日中間のクロスボーダービジネスを行うクロスシーは、ByteDanceが中国において提供するショートムービーアプリ「抖音(ドウイン)」において、公式アカウントの開設、運営及び広告配信サービスの提供を開始した。これまで、同アプリ内での公式アカウントの開設は中国国内に拠点を持つ法人にのみ限定されていたが、これにより中国に法人を持たない日本企業でも開設、運営することが可能となる。

「抖音(ドウイン)」は、日本では「TikTok」として2018年夏にリリースされたショートムービーアプリで、中国でも世代を問わず広く使われている。「いいね」などの行動履歴に基づいた「おすすめ動画」の自動表示や、ハッシュタグで関連性の高い動画が検索できるなど、閲覧数を伸ばすための仕組みが整備されている。ユーザーの利用意欲を高めることで、アプリは広く普及した。こうした状況を受け、中国国内では多くの企業が「抖音(ドウイン)」内に公式アカウントを開設。クリエイティブなCMやキャンペーン動画を配信する等、消費者との積極的なコミュニケーションが取られるようになっている。

同社は、その日本企業初の公式アカウントとして、2019年2月より大丸松坂屋百貨店のアカウントを開設、運営をスタートした。施設内のおすすめスポットやSNS映えする商品を紹介する動画を配信していくほか、ハッシュタグを用いた口コミ拡散や「おすすめ動画」への出稿なども実施するとしている。これにより、インバウンドに取り組む日本企業と、中国のユーザーが、動画を通してダイレクトに交流することが可能となる。同社は今後も日本企業の公式アカウント開設、運営、広告サービスを提供していくことで、企業のブランディング活動や販売促進活動へのサポートを進めていくと述べた。