Vol.47 「次の真ん中はどこか」その想いで突き進み、アドパーソンから保険業界へ キャリアアップナビ
キャリアアップナビでは、マーケティングやクリエイティブ職のキャリアアップについて、毎月テーマをピックアップして解説します。今回は、イーデザイン損害保険でチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)を務める小野瀬学(おのせまなぶ)さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
──学生時代から広告業界を志望していたそうですね。
はい。加えて、広告の仕事に携わるからには、業界の“真ん中”で働きたいと博報堂を目指していたものの、当時はご縁に恵まれませんでした。それなら就職浪人とも考えたのですが、広告業界にいた先輩に「1年でも早く、経験を積んだ方がよい」と言われ、門を叩いたのがADEX日本経済広告社。最初の配属は営業局のメディア担当で、CM放送の日程表チェックや、掲載誌のお届けなどをこなす日々でした。
転機が訪れたのは2年目の頃。インタラクティブデザインのパイオニア、中村勇吾さんのWebサイトを見て衝撃を受けたのと、グーグルが日本に進出してきた時期が重なり「デジタルで世界が変わる」と直感。けれど、自分はデジタル広告に出稿しそうなクライアントを担当していませんでした。それなら開拓するしかないと、草創期だったリスティング広告やデジタル広告で新規の飛び込み営業をかけ、自分のやりたい仕事をつくりました。その領域をできるスタッフが少なかったのもあり、制作から運用まで全行程をひとりで手がけていました。
そういった仕事のつくり方に気付きはじめた社会人4年目、転職したのが東急エージェンシーでした。学生の頃から憧れていた会社でしたし、配属はメジャークライアント担当チーム。「すごいCMをつくれるかも!」と期待したのですが、やはりそういった案件は優秀な先輩方が担当(笑)。なかなか“真ん中”の仕事には携われなかった。そこで、当時大手の広告会社にはまだ端っこ的存在だったデジタルこそ、次の“真ん中”になることを確信していた僕は、デジタル広告に特化した営業に。それが社内で注目されデジタル局に異動。売るだけでない、メディアプランニングを仕事にしていきました。
ただそれも、最初はとても苦戦しました。大手広告主は通常、戦略からクリエイティブ、メディアまでをまとめて最大手の広告会社に委託していました。「メディアだけを東急エージェンシーに発注する」ことはほぼない中では、いかに他社にできない価値を提供するかが肝になります。そこで考えたのが、広告枠だけでなく、リンク先のコンテンツやクリエイティブもセットで、一連の「体験設計」として提案すること。これがまだ珍しかったデジタル軸のメディアとクリエイティブのハイブリッドスキルとして、自分の強みになっていきました。
──その後、博報堂に入社されました。
はい。とはいえ、またしても最初は順調ではなく、希望のデジタルクリエイティブ局には配属されませんでした。デジタル営業推進部という、デジタル全般を営業サポートする部署で、統計解析を駆使した高度なデジタルマーケティングと、一方で高純度なデジタルクリエイティブの両極端に触れる日々でした。
あまりの振れ幅に悩む毎日でしたが、それが強みを際立たせると信じた結果、入社4年目で念願のデジタルクリエイティブ局へ。そこでクリエイティブ×メディアという体験設計を提案し続けていたところ、入社から7年後、アクティベーションクリエイティブ局の部長兼CD(クリエイティブディレクター)に。いかにも僕のチームらしく、UXデザイナーやクリエイティブストラテジストなど型にはまらないタイプのクリエイターばかりでしたが、複雑化している課題に対して、多様なスキルの集団はとても強く、気付くと競合ピッチでは圧倒的な勝率のチームとなっていました。 ──なぜ広告業界から離れイーデザイン損保へ?
