AICAは、12月17日に開催した「AICA 2025 贈賞式」にて、初年度となるグランプリ作品およびAICA賞22作品を発表した。

「AI Creative Future Awards(AICA)」は、AICAが創設・主催し、テクノロジーとクリエイティブの関係を横断的に探求するクリエイター・研究者らを審査員として迎え、ジャンルを問わずAIによって新しい発想や社会的インパクトを生み出したプロジェクトを対象に審査を行った。「ゼロ期」にあたる今回は、AICA自ら世界中のAIクリエイティブをリサーチし、表現の未来を示唆する作品群を選出している。

グランプリには、タイの伝統舞踊の原理から導き出された計算モデルを活用し、人間のダンサーと仮想のパートナーを融合させる「ヒューマン-AI協働ダンス(Human-AI co-dancing)」を紹介するプロジェクトが選出された。

グランプリ作品およびAICA賞は以下の通り。

グランプリ

「Cyber Subin: Evolving Cultural Heritage through Human-AI Co-dancing」
Pichet Klunchun Dance Company、Cyborg Psychology research group at the MIT Media Lab

AICA賞

「Synthetic Memories」
Domestic Data Streamers
「Deviation Game」
木原共 、Playfool(ダニエル・コッペン、マルヤマサキ)
「九段理江に95%AIで小説書いてもらってみた。」
博報堂、quantum、オズマピーアール、米
「Neutone Morpho — Real-time AI Audio Plugin and Platform」
Nao Tokui and Andrew Fyfe
「The Great American Pastime」
Dan Moore
「Natural Intelligence」
Circus Grey
「那珂湊駅と話す2.0」
藤村憲之
「Studies for」
evala
「Spot-if-AI」
Qosmo
「『チーム安野』東京都知事選プロジェクト」
安野貴博+チーム安野
「『モンスターハンターワイルズ』筋肉シミュレーションの機械学習」
諸星岬、水谷朔也、高橋謙太、嶋田淑人、范姜凱、カンシン
「Unreal Pareidolia -shadows-」
Scott Allen
「おぼえたことばのえほん」
電通、ジンジャーデザインスタジオ
「Large Language Writer」
University Professor Anab Jain、Design Investigations Studio Team、University of Applied Arts Vienna
「AI Nüshu」
Yuqian Sun、Zhijun Panなど
「FANTOUCHIE: Generative Haptic AI」
Dentsu Lab Tokyo

「AI短歌プロジェクト」
朝日新聞社

「Total Pixel Space」
Jacob Adler
「PROMPT JOCKEYS - The Rise of DJing with a Neural Network」
dadabots (cj carr, zack zukowski)、zqevans、joan dark、lyra、encantiなど
「everies」
谷口恭介、衣袋宏輝、Saqoosha、松竹誠、伊藤太一、金山小桃、中仮屋紗織、関賢一
「Diffusion TV」
Sihwa Park
「KUNST KAPUTT」
Senaida Ng、Brian Ho

審査員コメント(議長:清水幹太氏)

第1回 AI Creative Future Awards(AICA)は、本格的な始動に先駆けたテストフライトとして、応募作品ではなく、世界中から贈賞対象となりうるプロジェクトのリサーチを行い、それに対して審査を行って贈賞する、いわば「勝手に表彰」形式で行われました。

多様な視点を持つ審査員による議論は、AIによる「制作の容易化」と「能力の拡張(イネーブラー)」の是非、学習データの権利問題など多岐にわたり、極めて質実剛健なものとなりました。その中で中核となった審査基準が、人間がいかに介入し活動を豊かにしているかという「コンヴィヴィアリティ」です。

AIがどれほど急激に進化しようとも、そのハンドルを握り続けるのは人間です。本アワードの結果は、私たちが「AIとどう過ごすのが心地よいか」という意思を込めた、2025年における「AIクリエイティブの地図」です。

是非、単なる「良かった・悪かった」的な評価だけではなく、2025年がAIクリエイティブの領域においてどういった時代だったのか、について結果を通して深めて頂くことができれば幸いです。