったのですが、2015年の当時はオンラインで買い物をする体験自体が新鮮でしたし、海外のサイトはデザイナーの目で見ても魅力的でした。そのような、自分が面白みを感じる、新しい領域に踏み込めるのは大きなポイントでした。
さらに、いまだから言えるのですが、当時のフラクタは組織としてはまだまだこれからの段階でした。だから、面倒を見たくなったというか(笑)。面接で聞いた代表が描くビジョンは魅力的なものだったので、本当に実現できるのか確かめたかった気持ちもあります。先が見えないからこそ、どこまで行けるのかもわからない。その不透明性がよかったのかもしれません。
──フラクタにはデザイナーではなくディレクターとして入社していますが、キャリアチェンジへの戸惑いはありませんでしたか?
入社を決める直前は、眠れないくらい悩みました。ただ、2社目で経験したディレクションやマネジメントの仕事は自分に合いそうだと感じていたんです。私は狭く深く掘るよりも、いろいろなことに興味を持つ性格なので、そういうところもディレクターに向いていると思いました。デザインは探求していくと果てしない世界ですし、自分は広告賞を獲るようなデザイナーにはなれないという感覚があって……。ディレクターとしてデザインに触れていられるなら、自分で手を動かしてデザインができなくてもいいかな、と決心しました。
いま振り返れば、フラクタに入社してから仕事の面白さが加速した感覚があります。キャリアのターニングポイントになりました。
──入社後の仕事を教えてください。
当時のフラクタの仕事は、WebやECの制作が中心でした。私はディレクターとして常に数件のプロジェクトマネジメントを担当し、進行管理や品質管理をしていました。デザイナーやエンジニアなど、すべてのメンバーが能力を発揮できるように気を配りながらも、自分でも「もっとこうしたらいいんじゃない?」と提案するタイプでした。
──プランナーにキャリアチェンジされたのはいつですか?
4年ディレクターとして働いた後、1年ほど新規事業開発をしていました。代表と「フラクタでこんなサービスができたら面白い」と話しているうちに、その事業計画の立案を任せていただけることになったのです。
その後の2019年、会社がビジネスモデルの変換に乗り出しました。それまではWebサイトやECサイトのブランディング・制作を多くご依頼いただいていたのですが、その前段階である企業やブランドそのものの支援をメインの事業領域にしたい、という考えによるものです。現在提供している「One by One」などのフラクタオリジナルのブランディング支援サービスがつくられ、同時に部署もドラスティックに再編されました。
プランニング部門に配属されたのはこのときです。新規事業のプランニングをしてはいましたが、プランナーに異動したいという希望があったわけではなかったので、正直に言って驚きました。 ──会社が大きく変わるタイミングだったのですね。
私はプランニング部門のリーダーと、「One by One」という伴走型のブランディング支援サービスを担当するOne by One局の共同管理型の局長に就任しました。当時は部門もサービスも立ち上げ期ですから、自分たちがなにをどうするべきなのか、なにを求められているのかも手探りでした。一つひとつのプロジェクトで実証実験をするような感触でしたね。同時に社内で展開するフレームワークづくりを進めていきました。また、2名のチームとしてスタートしたので、並行して採用活動や新入社員の育成にも注力しました。
プランナーとして取り組んだ具体的な仕事を1つ挙げると、グリラスという、徳島大学の研究から始まったフードテックベンチャーの案件があります。この会社は2030年以降のたんぱく源供給の困難性を解決するために、食用コオロギを普及させるイノベーティブな事業をしています。私たちは、この会社の商品をマーケットに普及させるためのブランドづくりに参画しました。社会を変えていく事業ですから、簡単な仕事ではありませんが、グリラスさん側の熱意もすごくて。まさに毎日格闘するような状態で、非常にやりがいを感じましたね。一緒に走り続けて成長して、「生まれる!」というところに立ち会っている生々しさが面白い。
──そして2020年には、執行役員に就任されました。
執行役員への任命は、会社の舵取りに責任を持って取り組んでほしい、という意味だと受け取っています。それまでのフラクタでは、マネージャー層であっても、会社の経営よりも自分の統括する部門の監督・推進に目を向けていました。しかし会社の規模が大きくなるにつれて、社長・副社長だけでは目の届かない部分が出てきてしまいます。それを補完するために、局長クラスのメンバーが執行役員に任命されました。
