福岡コピーライターズクラブ(FCC)は4月10日、FCC賞2020のオンライン受賞作発表会を開催した。今回の審査方針は「一撃。」。生活者の心を撃ち抜き、クライアントのビジネスの軌道を変え、表現の新しい扉を突き破るような、強いコピーを軸に審査が行われた。なお、今回の対象は、2020年1月1日から2021年1月31日までに掲載ならびに放送された広告作品。ムービー124点、グラフィック127点、ラジオCM50点、デジタル16点、混合部門25点の計342点が集まった。

最高賞に選ばれたのは、電通九州・左俊幸氏が手掛けた別府市の動画「別府温泉おもてなし再開」。この動画は、別府市が2020年秋・冬の温泉観光を促進するために展開したキャンペーンの一環で企画された。観光の街として知られ、働く人の9割近くがサービス業に従事する同市では、新型コロナウイルス感染症により経済に大きな打撃を受けていた。そんななか、「来てくれとは言えないけどお客様を待っています」という複雑な思いを訴え、おもてなしの気持ちを伝えるために、12の主要観光施設スタッフや市長が出演する全16タイプの動画が制作された。

また、今回より新たに創設された視聴者賞は、50人の投票のうち得票率30%を得て、BBDO J WEST 古屋彰一氏によるフンドーキンの動画「味は時間で、できている」シリーズが受賞した。

最高賞、視聴者賞および審査員特別賞9作品は以下の通り。

FCC最高賞

別府市「別府温泉おもてなし再開」(ムービー部門)
電通九州/左俊幸

視聴者賞

フンドーキン「味は時間で、できている」シリーズ(ムービー部門)
BBDO J WEST/古屋彰一

審査員特別賞

■三島邦彦賞
KBC「A.I.少女AZUSA」シリーズ(ムービー部門)
電通/髙崎卓馬

■北川譲賞
森永製菓 スペースバナー(デジタル部門)
博報堂/竹上淳志、滝口勇也

■下津浦誠賞
ハッピーカーズ「轟け、車愛。」(ムービー部門)
ADKクリエイティブ・ワン/加藤悠、佐藤充

■左俊幸賞
ボートレース下関「長州力5G」(ムービー部門)
BBDO J WEST/下津浦誠

■古屋彰一賞
パナソニック「Voice of Home -帰っておいでアナウンス-」(ラジオ部門)
大広WEDO/畠山侑子

■今井美緒賞
シヤチハタ「印影漫才師ふぉれすと」(ムービー部門)
電通中部支社/和田佳菜子

■永野弥生賞
シャボン玉石けん株式会社「手洗いは、命を守る。」(ムービー部門)
五島列島なかむらただし社、電通九州/中村直史、米村拓也

■松田正志賞
メディカルケアサービス「介護職員採用広告」(グラフィック部門)
クイック/塚田智幸

■久冨和寿賞
西鉄自動車学校「実際のところの唄」(ムービー部門)
西鉄エージェンシー/松尾昇