奈良県最古・泊まれる醤油蔵「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」開業
1689年に創業した奈良県最古の醤油蔵元・マルトが、醤油蔵を改修した古民家ホテル「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」を8月29日に開業する。
マルト醤油は70年前に一度閉業しているが、蔵には古文書、醸造場や居住棟、道具類が当時のまま残されている。18代目当主・木村浩幸氏が伝統の古文書を読み解き、製法を探り続けるうち、70年ぶりに蔵付き菌が生き続けていたことを発見し、今回の開業に至った。現在も醤油は醸造を続けており、2022年の発売を目指している。
屋敷全体は、奈良固有の名残りを残した造りとなっており、当時この蔵に住み込みで働いていた蔵人たちの生活を至るところで感じることができる。全7室の客室は、かつての醤油蔵元の使われ方に着想を得た家具や装飾を施され、古文書が保管されていた部屋は「府庫」、原材料を貯蔵していた蔵は「糀」「碓」など、部屋名にも醤油づくりや蔵の歴史に因んだ名称が採用された。
また同ホテルは、奈良県・田原本町では初の宿泊施設となる。重要文化財や遺跡、神社仏閣が多く存在し、醸造文化発祥の地・農業・食文化の原点でもある田原本において、地域の魅力を高め、さまざまな人により愉しんでもらえる拠点の一つを目指すとのことだ。
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