6月5日~7日に香港で開催された世界会議において、OOHの国際協会であるWorld Out of Home Organization(以下WOO)は「WOO Awards2024」の受賞作品を発表した。

個人賞
Lifetime Achievement:Bengt Bendeus氏(BackLite Media)
Leadership:Christian Schmalzl氏(Ströer SE Co & KGaA)
Rising Star:Laurie McAllister氏(Talon)

グランプリ各部門
Classic Creative部門:「Lux/Unilever Levant」(Pimo Group/Pikasso)
Digital Creative部門:「Best Coke Ever:The Giant Vending Machine」(Ocean Labs/WPP/Moving Images)
Technical Innovation部門:「話すビル」(LIVE BOARD)
Sustainability部門:「Ecobanner」(oOh!media)

LIVE BOARDによる「話すビル(英語作品名:Can you conversation with the memories of the city?)」は、2023年9月23日~11月5日に開催した「東京ビエンナーレ2023」で、東京ビエンナーレとLIVE BOARDのコラボにより行われたインタラクティブアートイベント。東京ビエンナーレのリンケージの一つである「Not Lost Tokyo」プロジェクトの一環として、東京の失われていく記憶や風景を、言葉、写真、3Dモデル、AIなどさまざまな方法で次の世代へつないでいくことを試みた企画である。

新宿長野屋ビルに設置されている屋外ビジョンLIVE BOARDのスクリーンに、そのビルの窓や壁が顔のように出現し、歩行者が路上に設置されたマイクで話しかけると、近辺の街の歴史などを語る。1915年から現存する長野屋ビルは、1923年の関東大震災、1940年代の大空襲を経験している。そこで、忘れられている東京の記憶をよみがえらせるべく、この老舗ビルをアート作品へと変貌させ、ビルに歴史を語ってもらうことを考えた。その歴史の記憶は、大規模言語モデルの中に眠っていると考え、「話すビル」の会話にはChatGPTを活用することを思案。屋外ビジョンが、建物そしてAIと一体化して人々と話すという試みとなっている。
「話すビル」
広告主:東京ビエンナーレ
広告会社:電通
クリエイティブ:ピラミッドフィルムクアドラ
媒体社:LIVE BOARD

また、審査員賞として、Eletromidiaによる「Guarded Bus Stop」が選ばれた。