金沢工業大学 情報フロンティア学部メディア情報学科 出原研究室は、金沢駅もてなしドーム「鼓門」で行われるプロジェクションマッピングをメインイベントとした「KANAZAWA TSUKIMI GATE 2020」を開催する。10月31日と11月1日の19時から、「バーチャルSNS cluster」上で学生が製作したバーチャル空間にて実施予定。
出原研究室では、金沢市の夜のにぎわい創出事業として、金沢駅もてなしドーム「鼓門」において感動を創出するプロジェクションマッピングやインタラクティブメディアを開発し、実証実験を行ってきた。2013年度から2018年度までの6年間に渡る継続的な取り組みの成果から、同研究室のイベントは金沢の秋の催しとして定着しつつある。今回、ウィズコロナの状況において、バーチャルSNS・cluster上にてイベントを開催する。clusterは、スマートフォンやPC、VR機器などさまざまな環境からバーチャル空間に集ってイベントを開催したり参加したりすることができるバーチャルSNS。2020年、リアルな金沢駅からバーチャルの金沢駅へと空間を超えて、新しい形の「KANAZAWA TSUKIMI GATE」 を開催する。

金沢には伝統的な景観が残っており、夜間にはライトアップされているスポットが数多くある。出原研究室では、浅野川の梅ノ橋から茶屋街として有名な主計町周辺をVRで再現。日中とは違う風情ある夜の灯りを楽しみながらそぞろ歩き、金沢の伝統や文化を味わえる体験を提供する。イベントのクライマックスには、VR金沢駅「鼓門」にてプロジェクションマッピング「KANAZAWA TSUKIMI GATE 2020」を行う。

■浅野川にて燈ろう流しイベントin VR
金沢では毎年6月頃に「加賀友禅燈ろう流し」が行われていたが、2018年に発生した火災以降2019年、2020年と中止になっている。44年続いた燈ろう流しが終了してしまい、惜しむ声が多くあったことを受け、出原研究室では、現実では体験できなくなってしまった燈ろう流しをVRで復活させようと今回のイベントを企画。VRでは、実際に燈ろうをつかみ、川へ流すことができる。また、燈ろう流しは夕暮れ時の茜色の美しい空から次第に暗くなっていく時間帯に開催するため、水面に反射する光や川下へとゆったり流れる燈ろうを川岸や風情のある家屋から眺め、VR内の時間経過も楽しめる。
■金沢夜の町巡りガイドツアー
浅野川のある主計町では、風情のある家屋やあかり坂、暗がり坂といった隠れた名所がいくつもある。そこで、「金沢夜の町巡りガイドツアー」と題し、VR主計町の観光スポットを学生たちが実際に観光ボランティアガイド「まいどさん」に聞いたエピソードを交えながらガイドツアーを行う。

また、新型コロナウイルスの影響で中止になったちょうちん行列にも参加することができる。ちょうちんを手にツアーへ参加したり自由に町をめぐったりしながら、プロジェクションマッピングの会場金沢駅「鼓門」前へ向かう。

■金沢駅 鼓門 VRプロジェクションマッピング
イベントのクライマックスとして金沢駅「鼓門」にてプロジェクションマッピングを行う。「金沢の四季」をテーマとした映像を「鼓門」に投影。映像の内容に合わせて実際にVR空間上に桜を降らせたり、花火を打ち上げるなどVRならではの演出も行う。
なお、全体設計や手法、環境などイベントの内容については、イベントプロモーションや展示会などをグローバルに手掛ける博展のクリエイティブチームと連携。

出原研究室では、VR空間でしか体験できない価値ある体験をつくり出し、今回のイベントの体験を通じて、コロナ終息後に実際の金沢の夜の街へ足を運びたいと感じてもらいたいと考えている。