富山県上市町は、コロナ禍におけるお盆の帰省に対し、オンラインコミュニケーションツールを用いた「オンライン帰省」という選択肢を出身者や町民に提案する動画を制作。8月5日より公開した。
今回の動画は、今年の帰省を迷っている出身者に、実際に上市町に住む家族や友人にオンライン帰省を体験してもらい、その様子をドキュメンタリーとしてまとめている。上市町の出身者コミュニティ「上市町首都圏同窓会」が、出身者と町民の合同制作チームを立ち上げ、企画・制作した。

「上市町首都圏同窓会」では2019年9月から交流会の開催などを通して、出身者同士、出身者と町民がつながりを深めてきた。新型コロナウイルスの影響で、今年の帰省の断念を余儀なくされた出身者が多くいる状況を受け、出身者側から上市町に提案をし、今回の動画制作に至った。この動画には、帰省することはできなくともつながりは絶やさないようにしたいという出身者の思いが込められている。

打ち合わせはほぼすべてをオンライン上で行い、上市町での撮影を町民が、首都圏での撮影を出身者がそれぞれ担当。制作メンバーからは、「オンラインでつながることで物理的な距離を越えてコミュニケーションができる」「これまで関わることのなかった町民、出身者と一緒に何かやれるのが楽しい」「リモートでも創作物をつくることができるという実感が湧いた」という声があがった。
オンラインでの制作打ち合わせ風景
オンラインでの制作打ち合わせ風景
撮影風景
撮影風景
また、上市町では、高齢化の進む中、LINEやZoomといったオンラインコミュニケーションツールの利用を定着できるように、ツールの使用方法などをわかりやすく案内する取り組みも行っている。今回、出身者と町民が共同で、広報誌やポスターの制作を行った。
広報誌/ポスター
広報誌/ポスター
上市町は、今回の動画を通して、オンライン帰省という選択肢を町民と出身者に認知・理解してもらい、安全かつ心温まるお盆を過ごしてもらうこと、そして今後、町民と出身者がより気軽に交流を深められるようになることに期待している。上市町では、今後も町民と出身者の交流や共同プロジェクトをオンラインも活用しながら推進していく予定だ。