パッケージデザインアワード「Topawards Asia 2024」の受賞作品が、発表された。

「Topawards Asia」とは、2016年に誕生したアジア限定の招待制パッケージデザインアワード。一般的なエントリー型ではなく、招待制で集められたアジア各国のユニークなパッケージデザインを、世界的に活躍するデザイナー・クリエイターが審査。これからのパッケージデザインのクリエイティビティに貢献することを目指し、受賞作品は「Topawards Asia」のWebサイトやSNSで掲載・発信される。

2024年は12作品の受賞が発表され、うち日本企業は6作品が受賞をした。詳細は以下の通り。

「umami COLA」

クライアント:UMAMI COLA
デザイン会社:6D
クリエイティブディレクション:青栁寛之氏
アートディレクション:木住野彰悟氏
デザイン:是川優香氏
企画概要:UMAMI COLAは清涼飲料水に新たなカテゴリを創造することを目的に「ナチュラルドリンク」をキーワードにしてブランドイメージを築くことにしたものである。このUMAMI COLAの大きな特徴はその成分である。麹甘酒、350種類以上の成分、3種類のハーブ、必須アミノ酸含む全てのアミノ酸、そしてノンカフェイン。パッケージデザインはこれらの成分を主張しつつも、現代的な感性に落とし込むことを目指した。キーカラーのピンクはUMAMI COLAの複雑で独特な液色を表現している。また、上下反対に印刷されたデザインは、単に奇をてらったものではなく、成分が沈殿しているために飲む際には反対にするという機能性から生まれたものである。そして、冷蔵庫や部屋に置いてあっても、美しさを兼ね備えたデザインに昇華することも意識している。

「発酵のやさしさ、シリーズ」

クライアント:創健社
デザイン会社:STROKE
クリエイティブディレクション・アートディレクション:高木正人氏
デザイン:玉井貴大氏
企画概要:乳酸菌入りの発酵飲料「発酵のやさしさ、シリーズ(ザクロ・カシス・ショウガ)」のリニューアルパッケージ。シンプルな原材料や素材の良さやおいしさなど、商品の価値がパッケージから一層伝わるよう、ネーミング含めたリニューアルを実施した。メインターゲットは美容や健康への意識が高く仕事や育児などで忙しく過ごす20代から40代の女性。当商品の特徴である高い機能性を丁寧に伝えながらも、食卓に並べても華やかな、ギフトにも喜ばれるパッケージデザインを目指し、デザイントーンの検証を進めた。ガラス瓶とラベルサイズなどは前身を引き継ぎ、グラフィックのみ刷新。各素材をテキスタイル調で表現したデザインは、素直に中身を伝えながらも暮らしのシーンにも馴染むパッケージとし、ターゲットに響く「可愛らしさ」と「上質さ」を同居させたデザインに仕上げた。

「LORETTA AIMER」

クライアント:b-ex
デザイン会社:アンダーライングラフィック
クリエイティブディレクション:坂田泉氏
アートディレクション:石田清志氏
デザイン:佐々木晴美氏
ロゴデザイン:坪田理美氏
企画概要:LORETTA AIMERは“自分の「すき」を大事に、お気に入りの自分をみつけ、自分をもっとすきになることを応援する、あなたによりそうヘアコスメブランド”として誕生した。人それぞれ違う“すき”をさまざまな色合いを用いることで表現しながら、応援・よりそってくれる相棒のイメージをもとに、どこか人のようなイメージを感じさせるシルエットで制作。ひとつとして同じ見た目にならないようにすることで、個性の多様性を表現している。日常の中で使用するアイテムだからこそ、なるべく部屋の中に溶け込むことを意識しシンプルなデザインに仕上げた。ロゴデザインでは、LORETTA AIMERの頭文字であるL・Aを髪の毛をイメージした細いラインで組み合わせ、アイコニックに表現している。

「KURONEKO AN」

クライアント:長谷川僚氏
アートディレクション:高谷廉氏
デザイン:岡田友香梨氏、高谷廉氏
コピーライティング:岡田友香梨氏
写真:少路昌平氏
印刷:ショウエイ、啓文社
企画概要:蔵前にオープンした蕎麦店「黒猫庵」のCI。まず、そば打ちの三大要素である「そば粉」「打ち粉」「水」から着想を得てロゴタイプを制作した。そして、ロゴタイプを構成しているエレメントを34パーツに分解し、暖簾や紙袋や蕎麦のパッケージなどのアイテムに展開した。ロゴタイプのテクスチャーは、木版印刷で表現している。一つひとつのエレメントをレーザーカッターで切り出して版をつくり、刷っている。

「KOJI CLEAR」

クライアント:エス
クリエイティブディレクション:米澤香子氏
アートディレクション:岡村尚美氏
企画概要:ノンアルコール、オーガニック、ヴィーガンなど、美容、健康、環境への意識が高まる中、信頼できる原材料を使った、自然由来の甘さで、毎日手軽に飲めて元気にしてくれる、そんな飲み物が欲しいという思いから誕生したKOJI CLEAR。お米を使った新しい発酵飲料で、発酵飲料にもかかわらずそのクリアな見た目と飲み口が特徴。透明な飲み物であること、そしてお米でできた優しく爽やかな味を表現するため、丸みのある透明なボトルを採用し、また、瓶のボトルにすることでリサイクル可能にするなど、環境にも配慮されたパッケージに。裏面ラベルの記載要素は、白インクで印刷されたお米マークの上から印刷。正面から見た時にはKOJI CLEARの商品名とリキッド越しの白いお米マークだけが見えるようにすることで、テーブルに置かれた時にも商品の透明感が引き立つ美しい佇まいになるよう設計している。機能的にもとても優れた飲料でありながら、パッケージデザインでは機能訴求だけでなく、朝の爽やかな光の中、午後の陽気な団欒の中、夜の静かな寂寥の中、いかに日々の暮らしに調和できるか、生活の豊かさを彩れるかを意識した。

「しましまつみ木」

クライアント:緑川木材
デザイン会社:Hi! Design
アートディレクション・クリエイティブディレクション・デザイン:森田賢吾氏
コピーライティング:塩谷泉太氏
プロデューサー:北尾一真氏
企画概要:北海道の木材加工会社、緑川木材による木材LINA WOODを使用した「しましまつみ木」のパッケージデザイン。 つみ木に使われている層状の模様が美しいLINA WOODの特徴を活かすべく、ストライプを用いてシンプルで美しいパッケージデザインを目指した。つみ木には2種の北海道産の木を使用しており、木種による色の違いも商品の特徴となっている。パッケージではストライプ状にエンボス加工を施した後、部分的にシルク印刷でうっすらと白を刷ることでつみ木の色の差を表現している。