グラフィックデザインコンペティション「Graphis Design Awards 2025」の受賞者が発表された。

Graphis Design Awardsは、ニューヨークに拠点を置くGraphis社が主催し、世界中のデザイナーから数多くの作品が集まる国際的なコンペティションである。Graphis社は、1940年頃にスイス・チューリッヒで設立され、世界のグラフィックデザインの情報発信を多岐にわたって行っている会社である。

今回、日本からの応募作品は、最高賞であるPlatinumは逃したが、金賞を6作品が受賞した。各受賞作品の詳細は以下の通り。

「FUTURE」

部門:Poster,Print
制作会社:対馬デザイン事務所
クライアントおよびブランド:OSAKA POSTER FEST
デザイナー:対馬肇氏
作品概要:未来をテーマにした展覧会のポスター。この展覧会はバーチャル展覧会とリアル展覧会として開催され、リアル展覧会は2023年11月27日から12月1日まで大阪芸術大学ギャラリーで開催された。今後、宇宙探査、人工知能、バーチャルリアリティなどの最新技術が重要な要素となることを考え、制作された。多様性と包括性を反映し、さまざまな文化、人種、性別、能力などをイメージしたデザインとなっている。

「HUMAN SHADOW ETCHED IN STONE」

部門:Poster,Print
制作会社:対馬デザイン事務所
クライアントおよびブランド:日本グラフィックデザイナー協会広島
デザイナー:対馬肇氏
作品概要:広島で毎年開催される「ヒロシマ平和ポスター展」のポスター。「人影の石(Human Shadow Etched in Stone)」は、広島と長崎に投下された原爆の壊滅的な影響を象徴している。この影は、生存者の苦しみと犠牲の永遠の証となっている。原爆の恐ろしさを示すことで核軍縮の緊急性と核兵器廃絶の重要性を強調することを意図して、制作された。

「EAT DRINK SLEEP RUN / HEART Logo」

部門:Logo,Print
デザイナー:滝澤大地氏
アートディレクター:滝澤大地氏
クライアントおよびブランド:ラントリップ
作品概要:ラントリップは、ランニングルートの投稿やタイム計測、ランニング情報の共有など、ランニングを楽しくする総合サービス企業である。その中でも「EAT DRINK SLEEP RUN」をモチーフにしたTシャツが売れ筋商品だった。今回は、このTシャツのチャリティーバージョンのロゴデザインを制作。ランナーにとって「食べる、飲む、寝る、走る」は幸せのベースラインである。しかし、貧困層の子どもたちは、この「幸せのベースライン」を享受することが難しい。そこで、貧困層の子どもたちを支援する団体にTシャツの売上の一部を寄付するプロジェクトをスタートした。走ることから始まる、さまざまな幸せや愛の形を多面的な心で表現している。

「2024 CALENDAR FUSION Nature & Technology」

部門:Calendars,Print
制作会社:TOPPAN
クライアントおよびブランド:小森コーポレーション
デザイナー:青柳雅博氏(TOPPAN)
アートディレクター:青柳雅博氏(TOPPAN)
アーティスト:Josh Dykgraaf氏
プリントデザイナー:山口理一氏(TOPPAN)
作品概要:Josh Dykgraaf氏は、オーストラリア出身のフォトグラフィックイラストレーターで、シウダデラで撮影した写真を素材に、動物をモチーフとした精密なCG作品を制作している。彼の作品が今回のプロジェクトに選ばれた。高精細印刷を用いて繊細な表現がなされ、作品に合わせてグロス、エンボス、マットなど、さまざまなバーニッシュが施されている。ヘッダーはオフセット印刷の上にシルク印刷を施し、ロゴは蓄光印刷が使用されている。

「STOP WAR」

部門:Poster,Print
制作会社:対馬デザイン事務所
クライアントおよびブランド:Taiwan Poster Design Association
デザイナー:対馬肇氏
作品概要:Taiwan Poster Design Associationの年次展示会のポスターである。テーマは「STOP」で、私たちの生活様式や世界が直面しているさまざまな課題について考えるというものだった。デザインは、戦争の破壊的な現実を視覚的に訴えながら、平和と希望の大切さを伝えている。シンプルで力強いメッセージと印象的なビジュアルで、見る人の感情に訴えかけることを意図して、このポスターが、平和を選択する行動を起こすきっかけになればと制作された。

「2024 CALENDAR LIFE with LIGHTS」

部門:Calendars,Print
制作会社:TOPPAN
クライアントおよびブランド:パナソニック エレクトリックワークス社
デザイナー:小川正洋氏(TOPPAN)
アートディレクター:青柳雅博氏(TOPPAN)
フォトグラファー:丸田あつし氏
プリントデザイナー:長谷川太二郎氏(TOPPAN)
作品概要:夜景写真家・丸田あつし氏がこのカレンダーのために撮り下ろした世界各地の風景光写真で構成されたカレンダーである。歴史的建造物から現代建築、都市景観まで、造形的な変化と、光の色彩の印象をできるだけ意識してモチーフを選んでいる。表紙には写真部分の迫力を際立たせるためUVコーティングニスを使用し、上下の黒部分には建物の線画を施した。タイトル部分には銀箔押しでアクセントをつけている。