富山県美術館に新レストラン「BiBiBi & JURULi -ビビビとジュルリ-」が誕生する。アートで感性を「ビビビ」と刺激したり、イートで食欲を「ジュルリ」と刺激したりする場を目指し、4月10日にオープンする予定だ。
ビビビとジュルリは、株式会社富山とイートが手がける「アートとイート」をテーマとした新レストラン。富山県美術館所蔵のカンディンスキーやウォーホル、ポロックの作品にインスパイアされたメニューや、屋上庭園の「オノマトペの屋上」にインスパイアされたデザートなど、メニューにも「アートとイート」を体現。ただおいしいだけでなく、アートを感じ、学べるメニューが充実している。

食材や食器は、富山県産にとことんこだわっている。富山市が特産化を目指す「えごま」を使用した野菜ソムリエ・田中美弥氏監修のオリジナルドレッシングや、氷見の名産「糠いわし」など、富山の全15市町村の生産者たちとのネットワークを築き、海産物、肉、野菜など富山の旬の食材をふんだんに使ったメニューを提供する。富山が誇るおいしいお米は、さまざまな品種のものを定期的に入れ替えて提供予定。少し形が悪いだけで出荷ができない規格外野菜も使用し、富山の農家や生産者と協力し、エコシステムの構築やフードロスの問題にも取り組んでいく。

食器は、漆器やユニークな木のプレート、アルミ鋳物の器、ガラスや陶器の食器、セメント製のプレートなど、富山の職人やメーカーに依頼し、オリジナル製品を開発した。
左上:白い四角いアルミ鋳物の器(砺波商店)/右上:丸い木のプレート(駒井漆器製作所)<br />
左下:多面体の木の鍋敷き (中嶋工芸社)/右下:多面体のセメントのプレート (鳥居セメント工業)
左上:白い四角いアルミ鋳物の器(砺波商店)/右上:丸い木のプレート(駒井漆器製作所)
左下:多面体の木の鍋敷き (中嶋工芸社)/右下:多面体のセメントのプレート (鳥居セメント工業)
また、空間づくりにもこだわっており、南側の一面大ガラスから望む壮大な立山連峰も、ビビビとジュルリの見どころの1つ。アートとイートを堪能しながら、親子でゆっくりくつろげる場を目指し、白を基調とした開放的な空間となっている。レストラン内には、安野谷昌穂氏による28点のペインティングおよびモビール型の立体作品が展示されており、カラフルなアート作品が店内を彩っている。
富山とイートは、冠婚葬祭を手掛けるオークスと、富山まちづくり会社・TOYAMATOによる合同の新会社。オークスの持つ飲食業の運営のノウハウと、TOYAMATOが持つ企画力・発信力をマッチさせ、イート(食)という切り口で富山に新しいワクワクを生み出していくことをミッションとしている。

今回のレストランオープンにあたり、クリエイティブ領域はTOYAMATOのクリエイティブチームが一手に担った。電通のクリエイティブディレクター・田中元氏をはじめ、コピーライター、デザイナー、PRディレクター、プロデューサーからなる同チームが、レストランのコンセプトやネーミング、キャラクターやメニュー・食器の開発などを手がけた。また、今回のビビビとジュルリでは、メニュー開発に精通したフードディレクターや、内装の設計・施工、カメラマン、印刷会社など各方面のプロフェッショナルたちもチームに加わった。

おいしくてしかも面白ければ、利用客自ら発信したくなったり、メディアで取り上げてもらえたり、情報は自然に拡散されていくという思いのもと、富山とイートは、ビビビとジュルリという新レストランを、料理がうまい!企画がうまい!発信がうまい!「飲食できるメディア」へと成長させていくことを目指す。5月以降は、4月から始まる常設メニューに加え、富山県美術館の企画展に合わせた企画展コラボレーションメニュー、キッズ向けのイベント等を随時開催予定。今後も、感性と食欲を刺激するようなメニューや企画を提供していく。

スタッフリスト

クリエイティブディレクター:田中元(電通)
コピーライター:小林幹(電通西日本)
デザイナー:福井直信(スミス)
プロデューサー:嶋瀬徹(ルート)、黒木梨花(ツゲプロ)
フードディレクター/プランナー:田中真紀子
カメラマン:池田紀幸(OHAKO STUDIO)
内装設計:幡中仁(eleven 一級建築士事務所)
内装監修:清水友和(タカオカ)
施工:株式会社GOOGIE
映像・音響設備:株式会社はい!
印刷:山田写真製版所