2021年に、博報堂グループ内3社の横断戦略組織HAKUHODODX_UNITEDのCDとして、企業のマーケティングDX推進に関わるように。「自社のDX実現で、社会や生活者にどのような存在意義を提供するのか」というパーパスに光が当たり始めた頃で、企業の想いを言葉やビジュアルでかたちにできる僕たちの提案はとても喜ばれました。ですが、パーパスは実体化してこそ意味がある、その実現まで関わりたいという気持ちが募っていきました。
そんなときに出会ったのが、イーデザイン損保でした。「保険事業を通じて自動車事故そのものをなくすのが私たちのミッション。そのためのパーパスをつくり直したい」という依頼。その想いを社長の桑原から聞き、真剣に議論を重ねる社員の姿を見て、「この人たちは本気で世界を変えようとしている」と感じると同時に、自分もそこに参加したいと思い、自分がイーデザイン損保で実現したいことを社長に直プレゼンし、そのまま入社しました。
入社後は便宜上、CCOと名乗っていますが、本当の僕の仕事は「Creative」だけじゃない。パーパスを実現するには、社員の意識と行動、つまり「Culture」と、共感してくれる社外のパートナーとつながる、「Connect」が不可欠だと思っています。この「3つのC」を通してパーパスを実現する。これが、いま僕が向き合う“真ん中”です。
はい。加えて、広告の仕事に携わるからには、業界の“真ん中”で働きたいと博報堂を目指していたものの、当時はご縁に恵まれませんでした。それなら就職浪人とも考えたのですが、広告業界にいた先輩に「1年でも早く、経験を積んだ方がよい」と言われ、門を叩いたのがADEX日本経済広告社。最初の配属は営業局のメディア担当で、CM放送の日程表チェックや、掲載誌のお届けなどをこなす日々でした。
転機が訪れたのは2年目の頃。インタラクティブデザインのパイオニア、中村勇吾さんのWebサイトを見て衝撃を受けたのと、グーグルが日本に進出してきた時期が重なり「デジタルで世界が変わる」と直感。けれど、自分はデジタル広告に出稿しそうなクライアントを担当していませんでした。それなら開拓するしかないと、草創期だったリスティング広告やデジタル広告で新規の飛び込み営業をかけ、自分のやりたい仕事をつくりました。その領域をできるスタッフが少なかったのもあり、制作から運用まで全行程をひとりで手がけていました。
──やりたい仕事を、自分でつくり、かたちにしていた。
そういった仕事のつくり方に気付きはじめた社会人4年目、転職したのが東急エージェンシーでした。学生の頃から憧れていた会社でしたし、配属はメジャークライアント担当チーム。「すごいCMをつくれるかも!」と期待したのですが、やはりそういった案件は優秀な先輩方が担当(笑)。なかなか“真ん中”の仕事には携われなかった。そこで、当時大手の広告会社にはまだ端っこ的存在だったデジタルこそ、次の“真ん中”になることを確信していた僕は、デジタル広告に特化した営業に。それが社内で注目されデジタル局に異動。売るだけでない、メディアプランニングを仕事にしていきました。
ただそれも、最初はとても苦戦しました。大手広告主は通常、戦略からクリエイティブ、メディアまでをまとめて最大手の広告会社に委託していました。「メディアだけを東急エージェンシーに発注する」ことはほぼない中では、いかに他社にできない価値を提供するかが肝になります。そこで考えたのが、広告枠だけでなく、リンク先のコンテンツやクリエイティブもセットで、一連の「体験設計」として提案すること。これがまだ珍しかったデジタル軸のメディアとクリエイティブのハイブリッドスキルとして、自分の強みになっていきました。
──その後、博報堂に入社されました。
はい。とはいえ、またしても最初は順調ではなく、希望のデジタルクリエイティブ局には配属されませんでした。デジタル営業推進部という、デジタル全般を営業サポートする部署で、統計解析を駆使した高度なデジタルマーケティングと、一方で高純度なデジタルクリエイティブの両極端に触れる日々でした。
あまりの振れ幅に悩む毎日でしたが、それが強みを際立たせると信じた結果、入社4年目で念願のデジタルクリエイティブ局へ。そこでクリエイティブ×メディアという体験設計を提案し続けていたところ、入社から7年後、アクティベーションクリエイティブ局の部長兼CD(クリエイティブディレクター)に。いかにも僕のチームらしく、UXデザイナーやクリエイティブストラテジストなど型にはまらないタイプのクリエイターばかりでしたが、複雑化している課題に対して、多様なスキルの集団はとても強く、気付くと競合ピッチでは圧倒的な勝率のチームとなっていました。 ──なぜ広告業界から離れイーデザイン損保へ?
2021年に、博報堂グループ内3社の横断戦略組織HAKUHODODX_UNITEDのCDとして、企業のマーケティングDX推進に関わるように。「自社のDX実現で、社会や生活者にどのような存在意義を提供するのか」というパーパスに光が当たり始めた頃で、企業の想いを言葉やビジュアルでかたちにできる僕たちの提案はとても喜ばれました。ですが、パーパスは実体化してこそ意味がある、その実現まで関わりたいという気持ちが募っていきました。
そんなときに出会ったのが、イーデザイン損保でした。「保険事業を通じて自動車事故そのものをなくすのが私たちのミッション。そのためのパーパスをつくり直したい」という依頼。その想いを社長の桑原から聞き、真剣に議論を重ねる社員の姿を見て、「この人たちは本気で世界を変えようとしている」と感じると同時に、自分もそこに参加したいと思い、自分がイーデザイン損保で実現したいことを社長に直プレゼンし、そのまま入社しました。
入社後は便宜上、CCOと名乗っていますが、本当の僕の仕事は「Creative」だけじゃない。パーパスを実現するには、社員の意識と行動、つまり「Culture」と、共感してくれる社外のパートナーとつながる、「Connect」が不可欠だと思っています。この「3つのC」を通してパーパスを実現する。これが、いま僕が向き合う“真ん中”です。