博報堂と落合陽一が率いるピクシーダストテクノロジーズが共同開発した、聴覚障害の有無に関わらず音楽を楽しむことを目的に開発された球体型デバイス「SOUND HUG(サウンドハグ)」の法人向け有償レンタルサービスが開始された。
博報堂が企画、ピクシーダストテクノロジーズが技術提供した「SOUND HUG」は、抱きかかえることで、音楽を視覚(光)と触覚(振動)で楽しむことができる音楽装置。楽曲全体や特定の楽器の音をミックスして球体内の振動スピーカーで再生することで、音楽を振動として感じることができる。また、音程に合わせて球体が発光(低音だと青く、高音だと赤く光るなど)する仕組みになっており、振動だけでは伝わりづらい曲の旋律を視覚で感じることもできる。使用する企業・自治体・団体などの要望や課題によって、発光色等のカスタマイズが可能で、使用する数量や、会場の雰囲気に合わせた発光パターンの調整などについても相談ができ、利用時には専門オペレーターが現地で調整を行う予定だ。

今回のレンタルサービス開始にあたって、筑波大学・筑波技術大学・筑波大学附属聴覚特別支援学校をはじめとする、聴覚障害がある方々にプロトタイプを体験してもらい、フィードバックを元に改良。ハードウェア実装を全体的に見直し、安定性を向上させ、あらゆるジャンルの音楽に対応できるように改良された。

またサービス開始に伴い、ピクシーダストテクノロジーズ代表の落合陽一氏は「今までに音楽の聞き方を多様にするための試みは広くなされてきました。今回の『抱く音楽体験のためのデバイス』という提案により、これまでにない新しい音との関わりが生まれる」と語る。

また、先行して2018年に「SOUND HUG」を活用した「耳で聴かない音楽会(公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団)」などの音楽イベントを実施し、好評を博した。今後も、音楽の楽しさをあらゆる人に届けるべく、さらなる改良を加えていく予定だ。