電通は、テレビ番組やテレビCMの情報に接触したと推定される人々に対して、視聴後最速30分で手元のスマートフォンに、視聴した情報に関連したデジタル広告を配信させる技術を開発し、ソリューション「Celer STADIA(セラ・スタジア)」として提供を開始した。

従来、テレビ番組・CMの情報に基づく即時のデジタル広告配信は、テレビで表示されるタイミングに合わせてスマートフォン等にデジタル広告を表示させることに留まっており、視聴した"人"を推定して、実際にその"人"にデジタル広告を接触させるには、早くても視聴してから数日を要していた。

今回、オフラインとオンラインの統合マーケティング基盤「STADIA」において、高頻度で収集した視聴データを高速分散解析する「Celerエンジン」によって、実際に視聴した"人"(推定)に、最速30分後にデジタル広告の配信が可能となった。

結果として、視聴者は、テレビ番組・CMで目にした特定の商品や店舗の情報に関心が高くなっている状態のまま、検索の手間無く再びその情報に触れることになる。広告主としてはより高い広告効果を期待できるようになる。
なお、このCelerエンジンは、電通が開発したテレビとスマートフォンのクロスデバイスの情報紐付け技術を用いてデジタル広告の出稿可能規模を拡張し、電通が開発した高速分散解析の仕組みと広告プラットフォームが保有するリアルタイム配信基盤とを連携させることで実現。

同社は2018年5月に、テレビ番組・CMの放送内容にデジタル広告をリアルタイム連動させる広告入札・配信管理システム「STADIA Live」を提供開始している。「STADIA Live」は放送直後を狙い広くリーチさせることが可能な一方、「Celer STADIA」は、実際に放送内容を視聴した"人"を推定することで、個別にターゲティングして配信することができる。

同社は今後も、テレビとデジタルの相乗効果を高めるために、リアルタイム性を追求し、データや技術の開発や協業を進めていく。