日本空間デザイン賞2024が「在る美」「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」「tobe」の3作品に決定
10月11日、大手町三井ホールにて「日本空間デザイン賞2024」の贈賞式・懇親パーティーが開催され、各受賞者が発表された。会場には受賞者・関係者など約400名が集い、KUKAN OF THE YEAR・金銀銅賞・審査員特別賞・Shortlist・サステナブル空間賞の受賞者へ表彰状やトロフィーが贈呈された。
日本空間デザイン賞は2019年に誕生した、DSAとJCDが共同主催する、日本で唯一かつ最大級の空間デザインアワードである。国内外の優秀なデザイナーや卓越したデザイン作品を発掘し、評価することを目的とし、日本から世界へ「空間デザインのちから」を発信している。
事前に行われた8月24日の3次・最終審査会では、金賞・銀賞・銅賞の合計38作品を選出し、金賞に選ばれた12作品の中から「在る美」「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」「tobe」の3作品を、今年度グランプリの「KUKAN OF THE YEAR 2024/日本経済新聞社賞」に決定した。
受賞作品の詳細は以下の通り。
写真クレジット:林雅之氏
審査員選評:NY4 代表取締役/東北大学特任教授(客員) 山本尚美氏
「単に日本の伝統工芸の美しさを再解釈・再構成するだけでなく、美の本質を追求する行為として捉えた。『神は細部に宿る』という言葉を思い起こさせ、竹骨や糸に込められた作者の想いが映し出されているようだ。完璧で完成された美ではなく、不完全さの中に美を見出そうとする姿勢が感じられる。ディテールにこだわりつつも、全体として一つの造形にまとめ上げている。静寂の中にも、詩を詠むかのような動きのある作品に仕上がっている。」
受賞者コメント:資生堂クリエイティブ 金内幸裕氏
「この度はKUKAN OF THE YEARという身に余る賞を頂き、誠にありがとうございます。今回のウィンドウディスプレイ『在る美』は和傘という伝統工芸に潜む、純粋で根源的な美を表現したいという想いでデザインを行いました。この取り組みを評価頂いた審査員の皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。これを励みに、これからも美の本質に触れるような仕事を手掛けていきたいと思います。」
写真クレジット:浜田昌樹氏
審査員選評:建築家/芦沢啓治建築設計事務所 主宰 芦沢啓治氏
「このスペースは、都市再生推進法人の前橋デザインコミッション(MDC)とデザイナーは理想を実現することの難しさから行政とタッグを組み、仕組みから作ることによってできあがった。できあがったその空間は、まるで昔からそうであったかのようにすでに定着している感があり、むしろなぜそれらができなかったのか、日本におけるアーバンデザインの問題が逆に浮き彫りにされるかのようである。日本において公共空間は、誰のためにあるべきなのかは実に曖昧である。多くの場合、公共空間を管理する人たちによって管理のしやすいものとなる。このプロジェクトにおいては、その管理においても官民で行うこととしている。また、改修や管理に関わるお金の多くが地元有志によって寄付されていることも特筆すべきことであろう。この意欲的なプロジェクトが地方都市における一つのモデルケースとなり新たなプロジェクトの呼び水になればと心から思う。」
受賞者コメント:ランドスケープ・プラス 平賀達也氏
「KUKAN OF THE YEARの受賞にあたり、日本空間デザイン関係者の皆さんには、私たちの作品を真正面から評価いただいたことに感謝申し上げます。民間団体で公共空間の工事と運営を行うという前例なきプロジェクトが評価されたことで、地方都市の再生に勇気と希望を与えることができた喜びを、プロジェクト関係者である前橋市、前橋デザインコミッション、オリエンタルコンサルタンツ、髙濱史子建築設計事務所、宮下工業の皆さんと共に分かち合いたいと思います。」
写真クレジット:TOREAL 藤井浩司氏
審査員選評:アーティスト 鈴木康弘氏
「一見すると煉瓦造りの美術館建築を思わせるような外観が目を引く。思わず触れてみたくなる煉瓦の質感、周囲や小道を圧迫しない細かな配慮が建物全体に優しさを感じさせる。小部屋ごとに空いた隙間や道に沿った壁面によって、風通しのよい柔らかな境界線を描き出している。差し込む光や通り掛かる人の気配を招き入れ、住宅とギャラリー、生活とアート、プライベートとパブリック、それらを分けることなく和えるような、感性による『しきり』の提案が成されている。この敷地でしか生まれ得ない空間が立ち現れていることを評価した。」
受賞者コメント:kufu 成田麻依氏