執行役員として、フラクタをよりよい組織にするために、人材マネジメントに注力してきました。1年ほど経ちますが、難易度の高さを感じています。会社は社員が乗った大きな船のようなもので、一人で動かせるものではありません。事業という推進力を出すためには、部門のメンバー全員が納得して仕事に取り組む必要があります。そのためには組織のあり方から検討しなければいけないな、と考えているところです。
──狩野さんのように、今後デザイン領域以外にもキャリアを広げたいと思っている若手デザイナーに対してアドバイスをいただけますか。
まずは、いろいろな経験をして可能性を増やしたらいいと思います。私はインターネットで物を買うのが好きだったことがフラクタへの入社、ひいてはいまのキャリアにつながりました。なにがどこでデザインと化学反応を起こすのかはわからないので、自己投資として、いろんなものに触ったり、遊んだり、体験したりして、好きなものを増やしておくといいと思います。
もう1つは、デザインとなにかを戦略的に掛け合わせると、キャリアとしての成功確率は高くなると思います。その際、できるだけ遠いカテゴリーのものを掛け合わせられると、掛け算としては強くなります。色相環ってあるじゃないですか。例えばグラフィックデザインとWebデザインとか、近い領域でできることを増やしても、自分が出せる色の範囲は狭いままなんですよ。反対に、遠くの色を手に入れられると、その間のグラデーションが幅広く埋まる感覚があります。
デザインの反対の位置にあるのは、経営やマーケティングです。あまり好きじゃないデザイナーも多いですが……(笑)、経営サイドからすると、ビジネスを理解しているデザイナーは非常に話がしやすくてありがたいんです。デザイナーとして表現性を高めるのに加えて、そういうところを身につけられると頼りにされる場面が増えます。
──狩野さんは、デザインとなにを掛け算されたのですか?
私は明確に強い2つではありませんでしたが、そのぶんグラデーションをなるべく広くするようにしてきました。デザインからディレクションに広がって、新規事業に関わるなかでビジネスへの関心が強くなって、そのうえでマーケティングやエンジニアリングの理解が必要になったので、すごく勉強しました。その繰り返しです。
デザイナーからディレクターに転向したのは自分の意思でしたが、プランナーへの異動や執行役員就任は会社からの辞令だったので、キャリア形成には、偶発的な面もありました。会社やプロジェクトでの役割において必要な技術や知識は、その都度急ピッチで身につけてきましたし、同時に、自分に余裕があるときにはどんなことにも必ずチャレンジすることを自分に課していました。
いまの仕事、つまり執行役員として社会や市場の動向に合わせて、フラクタという会社の先行きを考えるのは、霧のかかった航路を進んでいるようなものです。先が見えないほうが、私はモチベーションが上がります。自分に合った環境に立てているのも、このようにできることの幅を広げてきたからだと思っています。
──最後に今後の展望や目標について教えていただけますか。
いまは、フラクタの目標が自分の目標とイコールになっています。いまのフラクタの目標は、日本の企業や事業が世界有数のブランドと言われるように、共に育むこと。サービスや技術が優れているのに、ブランド力に課題を抱えているために広く知られていない企業があります。もちろん主役はブランドなのですが、「日本を代表する」と言われるような強い光を放つブランドづくりにフラクタが関わっていきたい。それが実現できるよう、事業を育てることが私の目標です。
そのために、まずは私自身が日本以外の国から生まれ、世界で輝いているブランドや、ブランドに求められていることを知らなければならないと思っています。ブランドが海外進出するためには、拠点があればいいというものではありません。いまはオンラインで国も立場も問わずコミュニケーションが取れる世の中です。そういった、国境を超えたブランドづくりに関わっていけると面白いなと思っています。
──さらに自分の領域を広げようとされているのですね。不透明さに惹かれる狩野さんらしい目標だと感じました。本日はお話しいただき、ありがとうございました!
専門学校でデザインを学び、新卒で入社したのはブランディングに強いクリエイティブブティックで、そこで3年ほどデザイナーとして経験を積みました。その後、学生時代から憧れていたマス広告の仕事をしたいと思い、広告会社とのつながりが強いデザインプロダクションに転職しました。入社時はグラフィックデザイナーとして、セールスプロモーションツールや広告のデザインを担当。4年ほど勤める間にチームリーダーとなり、ディレクションも手がけました。また、親会社と一緒に取り組んでいた新規事業にデザイン担当として参加したこともあります。
──2015年にフラクタへ転職されていますが、理由はなんだったのでしょうか?
