成長産業支援事業を推進するフォースタートアップスは、国内スタートアップ動向に関する調査を実施し、2021年1月4日時点での国内スタートアップ想定時価総額ランキングを発表した。

自動運転技術や宅配ロボットを開発するZMPが新規ランクイン

2021年1月の想定時価総額ランキングでは、物流支援ロボット「CarriRo」や自動運転技術開発用プラットフォーム「RoboCar」シリーズなどを提供するZMPが新規ランクインを果たした。また、スマートニュースが新たに新株予約権を発行したことにより、想定時価総額を1,237億円から1,242億円に伸ばし、唯一のランクアップ、3位に浮上している。

ZMPは、世界15カ国から集まった優秀な人材が活躍するスタートアップ。物流支援ロボット「CarriRo」や自動運転車両プラットフォーム「RoboCar」シリーズ、ステレオカメラ「RoboVision」シリーズの提供ほか、画像認識技術の開発、建設、農業、ドローンなどの分野で事業を展開している。

Spiberが”事業価値証券化”によって250億円の大型調達を実施

TOP20企業の累計調達金額を見ると、大きな変化がみられたのは、Spiber。同社は、独自の微生物発酵(ブリューイング)プロセスによりつくられる構造タンパク質素材「Brewed Protein」を開発している。医療用材料や樹脂材料、次世代軽量複合材料への添加剤など、さまざまな用途で使用することができ、主原料が石油ではないことからマイクロプラスチックを生み出すこともないため、従来の素材よりも海洋汚染への影響が少ない点にも注目が集まっている。

Spiberは、2020年12月30日に三菱UFJモルガン・スタンレー証券をアレンジャーとして事業価値証券化による総額250億円の資金調達を実施を発表。調達した資金は、米国の穀物プロセッサー大手・ADMと共同で推進する「Brewed Protein」の米国での量産体制構築および、新素材の研究開発などに充当する方針だ。事業価値証券化は、幅広いクレジット投資家が参加可能。⼀般的な株式を通じた資金調達手法に加え、先進的な技術や知的財産に基づく研究開発や事業を推進するスタートアップの大規模調達における選択肢を広げることも期待されている。

カテゴリー別では、環境・エネルギー、自動車領域がトップ

カテゴリー別に見ると、環境・エネルギーと自動車領域が4社と最も多く、次いで金融領域が3社と続いている。自動車領域は、ZMPが新規ランクインしたことにより、以前までトップだった金融領域を抜いてトップとなった。