「この度は大変栄誉ある賞をいただきありがとうございます。光も景色も透す薄いカーテン一枚の距離感でのおばあちゃんとの生活、アートと共に生きる暮らし、地域との関わり方が、建築を通してたくさんの審査員の方々に伝わり、共感していただけてとても嬉しく思います。たくさんのご理解をいただけたお施主さまを始め、この作品に関わってくださった全ての方々に深く感謝しております。本当にありがとうございました。」
事前に行われた8月24日の3次・最終審査会では、金賞・銀賞・銅賞の合計38作品を選出し、金賞に選ばれた12作品の中から「在る美」「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」「tobe」の3作品を、今年度グランプリの「KUKAN OF THE YEAR 2024/日本経済新聞社賞」に決定した。
受賞作品の詳細は以下の通り。
「在る美」
受賞者:資生堂クリエイティブ 金内幸裕氏写真クレジット:林雅之氏
審査員選評:NY4 代表取締役/東北大学特任教授(客員) 山本尚美氏
「単に日本の伝統工芸の美しさを再解釈・再構成するだけでなく、美の本質を追求する行為として捉えた。『神は細部に宿る』という言葉を思い起こさせ、竹骨や糸に込められた作者の想いが映し出されているようだ。完璧で完成された美ではなく、不完全さの中に美を見出そうとする姿勢が感じられる。ディテールにこだわりつつも、全体として一つの造形にまとめ上げている。静寂の中にも、詩を詠むかのような動きのある作品に仕上がっている。」
受賞者コメント:資生堂クリエイティブ 金内幸裕氏
「この度はKUKAN OF THE YEARという身に余る賞を頂き、誠にありがとうございます。今回のウィンドウディスプレイ『在る美』は和傘という伝統工芸に潜む、純粋で根源的な美を表現したいという想いでデザインを行いました。この取り組みを評価頂いた審査員の皆様、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。これを励みに、これからも美の本質に触れるような仕事を手掛けていきたいと思います。」
「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」
受賞者:ランドスケープ・プラス 平賀達也氏写真クレジット:浜田昌樹氏
審査員選評:建築家/芦沢啓治建築設計事務所 主宰 芦沢啓治氏
「このスペースは、都市再生推進法人の前橋デザインコミッション(MDC)とデザイナーは理想を実現することの難しさから行政とタッグを組み、仕組みから作ることによってできあがった。できあがったその空間は、まるで昔からそうであったかのようにすでに定着している感があり、むしろなぜそれらができなかったのか、日本におけるアーバンデザインの問題が逆に浮き彫りにされるかのようである。日本において公共空間は、誰のためにあるべきなのかは実に曖昧である。多くの場合、公共空間を管理する人たちによって管理のしやすいものとなる。このプロジェクトにおいては、その管理においても官民で行うこととしている。また、改修や管理に関わるお金の多くが地元有志によって寄付されていることも特筆すべきことであろう。この意欲的なプロジェクトが地方都市における一つのモデルケースとなり新たなプロジェクトの呼び水になればと心から思う。」
受賞者コメント:ランドスケープ・プラス 平賀達也氏
「KUKAN OF THE YEARの受賞にあたり、日本空間デザイン関係者の皆さんには、私たちの作品を真正面から評価いただいたことに感謝申し上げます。民間団体で公共空間の工事と運営を行うという前例なきプロジェクトが評価されたことで、地方都市の再生に勇気と希望を与えることができた喜びを、プロジェクト関係者である前橋市、前橋デザインコミッション、オリエンタルコンサルタンツ、髙濱史子建築設計事務所、宮下工業の皆さんと共に分かち合いたいと思います。」
「tobe」
受賞者:kufu 成田和弘氏 + 成田麻依氏写真クレジット:TOREAL 藤井浩司氏
審査員選評:アーティスト 鈴木康弘氏
「一見すると煉瓦造りの美術館建築を思わせるような外観が目を引く。思わず触れてみたくなる煉瓦の質感、周囲や小道を圧迫しない細かな配慮が建物全体に優しさを感じさせる。小部屋ごとに空いた隙間や道に沿った壁面によって、風通しのよい柔らかな境界線を描き出している。差し込む光や通り掛かる人の気配を招き入れ、住宅とギャラリー、生活とアート、プライベートとパブリック、それらを分けることなく和えるような、感性による『しきり』の提案が成されている。この敷地でしか生まれ得ない空間が立ち現れていることを評価した。」
受賞者コメント:kufu 成田麻依氏
「この度は大変栄誉ある賞をいただきありがとうございます。光も景色も透す薄いカーテン一枚の距離感でのおばあちゃんとの生活、アートと共に生きる暮らし、地域との関わり方が、建築を通してたくさんの審査員の方々に伝わり、共感していただけてとても嬉しく思います。たくさんのご理解をいただけたお施主さまを始め、この作品に関わってくださった全ての方々に深く感謝しております。本当にありがとうございました。」