このとき、転職を考えた理由は2つありました。1つは、チームリーダーとして売り上げを管理する立場になり、オフライン広告の制作で利益率をさらに上げるのは難しいと感じたこと。これは業界や経済の潮流によるもので、会社として改善に取り組んではいたものの、なかなか成果が出づらい状況でした。
もう1つは、自分のキャリアステップの見通しが立ってしまったこと。この会社での主要な仕事はひと通り経験できたと感じていて、環境を変えて自分のイノベーションをしなければ、と思ったのです。言ってしまえば、飽き性なんですよね。 ──なぜフラクタを選んだのですか?
それも2つ理由があって、1つは企業から直接依頼がある案件が多い会社で働きたかったから。もう1つは、先が見えない面白さを感じたからです。
私が入社したときのフラクタはEC支援がメインの会社でした。私は海外ECサイトで買い物をするのが好きだったのですが、2015年の当時はオンラインで買い物をする体験自体が新鮮でしたし、海外のサイトはデザイナーの目で見ても魅力的でした。そのような、自分が面白みを感じる、新しい領域に踏み込めるのは大きなポイントでした。
さらに、いまだから言えるのですが、当時のフラクタは組織としてはまだまだこれからの段階でした。だから、面倒を見たくなったというか(笑)。面接で聞いた代表が描くビジョンは魅力的なものだったので、本当に実現できるのか確かめたかった気持ちもあります。先が見えないからこそ、どこまで行けるのかもわからない。その不透明性がよかったのかもしれません。
──フラクタにはデザイナーではなくディレクターとして入社していますが、キャリアチェンジへの戸惑いはありませんでしたか?
入社を決める直前は、眠れないくらい悩みました。ただ、2社目で経験したディレクションやマネジメントの仕事は自分に合いそうだと感じていたんです。私は狭く深く掘るよりも、いろいろなことに興味を持つ性格なので、そういうところもディレクターに向いていると思いました。デザインは探求していくと果てしない世界ですし、自分は広告賞を獲るようなデザイナーにはなれないという感覚があって……。ディレクターとしてデザインに触れていられるなら、自分で手を動かしてデザインができなくてもいいかな、と決心しました。
いま振り返れば、フラクタに入社してから仕事の面白さが加速した感覚があります。キャリアのターニングポイントになりました。
──入社後の仕事を教えてください。
当時のフラクタの仕事は、WebやECの制作が中心でした。私はディレクターとして常に数件のプロジェクトマネジメントを担当し、進行管理や品質管理をしていました。デザイナーやエンジニアなど、すべてのメンバーが能力を発揮できるように気を配りながらも、自分でも「もっとこうしたらいいんじゃない?」と提案するタイプでした。
──プランナーにキャリアチェンジされたのはいつですか?
4年ディレクターとして働いた後、1年ほど新規事業開発をしていました。代表と「フラクタでこんなサービスができたら面白い」と話しているうちに、その事業計画の立案を任せていただけることになったのです。
その後の2019年、会社がビジネスモデルの変換に乗り出しました。それまではWebサイトやECサイトのブランディング・制作を多くご依頼いただいていたのですが、その前段階である企業やブランドそのものの支援をメインの事業領域にしたい、という考えによるものです。現在提供している「One by One」などのフラクタオリジナルのブランディング支援サービスがつくられ、同時に部署もドラスティックに再編されました。
プランニング部門に配属されたのはこのときです。新規事業のプランニングをしてはいましたが、プランナーに異動したいという希望があったわけではなかったので、正直に言って驚きました。 ──会社が大きく変わるタイミングだったのですね。
私はプランニング部門のリーダーと、「One by One」という伴走型のブランディング支援サービスを担当するOne by One局の共同管理型の局長に就任しました。当時は部門もサービスも立ち上げ期ですから、自分たちがなにをどうするべきなのか、なにを求められているのかも手探りでした。一つひとつのプロジェクトで実証実験をするような感触でしたね。同時に社内で展開するフレームワークづくりを進めていきました。また、2名のチームとしてスタートしたので、並行して採用活動や新入社員の育成にも注力しました。
プランナーとして取り組んだ具体的な仕事を1つ挙げると、グリラスという、徳島大学の研究から始まったフードテックベンチャーの案件があります。この会社は2030年以降のたんぱく源供給の困難性を解決するために、食用コオロギを普及させるイノベーティブな事業をしています。私たちは、この会社の商品をマーケットに普及させるためのブランドづくりに参画しました。社会を変えていく事業ですから、簡単な仕事ではありませんが、グリラスさん側の熱意もすごくて。まさに毎日格闘するような状態で、非常にやりがいを感じましたね。一緒に走り続けて成長して、「生まれる!」というところに立ち会っている生々しさが面白い。
