ダイキン工業は、社内外の技術と知恵を融合するオープンイノベーションの取り組みを加速している。

世界のスタートアップ企業を対象に5年間で110億円の出資

今回、世界のスタートアップ企業を対象に、2024年までの5年間で110億円の出資枠を新たに設定した。また、スタートアップ企業との協業を推進する組織「テクノロジー・イノベーションセンター CVC室」を設立する。

同社は、グローバルに広がる事業基盤を活用し、米・シリコンバレーや中国・深センなどにおいて、現地のスタートアップ企業との協業に取り組んでいる。国内においても東京大学との産学協創協定にもとづいて、東京大学関連スタートアップ企業と連携するなど、協業を進めている。

今回の出資枠の設定により、各部門が従来以上にすばやく意思決定し、スタートアップ企業に対して機動的に出資することが可能となる。先端技術や斬新な発想力、チャレンジ精神を持ち、スピード経営を実践する世界中のスタートアップ企業との協業により、迅速に仮説を検証し、新たな製品やサービス、ビジネスモデルの創出を目指す。

ユーザー参加型のイノベーション・プラットフォーム開設

また、ユーザーから得た意見をもとに商品を開発し、直接販売するオンラインプラットフォーム「DAIKIN LAUNCH X」を11月1日に開設。

人々の暮らしや働き方が多様化する中、空調に求められる役割はこれまで以上に広がり、ユーザーの声を的確に把握して商品やサービスにすばやく反映させることが重要になってきている。

「DAIKIN LAUNCH X」は、開発中のものを含む商品情報を公開し、集まったユーザーの評価や意見にもとづいて商品の発売の是非や仕様を決定し、Webを通じてユーザーへの直接販売を行う。商品によってはクラウドファンディングも活用し、支援者を募ってから生産を開始する。この取り組みを通じて、ユーザーのニーズに寄り添った商品を開発し、用途や使われ方の変化に合わせてさらに改良していく「アジャイル型商品開発」の加速を目指している。
AI・IoTなどデジタル技術の革新によって産業構造が大きく急速に変化する中、さらなる成長を果たすためには、技術開発・商品開発の加速、事業構造の転換、新たなビジネスモデルの創出が不可欠。同社は、自前で開発して独自性を追求すべき分野を見極めたうえで、外部の技術や知見を積極的に取り入れながら新たな価値を創出する、社外との「協創」に取り組んでいる。今後も新たな外部パートナーとの強固な関係を構築するため、本出資枠を活用しながら、オープンイノベーションの取り組みを加速する。

また、「DAIKIN LAUNCH X」では「空気の新たな価値の創造」を目指し、同社にはない技術や知見を持つ異業種企業との協創を通じて、ユーザー一人ひとりの理想の空間を実現する商品を提供していく。