──そして2020年には、執行役員に就任されました。
執行役員への任命は、会社の舵取りに責任を持って取り組んでほしい、という意味だと受け取っています。それまでのフラクタでは、マネージャー層であっても、会社の経営よりも自分の統括する部門の監督・推進に目を向けていました。しかし会社の規模が大きくなるにつれて、社長・副社長だけでは目の届かない部分が出てきてしまいます。それを補完するために、局長クラスのメンバーが執行役員に任命されました。
執行役員として、フラクタをよりよい組織にするために、人材マネジメントに注力してきました。1年ほど経ちますが、難易度の高さを感じています。会社は社員が乗った大きな船のようなもので、一人で動かせるものではありません。事業という推進力を出すためには、部門のメンバー全員が納得して仕事に取り組む必要があります。そのためには組織のあり方から検討しなければいけないな、と考えているところです。
──狩野さんのように、今後デザイン領域以外にもキャリアを広げたいと思っている若手デザイナーに対してアドバイスをいただけますか。
まずは、いろいろな経験をして可能性を増やしたらいいと思います。私はインターネットで物を買うのが好きだったことがフラクタへの入社、ひいてはいまのキャリアにつながりました。なにがどこでデザインと化学反応を起こすのかはわからないので、自己投資として、いろんなものに触ったり、遊んだり、体験したりして、好きなものを増やしておくといいと思います。
もう1つは、デザインとなにかを戦略的に掛け合わせると、キャリアとしての成功確率は高くなると思います。その際、できるだけ遠いカテゴリーのものを掛け合わせられると、掛け算としては強くなります。色相環ってあるじゃないですか。例えばグラフィックデザインとWebデザインとか、近い領域でできることを増やしても、自分が出せる色の範囲は狭いままなんですよ。反対に、遠くの色を手に入れられると、その間のグラデーションが幅広く埋まる感覚があります。
デザインの反対の位置にあるのは、経営やマーケティングです。あまり好きじゃないデザイナーも多いですが……(笑)、経営サイドからすると、ビジネスを理解しているデザイナーは非常に話がしやすくてありがたいんです。デザイナーとして表現性を高めるのに加えて、そういうところを身につけられると頼りにされる場面が増えます。
──狩野さんは、デザインとなにを掛け算されたのですか?
私は明確に強い2つではありませんでしたが、そのぶんグラデーションをなるべく広くするようにしてきました。デザインからディレクションに広がって、新規事業に関わるなかでビジネスへの関心が強くなって、そのうえでマーケティングやエンジニアリングの理解が必要になったので、すごく勉強しました。その繰り返しです。
デザイナーからディレクターに転向したのは自分の意思でしたが、プランナーへの異動や執行役員就任は会社からの辞令だったので、キャリア形成には、偶発的な面もありました。会社やプロジェクトでの役割において必要な技術や知識は、その都度急ピッチで身につけてきましたし、同時に、自分に余裕があるときにはどんなことにも必ずチャレンジすることを自分に課していました。
いまの仕事、つまり執行役員として社会や市場の動向に合わせて、フラクタという会社の先行きを考えるのは、霧のかかった航路を進んでいるようなものです。先が見えないほうが、私はモチベーションが上がります。自分に合った環境に立てているのも、このようにできることの幅を広げてきたからだと思っています。
──最後に今後の展望や目標について教えていただけますか。
いまは、フラクタの目標が自分の目標とイコールになっています。いまのフラクタの目標は、日本の企業や事業が世界有数のブランドと言われるように、共に育むこと。サービスや技術が優れているのに、ブランド力に課題を抱えているために広く知られていない企業があります。もちろん主役はブランドなのですが、「日本を代表する」と言われるような強い光を放つブランドづくりにフラクタが関わっていきたい。それが実現できるよう、事業を育てることが私の目標です。
そのために、まずは私自身が日本以外の国から生まれ、世界で輝いているブランドや、ブランドに求められていることを知らなければならないと思っています。ブランドが海外進出するためには、拠点があればいいというものではありません。いまはオンラインで国も立場も問わずコミュニケーションが取れる世の中です。そういった、国境を超えたブランドづくりに関わっていけると面白いなと思っています。
──さらに自分の領域を広げようとされているのですね。不透明さに惹かれる狩野さんらしい目標だと感じました。本日はお話しいただき、ありがとうございました!